10月16日は「国消国産の日」宣言! 松村沙友理さん、工藤阿須加さんらをゲストに「持続可能な食と農、地域を考える」シンポジウム開催

SDGsへの貢献のため私たちにできるのは「知ること、やってみること」
最後の第3部では、国消国産の意義と実践、SDGsとの関係について議論を深め、今後の行動につなげていくためのパネルディスカッションを行いました。パネリストとして東京農業大学で学んだ俳優の工藤阿須加さんが登壇。何よりまず多くの大学生・高校生が世界の課題に関心を持ち、シンポジウムに参加していることに感動した工藤さんは「みなさんが今、この場にいることが素晴らしい」と声をかけました。そして、昨年から、山梨県北杜市で農業を始めたきっかけについて「コロナ禍で自分と向き合う機会が増え、これまで食に助けられてきた経験を、自分が伝えていくために今始めなければならないと考えたからです」と語りました。実際、農作物を作るだけでなく、販売も経験する中で様々な農業の現実が見えてきたことも伝えました。

パネリストの全国大学生活協同組合連合会(大学生協連) 全国学生委員長 安井大幸さんは、「ななつぼし」の米収穫体験イベントや、味噌蔵見学ツアーなど大学生協連での取り組みに触れながら、「大事なのは知ること、行動すること。自分で知ると意識が変わる、意識が変わると何を買ったら良いのかが分かります。国消国産とは自分が口にするものを誰が作っているのか、どこから来たのかを考えることだと感じています。自分が口にすることで誰かの笑顔につながればいいなと思うし、10年後の自分の体を作るのは今の食生活だから、自分たちのこうした行動がこれからの社会を作っていくことにつながると意識したい」と述べました。

安井さんの「知ること、行動することが大事」という言葉に感銘を受け、深く共感した工藤さんはその上で「とにかく考えること、思考を止めないこと、常に疑問を持ち深く考え、本質と向き合うことが必ず誰かのためになる。これからの自分たちの行動についてまず考えてみてほしい」と学生たちに熱く語りました。
第2部に続き、パネリストとして参加した東京農業大学上岡副学長は「まずは地域に目を向け、農業を維持していくことから始めることが大事。農業には食料生産という側面の他、温暖化の緩和、地域環境の保全、伝統文化の維持など多面的機能が備わっています。つまり農業を営むことで地域の様々な課題解決になるわけです。そのためにも私たち消費者が国消することで国内生産を守っていくことが必要。そのことが身近にある様々な課題を解決し、SDGsに貢献することにつながっていきます」とSDGsと国産国消の関係を意識することの重要性を分かりやすく解説しました。
最後にコーディネーターを務めた、共同通信アグリラボの石井勇人所長は「消費・生産・地域はバラバラではなく、その結びつきはますます強まっている」とし、身近な生活でも持続可能性を意識して行動することを呼びかけました。

シンポジウムが進むにつれ、会場は熱気に包まれていきました。上岡副学長が「コロナ禍でいろいろ行動が制限される中でも誰かのために何かをしたい、環境のために動きたいという若者たちの熱意、パワーに感動した」とコメント。工藤さんも最後に「若い人たちが世界のことまで考えて行動していることに感銘を受けた。学生達ともっともっと意見を交わしたい」と感想を話しました。

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