京都ゆるり休日さんぽ
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秋の便りを受け取るように お取り寄せしたい京の味〈和菓子編〉

京都でもっとも早く秋が訪れる場所。それは、和菓子屋の軒先です。菓銘とともに情緒を味わう伝統的な和菓子、栗や果実といった秋の実り、秋の景色が目に浮かぶような暖かい色合い。和菓子の秋の表現の多彩さと豊かさは、眺めるだけで心満たされるはず。今回は、季節の便りを受け取るような「秋の京都の和菓子」のお取り寄せをご紹介します。

暮らすように、小さな旅にでかけるように、自然体の京都を楽しむ。連載「京都ゆるり休日さんぽ」はそんな気持ちで、毎週金曜日に京都の素敵なスポットをご案内しています。

銘と意匠で秋を伝える お取り寄せにも上生菓子を

お茶席の主菓子(おもがし)としてふるまわれる上生菓子は、日持ちせず、形もくずれやすいため、本来お取り寄せには不向きです。それでも、コロナ禍で長引く外出自粛生活や、遠方からの来店が難しい人にとっての小さな喜びになればと、祇園の老舗和菓子店「鍵善良房」がスタートしたのがこちら。

9月下旬〜10月下旬の「季節の上生菓子 4種セット」(2000円・税込み)。消費期限は到着日当日。京都から翌日配送可能な地域に限る。手前「糸菊」、奥は左から時計回りに、「光琳菊」「野菊」「里の秋」。それぞれ銘も味わって
9月下旬〜10月下旬の「季節の上生菓子 4種セット」(2000円・税込み)。消費期限は到着日当日。京都から翌日配送可能な地域に限る。手前「糸菊」、奥は左から時計回りに、「光琳菊」「野菊」「里の秋」。それぞれ銘も味わって

「季節の上生菓子 4種セット」は、京都から翌日配送が可能な地域に限りお届けしているもの。約1カ月で内容が変わり、日本の細やかな季節のうつろいを繊細な意匠で表現しています。端正な木箱に入った4種の上生菓子は、なるべく形がくずれにくいものを選び、できたてを包んで、届いたその日にいただいてもらう。店と客との信頼関係があってこそ成り立つ、お取り寄せの形です。

お取り寄せでも端正な包装は変わらない。上生菓子は木箱入り
お取り寄せでも端正な包装は変わらない。上生菓子は木箱入り

「少しでもみなさまの暮らしを明るく、季節感をお届けできればという思いで、上生菓子の発送を考えました。塞ぎ込みがちな自粛生活の中で『季節を感じられて気分が安らいだ』といったお声をいただいています」と代表の今西善也さんは話します。

「鍵もち」(12個入り1800円、税込み〜)。ふんわり、もちっとした食感がクセになる。高温多湿の場所を避け常温で保存可。日持ち7日
「鍵もち」(12個入り1800円、税込み〜)。ふんわり、もちっとした食感がクセになる。高温多湿の場所を避け常温で保存可。日持ち7日

「鍵善」でお取り寄せするなら、合わせて注文したいのが「鍵もち」。丹念に練り上げた羽二重餅に煎(い)りたて、挽(ひ)きたてのきなこをたっぷりまぶしたシンプルなお菓子ですが、上品な甘さと夢心地の柔らかさは一度食べたら忘れられません。7日ほど日持ちがするため、贈り物にも重宝します。

鍵善良房
https://shop.kagizen.co.jp/

渋皮の野趣と栗の甘みが溶け合う一粒

秋の和菓子といえば、真っ先に思い浮かぶのが栗を使ったもの。1927(昭和2)年の創業から「栗菓匠」として営む「若菜屋」にも、渋皮付きの栗を使った秋だけの楽しみ「渋皮栗 焼き栗きんとん」が登場します。「若菜屋」の代表銘菓である渋皮栗の蜜漬け「栗阿彌(りつあみ)」のファンの顧客から、「渋皮栗を使ったきんとんも作ってほしい」という声を受けて実現したのだそう。

「渋皮栗 焼き栗きんとん」(6個入り1587円・税込み〜)。9〜11月の秋季限定。日持ち約10日
「渋皮栗 焼き栗きんとん」(6個入り1587円・税込み〜)。9〜11月の秋季限定。日持ち約10日

渋皮栗をなめらかに練りあげ、白あんと合わせて栗型に成形したこちらは、しっとり・ほっくりとした舌触り。こんがりと付いた焼き目も香ばしい一品です。ひと口ごとに野趣あふれる渋皮の風味がふわりと香り、ほうじ茶や番茶といった素朴なお茶、コーヒーなどにもよく合います。

若菜屋
http://www.wakanaya.jp/

フルーツの色や香り、みずみずしさを和菓子にも

こなしや餅といった素材を使い、色や形で季節を現す伝統的な和菓子。その一方で、フルーツのみずみずしさや酸味を取り入れた新感覚の和菓子も注目されています。元離宮二条城にほど近い路地に店を構える「果朋-KAHOU-」は、洗練された新しい和菓子のスタイルで注目の集まる、京都の和菓子店のニューフェース。洋菓子の技法と和菓子の素材をミックスしたジャンルレスなスイーツや、お団子や和パフェを瓶詰にするなど、斬新な発想とスタイリッシュなパッケージが話題です。とりわけ、果実を巧みに取り入れたスイーツはまさに「季節の便り」。

左「果福 シャインマスカット」(1個410円)、右「和樂 果貴」(1個496円)。いずれも税込み、日持ち冷蔵で3日。
左「果福 シャインマスカット」(1個410円)、右「和樂 果貴」(1個496円)。いずれも税込み、日持ち冷蔵で3日。

シャインマスカットやグレープフルーツなど、フレッシュなフルーツを白あんと羽二重餅で包んだ「果福」は、「あんこが苦手」という人にも好まれる大福。丸ごとの干し柿に粒あんと求肥(ぎゅうひ)を忍ばせ、羊羹(ようかん)でコーティングした「和樂 果貴」も、秋の恵みをぎゅっと凝縮したような一品です。

さまざまな季節のモチーフを集めた干菓子(ひがし)のスタイル「ふきよせ」も、「果朋-KAHOU-」にかかればこんなふうに。

「果朋富貴よせ罐(かん)」(2678円・税込み)。日持ち30日
「果朋富貴よせ罐(かん)」(2678円・税込み)。日持ち30日

野菜や果物のチップス、かりんとう、金平糖や和三盆糖がぎっしり詰まった一箱は、まるで小さな庭のよう。どのお菓子にも「フルーツは、よりダイレクトに旬のエッセンスを届けることができる。旬の食材が店頭に並ぶと季節を感じる、日本人としての感覚を大切にしたい」という作り手の思いが込められています。

果朋-KAHOU-
https://shop.kahou.kyoto/

お取り寄せという形でも、包みを開くときめきを体験できるように。きりっと包まれた掛け紙やリボン、端正な箱のフタを開けると広がる景色に、作り手のおもてなしの心が宿ります。届ける人、受け取る人が、互いに季節を分かち合える。秋の京都の口福を、大切な人や自分自身に贈ってみてはいかがでしょう。

*営業状況が変更されている場合があります。

BOOK

秋の便りを受け取るように お取り寄せしたい京の味〈和菓子編〉

京都のいいとこ。

大橋知沙さんの著書「京都のいいとこ。」(朝日新聞出版)が2019年6月7日に出版されました。&Travelの人気連載「京都ゆるり休日さんぽ」で2016年11月~2019年4月まで掲載した記事の中から厳選、加筆修正、新たに取材した京都のスポット90軒を紹介しています。エリア別に記事を再編して、わかりやすい地図も付いています。この本が京都への旅の一助になれば幸いです。税別1200円。

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