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IT系の知識はどうすれば身につけられるのか? 

「ITに強い」のはどんな人か?

自分の周りで「あの人はITに強い」と思うのはどんな人でしょうか? 例えばITに強い感じの人で、はじめて触るソフトでもすぐに使い方をマスターできる人がいます。そういう人は今までの経験から「普通に考えたらこう動くよね」という感覚を持って、短い時間で無意識にいろいろ試して使い方を覚えます。短時間で仮説を立て、検証しているとも言えるでしょう。

IT系の知識はどうすれば身につけられるのか? 
作る側の視点を手に入れると、仕組みを想像できるようになる 写真=NicoElNino/Getty Images

「普通に考えたらこう動くよね」は大切な感覚で、簡単なものでも自分自身でプログラムを書いたり、アプリをつくったりしたことがある人は、「ここはこう動くはず」や「こう動いているなら、中身はこうなっているはず」といった仕組みを想像することができます。

こうなってくると、ビジネスパーソンとして「詳しいユーザー」から「作る側の視点」を持つことができます。よく子どもの教育において、プログラミングは論理的思考力の育成に役立つという話がありますが、それはコンピューター上でソフトウェアを動かすには、プログラムがあいまいな命令では動かずに正確に論理式で記述する必要があるためです。

プログラミングの基本となる考え方は、論理的に記述するというあらゆる分野に応用が可能です。プログラムは楽器を演奏するための楽譜のようなものであり、機械であるコンピューターが何かを行うための予定表です。予定表なので、順番に処理が実行されますし、「もしもXならYをしなさい」と条件式で分岐します。同じ処理をまとめておけば、そのかたまりを何度も繰り返すことも可能です。この処理のかたまりであるモジュールをつくっておけば、何度も呼び出して同じ処理を行うことができます。たとえソフトウェアエンジニアでなくとも、こうしたことをイメージできることが大切です。

契約書は何をどうすれば良いかが記載されたプログラム

なんとなく理系っぽい匂いのするプログラミングと文系っぽい感じの法学や契約書の作成は遠い別物に感じられるかも知れませんが、契約書も契約当事者たちがどういう時に何をすれば良いかが記載されたプログラムだとも言えます。実際に契約書作成の実務では「いつもの処理」である文言をモジュールのように組み合わせて記述します。

契約書に書かれる内容のようにあいまいさが排除されて論理的に記載されるのであれば、ビジネス自体もプログラミングのように「もしもXならYをしなさい」とルールに従って動くはずで、社内の各機能はモジュール化されて、最適につなぎ合わせられることでしょう。

とは言え、人間のつくった現実の組織は全くそんなことはなく、「その人のことを好き・嫌い」という別の変数が大きく影響を与えています。しかしながら、子どもたちの論理的思考力育成だけでなく、こうしたものの見方はビジネスパーソンにも役立ちます。プログラムと契約書の類似点だけでなく、ビジネスの企画書でも同様です。よく耳にするようになったデータサイエンスという言葉も学校で習った確率・統計や因果関係と相関関係は異なるといった考え方が役に立ち、日々のビジネスに使うことができます。

IT系の知識はどうすれば身につけられるのか? 
契約書も契約当事者たちがどういう時に何をすれば良いかが記載されたプログラムだと言える 写真=Getty Images

大企業でさえSNSでフォロワーを増やして商品に気づいてもらうのが難しいなか、ツイッターやインスタでフォロワーを増やすのもスキルの一つかも知れません。そのためにはまず自分がユーザーになることです。「IT系の知識」は日々更新されていきます。好奇心を持ち続けて、自分で使ってみることです。本質的な仕組みと、なぜ世の中にニーズがあるのか、誰の何を解決しているのか、という視点を持つことで、目の前のテクノロジーをビジネスに活用できます。

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