不条理とのつきあい方
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あなたが思っているほど、組織はあなたについて考えていない

コロナやデジタル化の影響で「働き方」にも変革が迫られる中、組織や人間関係から生じる「ビジネスの不条理」をどう乗り越えていけばよいのでしょうか。連載「不条理とのつきあい方」では、ビジネス、テクノロジーなど幅広い分野で発信するコンサルタントの塩野誠さんが、ビジネスパーソンの悩みに答えます。

【質問】組織として決定された方向性が、自分が考えているビジネスの方向性と正反対のときに、どうしたらモチベーションがあがるのでしょうか。(20代会社員)*質問は編集部が取材したものですが、読者のみなさんからも募集しています。

需要と供給のバランスによって、組織での力関係は決まる

仕事のモチベーションというのは厄介なものです。例えば、あなたが心臓に大きな病を抱えているとして、「今日はモチベーションわかないなあ」と思っている心臓外科医に手術してもらいたいでしょうか? 今回はこの厄介なモチベーションについて考えてみましょう。

組織の中を見渡すと、どんな仕事でも80点のものを出してくる人と、98点の時もあれば、60点の時も結構ある人がいて、どちらが評価されるかは組織によって分かれます。しかしながら、マネジメント側からすれば、たいていはあまりムラの無い人の方が重宝されます。

一方で、「モチベーションが上がるような好きな仕事しかしない」という人はいます。会社のなかでその人の能力や才能に対する需要が大きく、仕事を依頼したい人が多いので、仕事を選べる立場にいることが考えられます。

あなたが思っているほど、組織はあなたについて考えていない
「好きな仕事しかしない」と見られている人は、会社の中での需要が大きい人たち、と考えられる 写真=takasuun/Getty Images

これは別にアーティストの話ではなく、中小企業や小さな部署でも一緒です。需要と供給のバランスによって組織内での力関係が決まってしまうのです。 モチベーションを上げて好きなように仕事をしてもらわないと、他に仕事をしてくれる人がいない――。「ギリギリの人数で仕事をしているのであの人に辞められてしまったら、まわらない」という会社はたくさんあります。

質問された方は、自分の考えとは違う方向に経営上の意思決定がされてしまったため、モチベーションがわかない、やる気がなかなか出てこない状況にいるのでしょう。だとすると、お伝えした需要と供給の関係で、交渉力のある立場には立てず、社内での力関係をうまく行使できなかったのかも知れません。

あなたにゴネられたとしても組織には代替があったのでしょう。組織人としては、それでも「仕事だからやらないと」ということになるのでしょうが、「でも、この方向性は嫌だなあ、この先やっていけるかな」とモヤモヤしてやる気が無くなってしまった状態なのだと思います。

「いつでも辞めてやる」という覚悟があれば、好きなことが言える

会社組織の意思決定がコンプライアンス問題や自分の生き方に関わるようなものであれば、納得できずに辞表を書くというのもあると思いますが、今回はそこまでではないかも知れません。辞めるところまではいかなくても「目標を見失って、落ちこんでいる」状況だと思います。

仕事の性質にもよりますが、時間軸を考えることは大切です。次に異動やチャンスが来るまでに半年かかるのか、5年かかるのか、という相場観です。あなたが良かれと思う方向に引き戻すチャンスがあるのかどうかを判断することが大事です。

もしもあなたの出世や社内政治力の拡大という私利私欲ではなく、組織のため、事業のために動いていると思うのであれば、「いつでも辞めてやる」という覚悟さえあれば、思ったことを好きに言えるし、大抵のことはできると思います。嫌な人にも意地悪な人にも、大義を掲げて物申せるはずです。ビジネスをめぐって社内政治で政敵と刺し違えても、ただ辞めるだけで命までは取られません。

あなたが思っているほど、組織はあなたについて考えていない
組織と自分の関係を「対等」に考えてみた方が客観的に判断できる 写真=kieferpix/Getty Images

「いつでも辞めてやる」は一度でも転職を経験していると、そんなに抵抗の無い考え方です。勤めていた会社を辞めた後に、「全てだと思っていた仕事場がこんなにあっさり縁が切れるんだ」と思った方は少なくないことでしょう。

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