高い悪路走破性と快適な居住空間「EXPEDITION EAGLE」

キャンピングカーのジャンルに「エクスペディションビークル」と呼ばれるものがあります。エクスペディションは「冒険・探検」という意味。砂漠や積雪路、泥濘(でいねい)地など、悪路に対して高い走破性能をもったキャンピングカーのことをいいます。日本特種ボディー(以下NTB)が、「日本初」の量産型エクスペディションビークル「EXPEDITION EAGLE」を発表しました。
災害復興支援団体との共同開発
ユニークなのは、開発に至るまでのストーリーです。災害復興支援団体「日本笑顔プロジェクト」(一般財団法人)との共同開発だというのです。
「日本笑顔プロジェクト」のメンバーは、救援活動の際に「ボランティアスタッフが十分に休憩を取れる場所がない」という苦労を経験していました。一方で、NTBは「日本笑顔プロジェクト」の支援企業でした。NTBがボランティアの方々から現場からの要望をヒアリングして、「日本笑顔プロジェクト」とともにつくり上げたのが「EXPEDITION EAGLE」なのです。

走破性能を高めるために様々な工夫
ベース車はNTBの商品ではおなじみの「いすゞ・Be-cam」を採用しています。走破性能向上のため様々な工夫が盛り込まれています。
通常キャブコンでは運転席助手席部分と居室部分は一体ですが「EXPEDITION EAGLE」はあえて分けています。そうすることで車体のねじれ範囲が大きくなり、路面追従性が向上する効果があるのです。
居室部分の後ろ端は斜めにカットされ、急坂にアプローチする際、こすらないようになっています。さらに、サスペンションセッティングを変更すれば、最低地上高は200mmを確保。発表時の車両はベース車の手配の関係で2WDでしたが、4WDも用意される予定です。

レイアウトは、スペース効率に優れたリアエントランスを採用。そのエントランスから、車体後部右側のマルチルーム内までが防水仕様になっており、土足で入れるように。後部左側は88L冷蔵庫や電子レンジを備えたキッチンになっています。居室前方は二の字ダイネットに電動式プルダウンベッドを備え、就寝定員は4人を確保しました。
前述のとおり、運転席助手席と一体型ボディーではないのに加え、全幅も山道などでの走行を考慮し1990mmに抑えたため、居住空間は小さめ。しかし、吊り戸棚をなくし、頭上の圧迫感をなくすなど、くつろげる快適な居住空間を実現しています。吊り戸棚をなくすことは、低重心化の効果もあります。
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