料理家・冷水希三子の何食べたい?
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舞茸の風味が極上のソースに。秋味のポークソテー

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は今がおいしい舞茸(まいたけ)を使い、食べ応えたっぷりの豚肉のソテーを作ります。

―― 冷水先生、こんにちは。空が高くて気持ちがいい季節になりました。

冷水 空気が澄んでいて、本当に心地がいいです。

―― 食欲の秋ですね~。

冷水 続々とおいしい食材が出てきて、お料理が楽しいですね。

―― 今回も秋の食材を使ったメニューへのリクエストがたくさんきています。

冷水 今回も悩みますね~。

―― 特に多かったのはきのこを使ったお料理へのリクエストです。しいたけも多かったですが、舞茸も負けていません。

冷水 この時期は天然物の舞茸も出回りますからね。

―― 私は舞茸に一票! というのも、舞茸っておいしいんですけど、食べた記憶としては天ぷらが9割くらいを占めていて……。レパートリーが極端に少ないような気がするんです。

舞茸の風味が極上のソースに。秋味のポークソテー
今が旬の舞茸と柿を使ったポークソテー。柿が入ることで彩りも秋らしくなります

冷水 あはは。そうかもしれませんね。だって舞茸の天ぷら、おいしいですもんね(笑)。

―― かといって家で天ぷらというのもちょっとハードルが高いですし……。何か手軽に舞茸の魅力を堪能できるお料理があればいいな~と思います。

冷水 わかりました! 舞茸の魅力普及に一肌脱ぎましょう!

―― 舞茸を料理するにあたって、何か注意することはありますか?

冷水 舞茸はきのこの中でも香りと風味が強いのが特徴です。だから天ぷらにすると香りが立っておいしいのですが、お料理によっては舞茸の主張が強くなりすぎることがあるかもしれませんね。

―― そうそう、炒め物なんかにすると全体が舞茸に支配されて、トゥーマッチになってしまうことがあります。

冷水 今回はその特徴を利用して、ポークソテーのソースの一部として舞茸を捉えたいなと思っています。

―― 舞茸をソースに!?

冷水 ソースといっても液状にするわけではないんです。舞茸もソテーの状態なのですが、豚肉と一緒に食べた時に風味がソースのような感じになるようにしようかなと。

―― さすが香りの魔術師・冷水希三子ですね!

舞茸の風味が極上のソースに。秋味のポークソテー
柿はソテーするとトロッとしてきますが、完全に崩さず、形が残る程度に炒めるとジューシーさが残っておいしいです

冷水 じゃあまずは豚肉から焼いていきますね。この時の注意は焼きすぎないこと。両面にうっすらと焼き色が付く程度なので、本当に短時間です。

―― 豚肉はよく火を通さないと!と思いがちですけど、気付けばカチカチになっちゃうんですよね……。

冷水 あとから蒸し焼きにするので、この段階ではさっとで大丈夫です。豚肉が焼けたら取り出して、油を拭き取ってから新たにEXVオリーブオイルを引きます。そこにアンチョビとにんにくを入れて、ほぐした舞茸と5mm程度のくし切りにした柿を入れて強火で炒めます。

―― 柿!?

冷水 はい、秋の味覚ですね。

―― サラダとか生でお料理に使うことはありますが、熱を加えるのは初めてかも……。

冷水 程よい甘さが加わって、おいしいんですよ。柿以外に巨峰を使ってもいいです。

舞茸の風味が極上のソースに。秋味のポークソテー
フライパンに豚肉を戻し入れるときは舞茸と柿のソテーの上にのせます。こうすることでゆっくりと肉に熱が伝わり、軟らかくジューシーに仕上がります

―― 柿が入ると彩りも奇麗ですね~。

冷水 白ワインと白ワインビネガーを加えて、沸いてきたらさっき焼いた豚肉を加えます。この時、豚肉は舞茸と柿の上にのせてくださいね。あとはふたをして2分ほど蒸らし炒めます。

―― 舞茸のベッドの上に寝かせるんですね!

冷水 はい、こうすることで豚肉が硬くならないんです。

―― なるほど~。

冷水 2分経ったら火を消して、その状態で1分半ほど置きます。余熱で優しく熱を加える感じです。

―― 分厚い豚肉がこんな短時間で調理できるなんて! これまで火を入れすぎてましたね、私……。

冷水 豚肉はジューシーさが大切ですから、火を入れる時間を忠実に守って作ってみてくださいね。

―― はい!

冷水 1分半経ったら豚肉だけを取り出して、再びフライパンを火にかけます。そこにみじん切りにしたイタリアンパセリとバターを加えて混ぜ、最後に塩で味を調えて完成です。

―― 柿が程よく崩れて、いい感じですね。

冷水 はい、柿もソースの一部です。皿に持った豚肉のソテーに舞茸と柿のソースをかけて召し上がれ。

舞茸の風味が極上のソースに。秋味のポークソテー
盛り付けは豚肉のソテーの上に舞茸と柿のソテーをのせて。フライパンに残ったソースも一緒にどうぞ

―― わ、フライパンの中に舞茸から出た水分が残っていて、すごくおいしそうですね。これもかけて食べるんですか?

冷水 もちろんです。お味はどうですか?

―― う~ん、とにかくまず豚肉が軟らかいです! 想像していた以上に軟らかいです~!

冷水 これは私の感覚ですが、舞茸と一緒にお肉を調理すると軟らかく仕上がるような気がするんですよね。もちろん蒸し焼き効果もあると思いますが。

―― あと、先生が「舞茸はソースの一部」とおっしゃっていましたが、食べて納得です。しっかりと形が残っていて歯応えも楽しめるのですが、豚肉と一緒に食べると舞茸の香りと味がフワ~ッと広がって、本当にソースのような感じです。あとは柿もいい仕事をしてる!

冷水 舞茸だけだと風味が強くなりすぎるのですが、柿が入ることでちょうどいい塩梅(あんばい)になるんです。

―― 柿が隠れたポイントですね、このお料理は! あとはビネガーの酸味もいいです。柿の甘さとビネガーの酸味のバランスがよくて、さっぱりと、でも滋味深い味に仕上がっています。すごく上品なポークソテーです。

冷水 食べた時の一体感を楽しんでほしいです。

―― 冷水先生のお料理は食べた瞬間の驚きが毎回すごいですが、今回はとくに感動しました。この食材とあの食材が一緒になって……、こうきたか!という感じ(笑)。

冷水 ぜひまた想像を超えていきたいですね(笑)。

ポークと舞茸のソテー

材料(1人分)

  • 豚ロース(ステーキ用)
    1枚
  • 舞茸
    80g
  • 1/4個
  • EXVオリーブオイル
    大さじ2
  • アンチョビ
    1切れ
  • にんにく
    1/2片
  • 白ワインビネガー
    小さじ1
  • 白ワイン
    大さじ2
  • イタリアンパセリ
    3本
  • バター
    5g
  • 適量
  • 豚肉に塩を少々ふる。舞茸は大きめにほぐす。柿は皮をむいて5mmの厚さのくし切りにする。アンチョビとイタリアンパセリはみじん切りにする。にんにくは切らずに芯を取る。
  • フライパンにEXVオリーブオイルの半量を入れ、強火で豚肉をさっと焼く。両面に焼き色がうっすらついたら取り出す。
  • 2.のフライパンの油をふき取り、残りのオリーブオイルとアンチョビとにんにくを入れて熱する。にんにくとアンチョビの香りがたったら舞茸と柿を入れて強火で炒め、白ワインビネガーと白ワインを加える。沸いたらその上に2.の豚肉をのせ、ふたをして2分蒸らし炒め、その後火を消して1分半ほど置き、豚肉だけ皿に取り出す。
  • フライパンを再度火にかけ、イタリアンパセリとバターを加えて混ぜ合わせ、塩で味を調える。3.の豚肉の上にかける。

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