キャンピングカーのベース車として魅力的に進化 ダイハツ「ハイゼット カーゴ」

ダイハツの軽商用バン「ハイゼット カーゴ」が17年ぶりにフルモデルチェンジして、軽キャブオーバーバンのジャンルで最大級の荷室長×幅×高さに躍り出ました。これまで荷室が小さいために、あまりキャンピングカーベースに採用されてこなかった「ハイゼット カーゴ」ですが、今回のモデルチェンジで魅力的に進化し、ベース車をめぐる情勢に変化が起きそうです。
広くなった室内、自動車としてはどう変わる?
「ハイゼット カーゴ」は、ライバルであるスズキの「エブリイ」よりも室内寸法が大きくなりました。室内寸法の比較を筆者がカタログのデータを元に表にまとめてみました。

注目すべきはその形状です。側面上部の傾きやバックドアをより垂直に近づけたことで、室内の容積にもゆとりが生まれました。さらに、室内側面や床面も極力フラットに整えられているため、空間をより有効に使うことができます。軽キャンピングカーの場合、快適な空間を得るために各ビルダーともミリ単位での架装設計をしています。この広さは魅力的といえるでしょう。

室内空間の広さは確かに大きなポイントですが、駆動系や走行制御など「自動車」としてどう変わるかも気になるところです。車のスペック部分のモデルチェンジは「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット トラック」や「ハイゼット カーゴ」の兄弟車である「アトレー」にも共通します。
CVT(無段変速トランスミッション)と衝突回避支援ブレーキなどのスマートアシストを標準装備。オプションとして、キーフリーシステム&プッシュボタンスタートや大型ディスプレイオーディオ などが用意されています。
この中で最も注目すべきは、新開発のCVTです。エンジンの回転数に合わせてミッションが変化する際、各回転レベルごとにもっとも効果的に移行できます。エンジンのパワーを無駄なく使えるしくみと言えるでしょう。CVTはあまり大きな排気量には適さないので、軽自動車に採用するのも合理的です。その結果、走行性能や燃費さらには静粛性に寄与するはずです。
軽キャブコンベースとして人気の「ハイゼット トラック」にとって、このCVTの搭載は大きな意味があると思います。旧型は4速ATでしたが、ターボの設定がなく非力であることが弱点でした。効率の良いCVTが搭載されれば、走行性能や燃費の向上が見込まれます。
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