欧州おいしい旅
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ヨーロッパのお団子?クネーデル ドイツ、オーストリア、チェコ

ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが、欧州の気候や風土に育まれ、長く愛されてきた食べ物や飲み物を紹介する連載「欧州おいしい旅」。今回はドイツ語圏やその周辺で食べられているクネーデルです。ジャガイモで作った付け合わせ、というイメージがありますが、甘くてお菓子のようなもの、蒸しパン風のものと、実はよりどりみどり。どんなクネーデルがあるのでしょう。

バリエーション豊富で、作り方によってはお餅のようにモチモチしたおいしさのクネーデル。お肉料理の付け合わせやおやつとして、私の好きな一品です。

カモのローストと一緒に ドレスデン

詰め物をした鴨の付け合わせに、ジャガイモのクネーデル
詰め物をしたカモの付け合わせに、ジャガイモのクネーデル

こちらは冬の料理で、特にクリスマスには人気のカモのロースト。カモにマロン、ドライフルーツ、ベリー類などを詰めてローストした、味わい深い料理です。付け合わせにはクネーデル。このクネーデルは、ジャガイモをすりおろして、小麦粉をつなぎにしてゆでたもの。もちもちしています。フォークの背でつぶして、ソースやお肉を絡めていただきます。このカモのローストは、私の好きなドイツ料理の一つで、フルボディの赤ワインに合います。これはザクセン州のドレスデンにて。

豚肉の付け合わせに ゲフェル

豚肉のローストとクネーデル
豚肉のローストとクネーデル

お友達のガビのお父さんが作ってくれました。ガビはベルリンの壁が崩壊した直後、ドイツ統一前に東ドイツ各地を旅した時に知り合って以来のお友達。母親が20代で亡くなり、以来父親が1人で仕事も家事も幼いガビの育児もこなしてきて、料理も得意。レストランよりおいしいと思いました。ゲフェルにて。

パンで作ったクネーデル フランクフルト近郊

パリッと焼いた豚肉とゼンメルクネーデル
パリッと焼いた豚肉とゼンメルクネーデル

ゼンメルクネーデルは、ドイツの朝食に出てくる小さなパン(地方により呼び方は、ゼンメル、ブロートヒェンなどと変わります)で作ったクネーデル。こちらはもちもちではなくて、蒸しパンを思わせる食感。パリッとローストした骨付き豚肉をほぐして、ゼンメルクネーデルと混ぜて、ソースを絡めていただきます。フランクフルト近郊で。

キノコソースで堂々主役 断食食にも

ゼンメルクネーデルとキノコのホワイトソース
ゼンメルクネーデルとキノコのホワイトソース

このキノコをオーストリアやバイエルン地方の方言でシュヴァンメルルと言います。お肉を食べ飽きた時のランチにいただきました。

ヨーロッパにも季節料理があり、キノコは秋の風物詩。お肉もお魚も使わない料理なので、特にバイエルン地方では復活祭前の断食期間に「断食食(Fastenessen)」としてレストランのメニューにあります。「え? 断食とは、何も食べないのでは?」と知人のブラウマイスター(国家資格を持つビール醸造家)に聞いてみると、断食期間でも穀類や野菜は食べても良いという考え方があるそうです。

スープに入れて 食べ応えある一品

ゼンメルクネーデルが入ったスープ
ゼンメルクネーデルが入ったスープ

コンソメのようなサラリとしたスープにクネーデルを入れる場合があります。寒い時など、ちょっと食べ応えがあってうれしい一品。

レバーで作りスープの具材に

レーバークネーデルズッペ
レーバークネーデルズッペ

レバーを使ったクネーデルが入ったスープ。内臓肉を好まない私も、これは好きです。作り方が良いとレバーのクセは全く無くて、味わい深くておいしいのです。バイエルン地方やオーストリアでよく見かけるスープです。

お菓子として楽しむ甘いクネーデル

クネーデルは、お肉料理やスープに使われるだけでなく、小腹がすいたときの伝統的なお菓子として、今も人気があります。主に、バイエルン地方、チロル地方、オーストリアで好まれています。

マリレンクネーデル
マリレンクネーデル

ドイツの登山家でドイツアルペン協会に安全対策委員会を設立し、長きにわたり国際山岳連盟・安全対策委員長を務めたピット・シューベルト氏とは、彼の日本縦断講演会(2000年、日本勤労者山岳連盟主催)の通訳を私が務めたご縁で、知り合いました。安全対策の第一人者として著作も数多い方です。こちらは、彼のパートナーのグレーテルさんが作って下さったマリレンクネーデルです。

シューベルト氏とグレーテルさんと私の3人で、オーストリアのカウナータールから出発し、山中でオーストリア、イタリアの国境を行き来しながら、標高3300メートル弱に位置する山小屋「ブランデンブルガーハウス」など山小屋を転々と4泊して、ピークの一つヴァイスゼーシュピッツェ(標高約3500メートル)へ登った時のこと。私は写真でしか見たことのない雪と氷の世界を体験し、感動しました。

彼の講演会を通訳した時は、7000メートル地点ではとか、8000メートル峰ではなどという話が出てきたので、「まだ3000~4000メートル地点か……」と登山中は考えていたのですが、高山病になる人も少なくないと後から聞いてびっくり。

山を下りた翌朝、グレーテルさんが作って下さったのが、アプリコット(アンズ)が入ったこのマリレンクネーデルです。オーストリアではアプリコットをマリレンと呼びます。温かく、ほんのり甘く、優しい酸味のある味わいが、冷えと快い疲れでふわふわした気分の私の体をほぐすかのように、すごくおいしくて忘れがたい味わいでした。まさに、機を得たおいしさでした。

アイゼンを履いてストックで雪と氷の上を歩く私
アイゼンを履いてストックで雪と氷の上を歩く私

こちらは、登山中にシューベルト氏が私のカメラで撮ってくださった写真です。7月のアルプス。日中はものすごい日差しと雪の照り返しで気温は30度を超えます。数時間でひどく日焼けするほどです。しかし、日が傾いて夕方になると突然寒くなり、気温は氷点下にもなります。吹雪の時はものすごいブリザード。降る雪と深雪が舞い上がって、ザイルでつながって前を行くシューベルト氏とグレーテルさんの姿が見えなくなりました。

こちらも、シューベルト氏が私のカメラで撮って下さった私
こちらも、シューベルト氏が私のカメラで撮って下さった私

クレバスに落ちたら一巻の終わり。でも、著名な登山家で、国際安全対策委員長のシューベルト氏と一緒だと思うと、雪山は全く初めての私も「大丈夫だ!」と強気になれました。

NEXT PAGE中華まん? いえ甘いクネーデルです

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