柏「ボンベイ」の進化系、激戦区シモキタに登場「SANZOU TOKYO」(東京・下北沢)

大好きな柏(千葉県)の「ボンベイ」をルーツに持つ新店がオープンしたと聞いて、ソワソワしていたが、オープン4カ月目にしてやっと行くことができた。場所はカレーの名店がひしめく下北沢。名前は「SANZOU TOKYO(サンゾウ トーキョー)」だ。柏ボンベイの2代目、カリスマシェフの磯野晃一さんが、ボンベイのDNAを進化させ、新店のために考案したスペシャルなカレーが食べられる。
話題の線路跡地の商業施設「reload」(リロード)の中にある店は、ギャラリーも併設して抜群におしゃれ。椅子はなく、スタンディング形式だが、隣との間隔が十分に取られていて、ゆったりと食べられる。アルコール消毒と検温を済ませ、食券を買ってカウンターに着いた。

オーダーは大好物のカシミールカレーをと思ったが、今回はあえて定番の「チキンカレー(900円、以下税込み)」をセレクト。平たく盛られた真っ白なライスと共に、おなじみのとろみのないシャバシャバのチキンカレーがカレーポットに入って登場した。メニューの中で一番マイルドなカレーは、スパイス感はありながらも優しい味わいで、まずはライスにかけずにそのままスープのように口へと流し込む。うーんまさにこれだ。一気に食欲全開。スパイスがしっかりと染み込んだ大きめのチキンもスプーンで難なくほぐれる。よりシンプルを目指すということで、ジャガイモは入っていない。唯一無二のルーを堪能するには、確かにこれはこれでありかと大満足のうちに完食した。
他にもタマネギとクレソンたっぷりの「コルマカレー(1,100円)」や牛ひき肉に山椒(さんしょう)を効かせた新メニューの「ペトラカレー(1,300円)」、カシミールを超える超極辛口の「デスバレーカレー(1,100円)」など、どれも新店にして熟練の味。さすが、熱狂的なカレーファンを持つボンベイの実力を受け継ぐ店だ。


SANZOU TOKYOの目指すところも、やはり “ジャパニーズカレー”。もちろんスパイスは使うが、今のようにスパイスが容易に手に入らなかった頃にボンベイをオープンし、試行錯誤しながら見つけた国産の材料もそのまま使っている。日本のカレーに合わせるのはあくまでもライス。山形県産の米と、同じ山形県産の水を合わせて炊く。味の決め手となるタマネギは淡路島産と北海道産を混ぜて使う。

〆は、柏ボンベイでは定番になっているデミタスコーヒーではなく、香辛料の効いた冷たいチャイというのも新鮮だった。次回は大好きなカシミールと決めている。こちらがどう進化しているのか、今から楽しみだ。

SANZOU TOKYO (サンゾウ トーキョー)
東京都世田谷区北沢3-19-20 reload 1F
03-5738-7744
https://sanzoutokyo.com/