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ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

ホフディラン・小宮山雄飛さん

「大人のひとり時間」、あの人はなにをしているのでしょうか。今回は、ひとりディズニーの“プロ”としても知られ、ひとり酒場、ひとり旅と、“ひとり”時間をこよなく愛するミュージシャンの小宮山雄飛さんに「大人のひとり時間の楽しみ方」を聞きました。

“ひとり”はマジックワード。“ひとり”と冠すると日常が楽しくなる

――小宮山さんは、ひとり時間にどんなことをしていますか?

僕は何でも“おひとりさま”が好きで、ディズニーランドをはじめとして、いろんなひとり時間を楽しんでいます。“ひとり”って言葉は、僕にとってはマジックワード。なんてことない行為でも、“ひとり”とつけるだけでちょっとワクワクします。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

例えば、ひとり山手線なら、「山手線で一人だからこそできる楽しみ方ってなんだろう」とか、ひとり焼き肉なら、「一人で焼き肉屋に行くなら、何を何品くらい頼むのが自分の適量なのか」とか。傍(はた)から見たらただ一人で焼き肉を食っているだけ、一人で山手線に乗っているだけだから、頭の中で何か考えていようがいまいが一緒なんですけど、そこをあえて自分なりに定義するのが好きなんです。日常を違う視点で楽しめる気がして。

――ひとり山手線やひとり焼き肉に比べると、一人で行く東京ディズニーランドはハードルが高いように感じます。

思い立ったときにふらっと行けるのが、ひとりディズニーの良さ。コロナが流行していた時期を除けば、2カ月に一度のペースで通っています。あの世界観がすごく好きなんですよ。アトラクションには乗らずに、お酒を飲みながら座っているだけでも十分楽しめます。

当然、「えっ、一人?」みたいな周囲の視線もたびたび浴びますが(笑)、それも楽しみのうち。3列6人乗りで楽しむアトラクションとかで、修学旅行中の学生5人に対して僕一人だと、一見、引率の先生っぽく見えます。でも、実際は全く関係のない他人。だから降りるときに何とも言えない気恥ずかしさ、屈辱感があるんですけど、それに耐えると妙に達成感があって面白いんです。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

――何かをするときに誰かと一緒に、ではなく、あえて一人を選ぶ面白さは、どんなところにあるのでしょうか。

“緊張”と“緩和”を味わえる、これに尽きます。ディズニーにしても、旅にしても、一人だとちょっとした心細さや緊張があるけれど、終わってみれば楽しかった~って思う。この緊張と緩和の落差が大きければ大きいほど、楽しさは増します。みんなで行ってももちろん楽しいです。でもそれだと最初からワクワクしちゃってるから、落差がないんですよ。

この落差は、サウナの“ととのう”って感覚と近い気がします。熱いのに耐えて耐えて、バッと解放されてフワーッとする状態。あの気持ちよさを、僕はひとり時間で感じているんです。

ひとり酒で緊張と緩和を繰り返して、“ととのう”

――一番好きなひとり時間の過ごし方は。

やっぱり、ひとり飲みですね。これが一番緊張と緩和の落差が大きい。特に、初めてのお店には絶対に一人で行くと決めています。誰かと一緒ならノリでどこにでも入れますけど、一人だと店選びの時点でめっちゃ緊張する。そこから、お酒を飲んで酔っ払って一気に和(なご)む感じがたまらなく気持ちよくて好きなんです。

一人で飲みに行くようになったのは30代からですが、40代になった今も、初めてのお店の暖簾(のれん)をくぐるときは緊張します。知らない店に入って飲んで、3軒くらいはしごすると緊張と緩和の繰り返しで完全にととのって気持ちよくなれます。

――小宮山さんがひとり飲みにおすすめのお店として挙げるのが、東京の蕎麦(そば)店「虎ノ門 大坂屋 砂場」。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

もしこれからひとり飲みに挑戦するなら、最初はお蕎麦屋さんがいいと思うんです。一人でラーメン屋に行くような感覚で入れて、お酒もつまみも豊富だから。僕の場合、一人のときはなるたけテーブルを皿でいっぱいにしないというのが自分の中の決まりごととしてあるので、2品頼んだらそこでおしまい。次の店へ向かいます。

今回は、巣ごもり蕎麦と蕎麦味噌(みそ)、蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを注文しました。巣ごもり蕎麦は2016年に閉店した東京・上野の「池の端 藪(やぶ)蕎麦」の名物でしたが、他で食べられるお店が少ないので、メニューにあったら頼むようにしています。巣ごもり“蕎麦”って名前ではあるものの、蕎麦っぽさはなく、中華でいうところのかた焼きそばみたいな感じで、お酒のあてにちょうどいいです。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」
巣ごもり蕎麦
ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」
蕎麦味噌

僕にとってはお蕎麦屋さんが、酒場好きになった原体験。中学生の頃に父に連れられてよく行っていたんですけど、僕が普通に蕎麦を食べている横で、父はまずつまみを頼んで、お酒を楽しむところから始める。で、最後は必ずシンプルな盛り蕎麦で締めるんですよ。蕎麦屋に長居をしないというのも父のやり方で、大人ってこういうふうにお酒を楽しむんだなぁと思ったものでした。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

お酒が入ると、普段はきちっとした人たちが酔っ払って楽しそうにするじゃないですか。そういうのを初めて見た場所もお蕎麦屋さんで、大人の聖域というイメージが強く心に残りました。昼からお酒を飲んでもいい、みたいな雰囲気があるのも、お蕎麦屋さんならではです。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

みんなと発散する時間も大切。でもそれだけじゃ深みのある人間にはなれない

――誰かと一緒に飲みに行くこともありますか?

それはもちろん、ありますよ! いい感じのお店を見つけたら、今度はあの人も連れてこようって思いますから。一人で行くときと大勢で行くときとでは楽しみ方の方向性が変わるだけで、みんなでわっしょいわっしょい飲むのも大好きです。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

ただ、わっしょいやっているだけでいいのか? とは思うんですよね。誰かとワーッと話すと、ものすごく発散できるじゃないですか。いっぱい飲んで話して、楽しかったね~、おいしかったね~、で帰る。そういう時間も必要だけど、それって結局発散しているだけで、実は何も考えていない時間なわけです。

これがひとり飲みだと、自然と自分と向き合う時間ができる。そうやって、自分や身の回りのことを考える時間を持つのは大切だと感じています。

――自宅にいても一人の時間は持てると思うのですが、それは違うのでしょうか。

家だとそんなに考えないんですよね。でも、外に一人でいると良くも悪くも手持ち無沙汰だから、何かしら考えちゃう。そういえばこの間こんなことがあったなとか、あの人に対してこうすればよかったかなとか。家よりも外、発散するよりもしない方が、いろんなことを考え込めます。

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」

最近はコロナで行っていないけど、以前はアルバムを作るときは必ず一回、ひとり旅に出ていたんですよ。ひとり旅は、旅先で様々な刺激を受けても一人だから誰にも話せなくて全然発散できない。それが溜(た)まって溜まって溜まると、作品になる。歌詞が書ける。

自分の中だけでインプットを重ねると「これを誰かに伝えたい」「表現したい」という思いが増すので、ひとり時間はクリエーティブな活動には絶対に必要です。別にクリエーティブなことじゃなくても、いい意味で一人で溜めこむ時間は次の何かに繋がるものだと思います。

あと単純に、ひとり時間を過ごすと、当たり前にあるものへのありがたみも再認識できますよね。一人でいると、逆に友達といるとき楽しかったなとか、仲間っていいなって気持ちになるから。僕のおすすめはひとり飲みですが、まぁ飲まなくても、外でひとり時間を持てる人の内面にはしっかりとした芯があって、かっこよく見えます。

(文・渡部麻衣子 写真・山田秀隆 取材協力・虎ノ門 大坂屋 砂場)

ホフディラン・小宮山雄飛さんの大人のひとり時間。「ひとりの時間がなければ湧き出てこないものがある」
PROFILE
小宮山雄飛
(こみやま・ゆうひ)

1973年生まれ。ミュージシャン。
1996年にホフディランのボーカル&キーボードとしてデビュー。音楽活動の他、ラジオ、テレビ、雑誌など多方面で活躍。著書に「今日もひとり酒場」(扶桑社)など。2015年7月から、生まれ育った東京・渋谷区の観光大使に。2020年11月には渋谷区のCEO(Chief Eat Officer)に就任。食の魅力や、食に関する取り組みを発信している。

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