〈238〉仕事も家事も趣味も! 新しいライフスタイルに対応した家作り

Sさんご夫妻(30代)
埼玉県川口市 / 築24年 / 66.70㎡ / 総工費1,500万円
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Sさんご夫婦は、結婚してすぐに家を購入されました。リノベーションすることは結婚前から決めていたので、新築ではなく中古マンションを選びました。将来、ライフスタイルが変わったら住み替えることも考え、都心に近い便利な駅、さらに駅から近いマンションに決めたようです。
お2人の希望は、リノベーションだからこそできる、自分たちらしい間取り。新築マンションによくある一般的な間取りではなく、2人で家にいる時間を楽しむために、カフェやホテルのようなリラックスできる空間にしたい。さらに、ウィズ・コロナの暮らしに対応できる、家事や仕事を効率的にこなせる間取りにしたいとのことでした。
ただし、住み替えの可能性もあるので、あまり奇抜なプランでは売却しにくいことも。自分たちらしさと、売却しやすさのバランスをとりながら、間取りを考えることになりました。

今回の間取りの特徴は、浴室、洗面台、ウォークインクローゼット、ワークスペースを真ん中に配置して、玄関からリビングに抜ける廊下を2本作って回遊できるようにしたこと。生活に必要な場所を回遊性のある動線にすることで、仕事や家事、さらに身支度がしやすく便利です。ワークスペース、洗面スペースは廊下を使うことで、通路としてだけでないスペースの有効活用ができます。
ワークスペースは、コロナ禍によるテレワークのため、集中できる独立した場所が必要になってきました。Sさんからも、オンライン会議などのために音を遮断したいという希望がありました。そこで、人が集まるリビングからは離れた、玄関近くの場所にワークスペースを配置。引き戸をつけて、音を遮断したいときは閉められるようにしました。

そしてもう一つ、コロナ禍で定番になりつつあるのが、帰宅したらすぐに手を洗えるように、洗面台が玄関の近くにあること。通常は脱衣所に作ることが多いのですが、Sさん宅も玄関のそばの廊下に設置。帰宅時だけでなく、外出する直前にも洗面台の鏡で自身をチェックでき、使い勝手がいいと好評です。

他にも、ウォークインクローゼットやキッチンも左右から出入りできる、小さな回遊プランにしました。回遊できると、暮らしやすいだけでなく、家全体が風通しの良いオープンな雰囲気に。リビング、キッチン、ワークスペース、洗面スペースなど、それぞれの場所がゆるくつながり、家族の気配を感じながら自分の好きな場所で過ごすことができます。

さらに、最近、ニーズが高いのが玄関を広めの土間にすること。Sさんご夫妻も、趣味のキャンプ用品などを収納できる土間を希望されました。オープンな棚を設置して、キャンプ用品をラフにまとめ、ディスプレーとしても楽しんでいます。将来住み替えを考えていますが、お子さんが生まれたら、ここを子ども部屋にすることもできます。住み続ける選択も可能にする、フレキシブルなスペースです。
回遊性のある間取り、ワークスペースと洗面スペース、そして、玄関の土間。コロナ禍以降の新しいライフスタイルに対応した、参考になる事例です。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Sさんご夫妻に聞く
リノベーションQ&A
Q1 リノベーションをして、生活が変わりましたか?
回遊性のある間取りにし、天井をできるだけ高くしてもらいました。平日は夫婦共に在宅勤務が多いのですが、回遊性のある間取りのおかげで、ワークスペース、リビング、ダイニングなどそれぞれが仕事のリズムに合わせて居場所を変えられ、在宅勤務のストレスを感じることなく過ごせています。

Q2 家の中でどんなことをしている時間がお気に入りですか?
休日、夫婦で料理を作る時間がお気に入りです。キッチンは、希望通りのステンレス製。それに合わせて部屋全体の雰囲気も統一してもらいました。 ゆったりくつろげるリビングでは、映画・動画鑑賞をしています。コロナ禍にキャンプをはじめたことをきっかけに、キャンプに関する動画を見たりもしています。
構成・大橋史子