キャンピングカーのベース車として魅力的に進化 ダイハツ「ハイゼット カーゴ」

「アトレー」が5ナンバーから4ナンバーに
今回のモデルチェンジで、もうひとつ大きなトピックスがあります。それはハイゼット カーゴの兄弟車「アトレー」です。前述のとおり、ボディーを共用していることもあって、「ハイゼット カーゴ」のフルモデルチェンジはすべて、「アトレー」にも反映されます。CVTなどの性能・仕様変更も同様です。

見た目やデザインについては、高級感がアップしました。外観は、LEDヘッドランプ、メッキグリル、ブラック仕上げのドアミラー、ボディーと同色のドアハンドル。内装は、フロント中央にアームレスト。ルームランプがLED化。空調ダクトやステアリングホイール、シフトレバー、前席ドアハンドルにメッキ加飾がされています。

今回最大の変更点は制度上のカテゴリーの変更です。これまでの5ナンバー登録(軽乗用車)から4ナンバー登録(軽貨物車)になったのです。5ナンバー登録から、4ナンバー登録になることのメリットは、自動車税が低減されることです。デメリットは、初回車検までの期間が3年から2年に短縮されてしまう点があげられます。
「アトレー」もベース車として魅力的な存在に
もうひとつトピックスがあります。今回のモデルチェンジで「アトレー」にはダイハツ純正の「ベッドキット」が登場しました。20万円ほどするオプションではありますが、純正キットでベッドが作れるわけですから、ビルダーにとっては独自開発せず、ベッドはこのキットを流用して、断熱、電気系統などに注力するという選択肢があります。

「ハイゼット カーゴ」と同様、「アトレー」も、これまではあまりベース車両として採用されてきませんでした。居室が小さかったからです。さらに「アトレー」が5ナンバー車だったことも大きな理由でした。
一般の車両をキャンピングカーに架装する場合、5ナンバー車の場合は、同一型式の中で最も重いグレードの車の110%までの車両総重量に収めねばなりません。4ナンバー車の場合は、その車両の最大積載量の範囲に収まればよいのです。4ナンバー車のほうが、架装するには有利です。
今回のモデルチェンジで「アトレー」は4ナンバー車になり、純正ベッドキットも用意されました(「ハイゼット カーゴ」にはありません)。「アトレー」もベース車両として魅力ある存在になった、といえると思います。
「ハイゼット カ-ゴ」と「アトレー」を比べて見ましょう。「ハイゼット カ-ゴ」の車両価格は「アトレー」より安価です。一方で、「アトレー」は外装・内装ともに高級感があります。
各ビルダーがどちらを魅力に感じるか。どんな架装を施して、どんな価格設定してくるか。正直、未知数です。しかし、今回のモデルチェンジで、両車ともにキャンピングカーのベース車両として魅力的なスペックを整えたのは間違いないと思います。今後、どんな商品が出てくるのか楽しみです。
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