ねぶたと帆立、津軽の冬の港町 青森市

本州最北端の県庁所在地・青森市は「ねぶた祭」で燃える夏の町のイメージだが、歌謡曲「津軽海峡冬景色」のせいか、冬の町の印象も強い。その季節に東北新幹線「はやぶさ」を新青森駅で乗り換え、雪の中ならぬ冬晴れの青空の下の青森駅に降り立った。
桟橋には青函連絡船
最初に向かったのは、駅から4~5分のかつての連絡船桟橋の青函連絡船メモリアルシップ「八甲田丸」。エンジンルーム、車両展示室から甲板、煙突展望台の4階まで船内の機械や装備を見学した。

船の横に立つ大きな「津軽海峡冬景色歌謡碑」には歌の文句と「作詞:阿久悠、作曲 編曲:三木たかし、唄:石川さゆり」が刻まれている。歌詞も曲も昭和世代の多くの日本人の胸にも深く刻まれているだろう。

桟橋の手前で目に付くのが、赤い鋼板で壁が装われたユニークで斬新なデザインのねぶたの家「ワ・ラッセ」。祭りの掛け声を名称にした建物で、ねぶたの展示をはじめおまつり体験、紙貼り体験などもできる。すべてが分かるミュージアムになっている。

東側の広々とした青い海公園に立つ巨大な三角形のビルの「アスパム」は、県の名産品や名物が多数集合する青森県観光物産館。買い物や飲食、観光情報などが楽しめ、最上階の展望台からは西にベイブリッジや八甲田丸、南に中心街、東に新中央埠頭(ふとう)など360度見渡せた。

眼下に広がる青森市は人口27万余。江戸時代、弘前に城を構えた津軽藩2代目の時に東の港が設けられ、奥州街道の宿駅としてもにぎわった。後に東北線、奥羽線などの鉄道、青函連絡船、国道4・7号、東北自動車道などの交通の要衝となった。
「善知鳥神社」や「アウガ」へ

古社の「善知鳥神社」。境内には沼や中之島、青森市道路元標、奥州街道終点記念の石碑などがある。商売繁盛、交通安全、家内安全、航海安全、漁業守護など幅広い信仰を集めている。初詣には大いににぎわう。

新町通りの駅の手前に立つ「アウガ」にも立ち寄った。駅前再活性化計画で地階に新鮮市場や食事処、1~4階に市役所駅前庁舎、6~8階に市民図書館が入ったビルで、地階の新鮮市場と食事処で昼食に名物の海鮮丼を食べた。

土産に買ったのはリンゴを使ったはとや製菓の「ラブリーパイ」とおきな屋の「薄紅」。名物駅弁の伯養軒の「帆立(ほたて)釜めし」を抱えて、青い森鉄道で湯の町「浅虫温泉」に向かった。
〈交通〉
・JR奥羽線・青い森鉄道青森駅下車
〈問い合わせ〉
・青森観光コンベンション協会
017-723-7211
※都道府県アンテナショップサイト「風土47」より転載。