渡辺早織の思い出ちょっぴり、つまみぐい。
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ニット帽×栗のポタージュ、寒い冬にじんわり甘く優しく

料理好きな俳優・渡辺早織さんが心に寄り添った手料理を紹介する連載です。ほろ苦かったり、甘酸っぱかったり、思い出とつながったご飯は何だか忘れられません。明日を頑張るあなたの活力になりますように……。そんな思いを込めた料理エッセーです。詳しい作り方はフォトギャラリーでご紹介します。

冬が好きなのは、冬が寒いからだ。

ぐるぐるに巻いた毛糸のマフラー、はちみつたっぷりのホットミルク、ブランケットにくるまりながら見るクリスマス映画。

全てが特別あたたかく感じるように、わざと空気を冷たくしているに違いない。

とりわけクリスマスにはあまりにも思い出が多すぎる。

嬉(うれ)しい時もあればワンワン泣いた日もあるし、ほろ苦い気持ちもあった。

それでも毎年思い出すのは、サンタクロースから最後のプレゼントをもらった朝のこと。

ニット帽×栗のポタージュ、寒い冬にじんわり甘く優しく

小学4年生になった私は懐疑的だった。

だから絶対に誰にもほしいものを言わないで、クリスマスの朝を迎えた。

結果は惨敗。枕元には願った覚えのないプレゼントが置かれていて、困った顔をして私を見ている家族の横で、そんなのおかまいなしに声をあげて泣いた。

母に教えられた優しい気持ち

でも、これが最後のサンタクロースのプレゼントにはならなかった。

1年の時が流れてまたクリスマスの朝がきた。

目をあけた瞬間に母が「メリークリスマス!」と言いながら、すぽっと私の頭に何かをかぶせた。

母はちょっと照れたような笑顔で「今までごめんね」というようなことを言ってくれた気がする。

そしてまた、朝ご飯の支度をしにキッチンに戻ってしまった。

鏡を見たら、私の頭には、紺色のかわいいニット帽がかぶせられていた。

1年越しの答えあわせは、体の奥のすごく深いところから私をじんわりあたためて、言葉では表しきれない大きな優しい気持ちを私に教えてくれた。

朝ご飯にはポタージュを作ってくれていて、それをみんなで飲みながら色々なことを話した。

ニット帽×栗のポタージュ、寒い冬にじんわり甘く優しく

おかげで私は今でもポタージュが大好きで、冬の寒さを感じるとついつい作ってしまう。

定番のじゃがいもやにんじんもいいけれど、クリスマスや特別な日にはいつもと違う食材を使いたい。

カリフラワーやビーツのような、色で食卓を演出してくれるものも好きだけれど、今日はじんわり甘く優しくなれるようなものにしたい。

そう思うとすぐにメニューが決まった。

木の実のほっくりとした甘みが滋味深い、栗のポタージュだ。

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