リノベーション・スタイル
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〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由

Iさんご夫妻
東京都練馬区 / 62.42㎡ / 築27年 / 総工費1,165万円

     ◇

今回、リノベーションしたお宅は、62.42㎡の比較的コンパクトなマンション。中央に廊下があるオーソドックスな3LDKを、広々とくつろげるLDKと個室二つ、そして、2本の廊下がある2LDKに変更しました。

完成したとき、Iさんご夫妻からは「リノベーション前と同じ広さとは思えない開放感と暮らしやすさがあります。廊下をもう1本増やしたのに、全く狭く感じませんね」と、言われました。

お二人が言われるように、今回のリノベーションのポイントは「廊下が2本ある」こと。廊下が2本あると聞くと、奇抜なデザインの家だと思うかもしれませんが、暮らしやすさを考えての提案なので、デザイン優先ではありません。

〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由
アイランドキッチンからリビング。収納のナラの扉は、廊下から続くナラの板張りの壁と合わせたしつらえに

Iさんご夫妻は、ゆったりできるLDKと寝室、楽器を弾ける個室があることを希望されました。お二人とも仕事をしているので、家事や暮らしがスムーズに回るように水回りが使いやすいことも重要でした。

これらの希望をかなえるために、プランを考えました。まずは、LDKと個室で何がしたいのかをピックアップしてもらい、必要な広さを割り出します。寝室は、将来子ども部屋にできるように少し広めにし、2部屋に分割することも可能にしました。

その上で、提案したのが「2本目の廊下」。通路としての1本目の廊下はそのまま残し、もう1本の廊下は家事動線をスムーズにするためのものです。玄関を入ると2本の廊下があり、1本目の床材はフローリングで、リビング・ダイニングへと続きます。

〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由
玄関を入ると、板張りの壁に沿ってフローリング張りの「乾き廊下」が続く

そして2本目は、まるで裏庭に回るような感覚で、洗面室、浴室、キッチンをつなげる廊下になっています。こちらは水に強いタイルを選びました。

一般的には、廊下を2本も作ると居住空間が狭くなります。でも、この2本目の廊下は通路としてだけではなく、洗面室のスペース、浴室の脱衣スペース、キッチンのスペースなどを兼ねています。人目が気になる脱衣スペースには前後に扉がついていて、入浴するときは個室になるように工夫。廊下が居住空間の一部を担っているので、全体的に狭さを感じることがないのです。

2本目の廊下は裏庭のような雰囲気ですが、水回りは暮らしや家事を支えているので、実はこちらがメインストリートと言えるかもしれません。

〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由
キッチンやバルコニーまでつながるタイル張りの「濡(ぬ)れ廊下」。廊下を脱衣スペースと兼ねて、限られた面積をうまく活用

元々あった1本目の廊下は、玄関から個室、リビング・ダイニングを緩やかにつなげています。廊下の壁とリビングの収納は同じ木の素材にして、一体感を出しました。個室のドアや収納の扉もあえて目立たなくし、全体的にスッキリした印象になっています。

そして、2本の廊下によって家全体に回遊性が生まれ、行き来しやすく、空気もスムーズに流れていきます。風通しの良い、開放感がある家になりました。

〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由
隠し扉のような板張り壁の奥に、必要最低限の広さに抑えた寝室。壁面はクローゼットも兼ね、ここもスペースをうまく活用


私たちがリノベーションをするとき、「部屋の広さは◯畳必要」とか「廊下は通路」などという、既成概念にとらわれることはありません。その場所で何がしたいかを考えて、広さや用途を決めていきます。

Iさんのお宅は、用途を考えた上で、LDKや個室は元の間取りよりは少しだけ狭くしました。そして、廊下が脱衣スペースなどを兼ねることで、2本目の廊下を実現しています。「廊下をもう1本増やしたのに、狭く感じない」のは、こんな理由がありました。

間取りとリノベーションの写真のつづき(写真をクリックすると、各部屋をご覧いただけます)

Iさんご夫妻に聞く
リノベーションQ&A

Q1 家の中で一番気に入っている場所はどこですか?

リビング・ダイニングです。リノベーション前は、狭いリビング・ダイニングと和室の間取りでしたが、和室を洋室に変えて広々した空間にしました。

収納はエアロバイクがしまえるサイズにしてもらいました。使うときにリビングにサッと出せて、終わったらすぐにしまえて便利です。リビングの収納はこんなふうに何を入れるかを考えて作ったので、物の出しっぱなしがなく、すっきり居心地良く暮らせています。

〈235〉コンパクトな間取りに廊下が2本!? 狭くならずに暮らしやすくなった理由
北海道のナラの板張りと合わせて製作した、オリジナルのナラのハンドル

Q2 リノベーションのプロセスで楽しかったことは?

理想の家とブルースタジオさんからの提案を擦り合わせていき、自分たちだけでは思いつかないような家にしていくプロセスが楽しかったです。廊下を2本作るなんて、最初は「そんなことができるの?」と思いました。でも、リノベーション前と後では、同じ広さとは思えないくらい、開放感があって暮らしやすくなりました。

Q3 リノベーションのプロセスで大変なことはありましたか?

理想と現実(予算)の擦り合わせですね。どこで折り合いをつけるのか、夫婦で悩みました。また、自分たちで決めるべきことが多いので、時間と労力がかかります。それも楽しみの一つなのですが、仕事をしながらなので大変な部分でもありました。

構成・大橋史子

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