子供から大人まで、誰もが心待ち ドイツのクリスマスマーケット

卵リキュール入り飲み物でホカホカ ロストック

ロストックはバルト海に面した港町で、かつてハンザ同盟の主要都市でした。
幼なじみという地元の女性2人が飲んでいるのは、卵のリキュール(Eierlikör)であるフェルポールテンを加えた飲み物。生クリームがのっていて、温かく甘く優しい卵の味わいがします。寒い中、甘くてカロリーたっぷりな飲み物は体が温まりおいしいです。

このお菓子は、リンゴやバナナにチョコレートやお砂糖をかけたもの。ドイツ各地のクリスマスマーケットの定番です。

丸いボールのようなお菓子にはジャムやクリームが入っています。童心に返って、歩きながら揚げたてを食べると香ばしくておいしい。
グリューワインでリラックス ミュンスター


ミュンスターのクリスマスマーケットにて。仕事の後に、グリューワインでリラックスしているという男性たちに出会いました。
圧巻のパレード 木工細工と錫の村ザイフェン

ザイフェンはチェコとの国境近くの小さな村です。森林に囲まれており、木材が豊富だったことからクルミ割り人形や、ピラミッド、シャンデリアのような装飾などの木工細工製作がさかんになりました。細かな手仕事を眺めていると心が温まります。
ザイフェンのクリスマスの装飾品は特に品質が高く評価され、ドイツ各地のクリスマスマーケットで売られ、国外へ輸出もされています。

ザイフェンは、14世紀頃から錫(すず)の鉱山の村としても栄えました。その歴史を今に伝えるパレードがアドヴェント中に開催されます。

小さな村ですが、壮大な行列です。ドイツ各地はもちろん各国の観光客が沿道に集まります。


パレードの参加者たち、地元の人たち、観光客の膨大な数に驚きました。日暮れても、なお続くパレード。クリスマス時期の人々の絆や熱気が私の胸にも響いてきました。
収益の一部は社会貢献の原資に
私の親しい友人で、ローテンブルクの元観光局長ヨハン・ケンプターさんは、「現役時代は広場の巨大なクリスマスツリーに火をともす役割を担い、それは町じゅうが晴れやかに輝く瞬間でした。同時に、クリスマスマーケットは社会貢献の機会でもあります。姉妹都市の特産品をマーケットで売り、その収益で両国の学生交流や文化交流へのチャリティーに役立てていましたが、それも今年はできず残念です」とメールがありました。
ドイツ各地のクリスマスマーケットは、経済効果への期待はもちろんですが、収益の一部を病気で苦しむ子供たちや、医療の研究費、貧困に苦しむ国々への寄付、姉妹都市との交流支援など社会貢献にもあてています。来年は全土でクリスマスマーケットが開催されることを願っています。
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