知恩院の大伽藍を舞台にした、美しいライトアップ

念仏の根本道場、御影堂を間近で拝観
続いて、歩くと鶯(うぐいす)の鳴き声に似た音で侵入者の存在を知らせる鶯張りの廊下を渡り、御影堂へと歩みを進めます。7万3千坪もの広大な寺域に点在する伽藍のなかでも、最も重要な場所が法然上人の御影を祀(まつ)る、この御影堂です。2011(平成23)年に「元祖法然上人800年大遠忌」を迎えた知恩院。その年から、国宝に指定されている御影堂の平成大修理がスタートしました。2020(令和2)年4月、およそ9年間におよぶ大修理が完了しましたが、コロナ禍を受け、記念すべき落慶法要は規模を大幅に縮小して執り行われました。それから1年半後の今秋、晴れて大々的なお披露目となったのです。

御影堂では内陣を鑑賞。西側に並ぶ三つの厨子(ずし)の内部には、知恩院を整備拡張した徳川家康、家康の母である伝通院、三門と経蔵を建立した徳川秀忠の坐像が。対して、東側には法然上人の護持仏だった阿弥陀三尊立像などが安置されています。ここで少し余談ですが、御影堂は瓦や柱だけでなく、足元の畳の芯までも、全てではないものの創建当時のものがそのまま再利用されているそう。400年前、徳川家光によって建てられた御影堂の歴史を足の裏に感じながら再び阿弥陀堂に戻り、ツアーは終わりを迎えます。
心がほっとする、お坊さんの法話も
もしも時間が許せば、期間中は御影堂で毎晩行われている法話にも参加してみることをおすすめします。色んな人のお陰様のなかで、自分の命がある。コロナ禍によって制限された日々を送るなかで、つい忘れがちな感謝の気持ちに気づかせてくれる法話。誰でも無料で参加できて、所要時間は15分ほど。正座でいる必要もありません。法話の最後には、お堂に集まったみんなで木魚をポクポクとたたきながら、「南無阿弥陀仏」を唱える念仏体験の時間も設けられています。


自らのもとを訪れる、すべての人々の救済に生涯を捧げた法然上人。上人の入滅後も、知恩院は念仏の根本道場として多くの人々を迎え入れてきました。大伽藍を舞台にした美しいライトアップは、心を少し軽くしてくれる浄土宗の教えを身近に感じるためのひとつのきっかけ。寺を後にする頃にはきっと、胸の奥がじんわりと暖かくなっている自分の姿に気づくはずです。
※知恩院の夜間特別拝観の詳細はこちら
BSイレブンは、地元・京都のテレビ局と共同制作で四季折々に楽しめる番組を全国無料で放送しています。
■京都紅葉生中継2021 ~古都を照らす希望の「光」~
放送日時:11月23日(火)よる7時3分~8 時 53 分
※BS11(イレブン)・KBS京都にて放送
出演者
ゲスト:高島礼子(俳優)、押尾コータロー(ギタリスト)
司会:海平和(KBS 京都アナウンサー)
レポーター:相埜裕樹(KBS 京都アナウンサー)、佐藤由菜(KBS 京都アナウンサー)
解説:井上章一(国際日本文化研究センター所長)
※2021年の紅葉中継は放送終了しました
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