最終回、私たち「クリトモ商店」の思い

こんにちは、この連載も今回が最終回です。
もうすぐ、クリトモ商店をオープンして1年になります。当初は海外からの旅行者向けに食べ歩きや、近所の方に向けたお総菜などを売ろうと始めた路面店ですが、コロナが長引いたせいで色々と方向転換をしなければならず、一体なにがやりたかったのかわからない時期が長く続きました。しばらくは既存の卸売りで頑張って波風の立たない日々。
でも、立ち止まっていても仕方ないので、思い切ってロスが出ない程度の量でお総菜を始めてみました。そして約3カ月、やっとうちの味が好きと言ってくださる方が増えてきて、テレビ出演も重なり、今では列ができる時間帯もあるほどになりました。自分たちがおいしいと信じてきたものを作り続けて本当に良かったと思っています。

わたしたちがお総菜作りで気をつけていることは「フードロス」。お総菜って売れなかったら廃棄ですよね。うちみたいな個人商店は、廃棄するほどたくさん作っちゃだめなんですよ。なので、売り切ったらもうその日は売り切れ。売る商品がなくなったら閉店です。ここは潔く。そして、普段みなさんが食べないであろう部位も、おいしく加工して販売。まぐろの血合いを使ったカレーや、カツオの骨の周りを食べるあら炊きとか。捨てるところを減らして、魚の可能性を探っています。いずれは骨の髄まで食べ尽くしたいと思っていますよ。


今取り組んでいるのが、脱プラスチック。先月末からプラスチック容器をバイオプラスチックという環境に配慮した素材を使用するようにしました。そして、お総菜販売当初からパック代金として少しお高いかもしれませんが、100円いただいています。この一部は、海洋プラスチックの問題について取り組む団体に寄付しようと思っています。

というのも、数カ月前にあるイベントで、その団体の方たちと出会い、環境問題を真剣に考えるようになったのが全ての始まり。いろんな映像を見たり、お話をうかがったり……。その時、バッグの中に入っていたペットボトルを隠すくらい落ち込んだんです。
で、私たち魚屋は発泡スチロールやプラスチックを良く使うので、何ができるか相談したところ、寄付という形をとることにしました。
じゃあ、プラスチックをやめて紙製品にすればいいじゃないか。という意見もいただきましたが、バイオ素材や紙でオイルが漏れにくいようなものはとても高価なんです。このような活動は長く続けるために、無理しちゃいけない。今、私たちができる最大限のことをやって、少しずつ私たちの活動を成長させていけたらいいなと思っています。
というわけで、クリトモ商店、少しずつですが、わたしたちのやりたいことが見えてきました。これからも応援よろしくお願い致します。
また会う日まで! 長い間、読んでくださってありがとうございました。
私の&Wのチェックが甘くて連載最終回の今日出会って読み,以前掲載分に遡って全て読みました。とても楽しい。是非近いうちに再登場して下さい❗️
お店にも伺おうと思います。
毎回楽しみにしていました。お休みしていた期間もずっと再開を楽しみにしていたのに、最終回なんて寂しすぎです。また出来れば再登場を!