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小川フミオのモーターカー
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卵型の凝縮感あるスタイル 初代「日産ムラーノ」

弧を描くキャラクターラインを強調した、当時の日産のデザインテーマのなかでも成功例のムラーノ

2004年9月に日本で発売された初代「日産ムラーノ」。卵型の凝縮感あるスタイルといい、都会的ともいえるスタイリッシュなディテールといい、強く印象に残っているモデルだ。

もう一つ、ムラーノといえば、私がよく覚えているのは、04年の6モデル同時発表の1台だったこと。ずらりと壇上に6つのモデルを並べるという大胆な記者発表は話題になった。まさに、当時の日産自動車の超イケイケムードと結びついている。

04年の国内販売6モデルの1台としてムラーノを発表
04年の国内販売6モデルの1台としてムラーノを発表

ムラーノは、日本に先だって北米市場で02年から販売され好調な成績を残していた。そのことは、日本でも知られていた。なので、一刻も早く日本にも、という声が大きくなっていったのだ。

02年に先行発売した北米では、約1年半で8万台を販売したという
02年に先行発売した北米では、約1年半で8万台を販売したという

この頃、02年から03年にかけて、日産自動車は、マーチ、スカイラインクーペ、キューブ、エルグランドなど、積極的な新車攻勢をかけていた。ただし、SUVがいま一つ。

当時は既にSUV人気が高まっていたため、日産ファンは特に、斬新な印象が強いムラーノを待ち望んでいた。そういえば、いま(21年夏)はXトレイルの新型の日本発売が待たれているように、このメーカーはいつも何か欠けているような気がしないこともない。

ドライブトレインは、2.5リッター直列4気筒エンジンと前輪駆動、もう一つは、3.5リッターV型6気筒と4WDの組み合わせ。特に後者は、期待通りパワフルな走りを味わわせてくれたのを覚えている。

プラットフォームやサスペンションシステムは基本的に、大型の前輪駆動セダンであるティアナ(03年)と共用。この初代ムラーノでは、メカニズム的には独自の新しさはなかった。見かけはオフロードも走れそうであるものの、実際のところ、市街地向けのSUVなのだ。

1987年の2代目サファリあたりから引き継いだ“ギア感”を強調したメーターパネルが特徴的
1987年の2代目サファリあたりから引き継いだ“ギア感”を強調したメーターパネルが特徴的

一方でスタイリングは、あえて大胆な方向に振った。そのため、日産自動車は主張のあるメーカーとイメージづくりに貢献。「エクステリアデザインのテーマは“躍動感ある彫刻”」と、当時、日産自動車は謳(うた)っていた。

ムラーノとは、ガラス工芸で知られた伊ベニスのムラーノ島の製品を連想させる命名。大変高価なだけあって、発色もガラスの質もデザインも、すばらしい出来映えだ。クルマのムラーノも、同様の凝縮感を狙ったのだろうか。その意気やよし、である。

プレミアムセダンと通じる作りのインテリア
プレミアムセダンと通じる作りのインテリア

その後、ムラーノは、2008年と14年にモデルチェンジを受けているものの、現行モデルの日本発売はされていない。一説によると、北米向けに開発したため、ボディーサイズが日本の路上に合わなくなっているから(つまり販売面で大きな成功が見込めない)だとか。

これからの日産車は、21年6月に正式発表された新世代のSUV「アリア」のように、電動化していくと謳われている。となると、ムラーノに日本で乗れる機会はこの後も来ないかもしれない。初代のインパクトを覚えている私には、少々残念なことだ。

記者発表会の会場におけるムラーノ
記者発表会の会場におけるムラーノ

【スペックス】
車名 日産ムラーノ 350XV Four
全長×全幅×全高 4770x1880x1685mm
3498cc V型6気筒 全輪駆動
最高出力 170kW(231ps)@5600rpm
最大トルク 333Nm@2800rpm

(写真=日産自動車提供)

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