久保純子 LIFE in N.Y.
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NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく

ニューヨーク在住5年目の、久保純子さん。新型コロナウイルスで世界がめまぐるしく変化する中での、ニューヨーク生活。家族や友人との時間、街で見かけたモノ・コト、感じたことなど、日々の暮らしを通して久保さんが見つめた「いまのニューヨーク」をつづります。

「毎日何を食べているの?」

「ニューヨーク(NY)では毎日何を食べているの?」。そんな質問を受けることがある。「毎晩、和食を作って食べているよ」と答えると驚かれる。ありがたいことに、ここNYでは、ほとんどどんな和の食材でも揃(そろ)う。日系のスーパーは、徒歩20分圏内に3店舗ほどあって、アメリカ系のスーパーでは売っていない薄切りの豚肉やお刺し身など、種類も豊富。納豆、お豆腐、紫蘇にみょうが、およそ考えつくものは何でも売っている。もちろん値段は日本の2、3倍はしてしまうけれど、すべてにおいて物価が高いNYでは仕方がない。和食が作れるだけでも幸いと、半ば自らを納得させて購入している。

コロナ禍で、宅配スーパーも頭角を現している。NY市近郊で日本の野菜を育てている農家さんと契約を結んでいる「NY NOJO FRESH」は、採れたての新鮮野菜を届けてくれる。お気に入りの「有機野菜5種セット(28ドル)」は何が入っているかはお楽しみ。その時々の旬な野菜が5種類ほど、まだ土がついているような状態で届けられるのが嬉(うれ)しい。

NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
今回届いたのは、立派な大根に、かぶ、小松菜など、アメリカ系のスーパーではなかなか出合えない野菜たちだ。どれも採れたてでみずみずしい。何を作ろうかな

さらには、調味料やお米など、これまではお店からエンヤコラ背負って持ち帰っていた品々を自宅まで届けてくれるので助かっている。オリジナル商品も充実していて、ブルックリンで製造しているMade in NYの納豆や日本人の職人が焼く餡子(あんこ)のパンなどもあって、主婦心がくすぐられ、ついついあれもこれも頼んでしまう。

アメリカ系スーパーのお気に入り商品

アメリカ系のスーパーも面白い。西海岸発祥の「Trader Joe’s」は、日本でもエコバッグがお土産の定番で「トレジョ」の愛称でご存じの方も多いと思うが、オリジナル商品のラインアップはまるでギフトショップのようで、訪れるだけでワクワクする。

可愛いパッケージングがひときわ目を惹(ひ)き、お値段がお手頃なのも魅力。素材に拘(こだわ)り、無添加やオーガニックなど、自信を持って商品を提供しているのが手書きのポップからも伝わってくる。季節ごとに新商品が発売されるのも特徴で、消費者を飽きさせない工夫も素晴らしく、「今日はどんなものが出ているかな?」と訪れる度に新しい出合いがあるのも楽しい。

トレジョのお気に入りは山ほどあるけれど、なかでも私の一押しは、グルテンフリーの商品。昨年、長女が小麦アレルギーだということが判明し、慌ててグルテンフリー製品を探し回った。トレジョに出向くと見事な充実ぶりで、パンケーキからパスタやピザに至るまで片っ端から試してみたが、どれもグルテン入りの商品と変わらぬおいしさだった。

NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
ウベ(紅山芋)のグルテンフリーパンケーキは、我が家のヒット商品。しっとりとした食感と自然な甘みが美味
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トレジョのグルテンフリーの商品。他にも、コーシャ(ユダヤ教の戒律に則った食べ物)やビーガンなど、さまざまなニーズに対応する商品を扱っている

パンを焼く熱を再利用してつくる、野菜や果物

NYならではのスーパーでのお買い物も、魅力的だ。Zabar(ゼイバー)一族が高級住宅街のアッパーウェストで展開する創業80年の老舗スーパー「Zabar’s」と、息子や孫がアッパーイーストで伝統を受け継ぎながら新たに展開する「Eli’s Market」。数カ月前、おすし屋さんのカウンターでたまたま隣り合わせになり意気投合した青年がその3代目、孫のサシャ・ゼイバーさんだった。

「色々新しい試みをしているので見に来ませんか?」とお誘いいただき、アッパーイーストの工場を見に行くことに。住宅街のビルの谷間を見上げると、突如として現れたのは、温室ハウスだった。階下にある自身のベーカリー工場のオーブンの熱を利用して、野菜や果物を育てているという。

NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
空を見上げると、建物の上に無数の温室ハウスが。オーブンの熱で一年中トマトを栽培したいという発想から、1995年にNY市で初めてルーフトップの業務用温室ハウスを設置したそう
NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
サシャさんは、祖父の時代から愛されるファミリーブランドを守るべく、「質」「手作り」「生産者」に徹底的に拘っているという。片や、新たにキャンディー屋さんをオープンするなど、新しい取り組みも積極的に行っている
NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
合わせて2043㎡の温室ハウスでは、菜っ葉やトマト、苺や無花果(いちじく)などが元気に育っていた。蜂の巣もあって、ミツバチが花の受粉を媒介することで実りが生まれる

「ここにある苺(いちご)はジャムや菓子パン、アイスクリームに、ルッコラやトマトは総菜に使っているんだよ」。その通り、「Eli’s Market」には手作りのオリジナル商品がたくさん置かれていた。祖父の代から大切にしている「見える生産者」「質の良い食材」「手作り」を実践している。お店に一歩足を踏み入れるだけで、なんだかホッとして、温かい気持ちになる。地元の商店街に来ているようだ。

NY、食にまつわるエトセトラ。身体にも環境にもやさしく
アッパーイーストにある「Eli’s Market」は洗練された雰囲気がある一方で、どこか温かい。彩り鮮やかな新鮮野菜たちが並べられ、自家製のお総菜やパン、ワイン、コーヒー豆、お花など、ここに来ればワンストップでなんでも揃う
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