海の見える駅 徒歩0分の絶景
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広い空と海、波の音に包まれて 新潟県の越後寒川駅と府屋駅

夕暮れの越後寒川駅。広々としたホームの先には、果てしない日本海が広がる

特急を降りたらオーシャンビューの府屋駅

越後寒川駅から北に2駅。降り立ったのは、府屋駅だ。新潟県最北の駅で、北隣の鼠ヶ関(ねずがせき)駅は山形県になる。

府屋駅から望む、日本海と粟島
府屋駅から望む、日本海と粟島

府屋駅も越後寒川駅と同様に、道路を挟んで海に面し、長いホームを有する。屋根が少ないので、空も広い。越後寒川駅と大きく違うのは、府屋駅は旧山北(さんぽく)町の玄関口にあたり、特急「いなほ」も停車する有人駅であること。特急停車駅でありながら、海が間近に見えるホームは珍しい。

時刻は午後6時前。移動している間に太陽は沈みきり、ホームから影は消えていた。代わりに待っていたのは、夕方から夜へと移ろいゆく空のグラデーション。マジックアワーを迎えていた。

マジックアワーの府屋駅。ホームにも明かりがともり始めていた
マジックアワーの府屋駅。ホームにも明かりがともり始めていた

刻一刻と暮れてゆく中、ごうごうという海の音がいっそう際立って聞こえる。ときたま隣の国道を通る車の音以外、人の気配はなかった。

府屋駅の跨線橋から見た日本海。たまに車が横切ると、そこに道路があることに気づく
府屋駅の跨線橋(こせんきょう)から見た日本海。たまに車が横切り、そこに道路があると気づく

跨線橋(こせんきょう)を渡り、明かりのともる平屋の駅舎に入ってみても同じ。到着した時間にはすでに窓口が閉まっており、待合室も空っぽ。見る限り、売店もない。特急が本当にとまるのか不安になるくらいの静けさだ。

しかし、意外にも駅前に人の姿があった。地元の方が何人か、駅前に車を止め、喫煙所で語らっている。どうやらそれぞれ家族を迎えに来たらしい。

府屋駅前には、家族を待つ人の姿
府屋駅前には、家族を待つ人の姿が

まもなくして下り列車が到着。いつものことなのだろう。すぐに家族を乗せると、車は三々五々走り去った。誰かの家路を目の当たりにすると、いよいよ一日の終わりを感じる。

駅は再び、しんとした。間もなく午後7時。帰りの「いなほ」を待とうとホームに出るが、水平線はもう見えない。代わりに待っていたのは、視界いっぱいの暗闇に、点々と散った漁船と星たちの明かり。列車のヘッドライトにかき消されるまで、思わずじっと見つめ続けた。

日本海と空が織りなす風景は、最後まで広く、果てしなかった。

上越新幹線新潟駅から特急「いなほ」でJR村上駅まで約30分、JR羽越線普通列車に乗り換え約30分(越後寒川駅)、越後寒川駅から普通列車で約10分(府屋駅)。

■JR東日本

https://www.jreast.co.jp/

広い空と海、波の音に包まれて 新潟県の越後寒川駅と府屋駅

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