欧州おいしい旅
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新年は金運、幸運を祈り豚肉とレンズマメ! ハンガリー

ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが、欧州の気候や風土に育まれ、長く愛されてきた食べ物や飲み物を紹介する連載「欧州おいしい旅」。今回はハンガリーの、クリスマスから年末年始にかけての家庭料理。人々はこの時期、家族や親しい人たちとのつながりを思い、大切な時を過ごします。相原さんも親しいハンガリーの方々にクリスマスのあいさつを兼ねて連絡したところ、年末年始のしきたりやいわれなど、貴重な話を聞けたそうです。

欧州のクリスマスと新年はひと続き

ヨーロッパで年末年始を過ごして実感するのは、クリスマスと新年は途切れることのない、ひと続きの宗教的な期間という点です。年末にハンガリーを旅した時のこと。クリスマスマーケットは新年まで開催され、ほとんどの家庭で、1月6日(公現祭)まではクリスマスツリーやクリスマスの飾りはそのままでした。

一方、日本ではクリスチャンでない大多数の人たちにとって、クリスマスは宗教感のないイベント。そして大みそかからお正月にかけては、一転して神道や仏教に根差した初詣や行事があります。この違いは、宗教観とあいまってとても興味深く感じます。

クリスマスの定番スープ「ハラースレー」

さて、ハンガリーのクリスマス料理で大切なのはお魚のスープです。海に面していないハンガリーには、湖や川でとれる淡水魚のおいしい料理があります。

鯉など淡水魚を使ったスープ「ハラースレー」
コイなどの淡水魚を使ったスープ「ハラースレー」

ハンガリーでは、クリスマスに両親がこちらのスープ「ハラースレー」を作って、家族でお祝いしながら食べる伝統があり、人気の料理です。ハンガリーには100種類以上もの肉、魚、野菜のスープがあるそうで、各家庭で家庭の味として受け継がれています。

クリスマスの時期でなくても、レストランのメニューにある「ハラースレー」
クリスマスの時期でなくても、レストランのメニューにあった「ハラースレー」

ハラースレーは、コイやナマズなど淡水魚を煮込んだコクのある魚のダシ(ブイヨン)とパプリカの香りと風味があいまって、おいしいスープです。淡水魚というと生臭いと思うかもしれませんが、魚の処理が良いため、煮込んだ魚のダシのうまみが凝縮されています。ハンガリーへ行ったら私は必ずこれを食べます。

バラトン湖で釣りをしていた人
バラトン湖で釣りをしていた人

初冬のある日、バラトン湖で釣り人に出会い、写真を撮らせていただきました。釣り上げたのは、大きな淡水のスズキだといいます。

尾頭付きの大きなスズキの揚げ物
尾頭付きの大きなスズキの揚げ物

このスズキの揚げ物は、湖畔(こはん)のレストランでいただきました。クリスマスには、魚のスープばかりではく、魚料理を食べることもあるそうです。カリッと香ばしく揚がっていて「おいしい!」。バラトン湖周辺はワインの産地でもあり、地元の辛口の白ワインにぴったりでした。

ハンガリーのクリスマス菓子ベイグリ

ブダペストのコンサルティング会社「Sudy & Co., Ltd.」(シュディ社)代表取締役社長のパーパイ・アンナさんが、ご自分で作られたハンガリーのクリスマス菓子ベイグリの写真を送ってくださいました。彼女は2011年、ブダペストのポントン・ギャラリーで開催された私の写真展と着物展「着物との対話 京都花街」で通訳をしてくださって以来の知人です。

焼きあがったばかりのベイグリ
焼きあがったばかりのベイグリ(パーパイ・アンナさん提供)

ベイグリにはケシの実とクルミを入れる場合が多いですが、アンナさんはマジパンを詰めてつくったそうです。輪切りをご覧に入れたいところですが、すでにほとんど食べてしまったので、きれいに切れず、輪切りの写真は撮れなかったそうです。ベイグリはクリスマスから年末年始の来客や、家族の集まりに皆で楽しみます。アンナさんによれば、おしゃべりしながら食べ過ぎて、お正月には「もう見たくもない」というほど食べる人もいるとか。

ベイグリの輪切り
ベイグリの輪切り

こちらの輪切りにしたベイグリは、クリスマスの時期にブダペストのホテルで私が撮影したものです。あんこのように、ぎっしりとケシの実とクルミが入っています。ほんのり甘く、香ばしくて人気のお菓子です。

新年迎え、スパークリングワインで乾杯

いよいよ1月1日の深夜0時を迎えると、シャンパンやスパークリングワインでにぎやかに乾杯します。著名な産地であるペーチ(「魅せられて 必見のヨーロッパ」の記事へ)の醸造所はハンガリー国内ではもちろん、ヨーロッパじゅうで知られています。

「ハンガリーのシャンパン」とも言われるスパークリングワイン
「ハンガリーのシャンパン」とも言われるスパークリングワイン

年が改まるとテレビやラジオから国歌が流れ、大統領が新年のあいさつをします。ハンガリーでは、年越しは友達や家族と過ごします。各地で花火が上がるので、皆で外へ花火を見に行くそうです。夜中から明け方まで踊り、おしゃべりが続くこともあります。おなかがすくので、軽食としてゆでたソーセージが人気です。

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