キャンピングカーのベース車選び ディーゼル車のメリットとデメリット

ベース車両の多くが商用車であるキャンピングカーでは、ガソリン車とディーゼル車の両方が用意されていることが多く、選択に悩む人が多いようです。ガソリン車と比較をしながら、ディーゼル車のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
キャンピングカーはどんな車でしょうか。乗用車に比べて、非常に重たい車です。一般的にキャブコンの場合、ベースはトラックですが、多くのモノを積んでいる状態といっていいほどの重量があります。

そして、重量のある車を動かすには、ガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンのほうが向いています。なぜならディーゼルの方が「トルク」が大きいからです。世の中のトラックの多くが(サイズが大きくなればなるほど)ディーゼル車になるのは、そんな理由からです。
新型カムロードで比較してみる
トヨタがキャンピングカー専用としてビルダー各社に販売しているカムロード。2021年にモデルチェンジした「新型カムロード」は、その前のモデルと同様にガソリンモデルとディーゼルモデルが用意されています。以前掲載した記事「国産キャブコンの人気ベース車、トヨタ・カムロードがモデルチェンジ」から新型カムロードのガソリンとディーゼルの違いをまとめた表を再掲載します。ご参考にしてください。

一方で、現時点でカムロードベースのキャブコンを作っているビルダーのほとんどが、ディーゼルモデルを採用しています。ヨーロッパ製キャンピングカーも、多くがディーゼル車です。「クリーンディーゼルエンジン」は、環境に優しい動力として認識され、評価されています。
こうした流れを踏まえると、私は今後、トラックに居室を架装したキャブコンに関しては、ディーゼルエンジンが主流になるのではないかと思っています。一方で、バンを改造した「バンコン」はガソリン車とディーゼル車が併存する流れが続くのではないかと思います。

ガソリンと軽油には価格差がある
ディーゼル車のメリットとデメリットについて整理していきましょう。まず、メリットとしてあげられるのは、ディーゼル車の燃料である軽油の価格がガソリンよりも安いことです。
資源エネルギー庁が2021年12月15日に発表した石油製品価格調査によると、12月13日時点のレギュラーガソリン1リットルあたりの店頭現金小売価格の平均は165.9円。一方で、軽油1リットルあたりの同価格の平均は、145.9円。1リットルあたり20円安くなっています。距離を走るほど、ディーゼル車の方が節約効果が出てきます。
次に燃費についてみてみましょう。同じグレードのハイエース同士のガソリン車とディーゼル車を比べてみました。カタログ上の燃費は、日本独自の試験方法のJC08モードでガソリン1リットルあたり10.7km。一方で、ディーゼル車は13.0kmでした。ディーゼル車のほうが燃費が良く、軽油はガソリンよりも安いですから、ランニングコストは低く抑えられるのです。
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