健康や幸福を願う季節 いつかは体験したい香港の旧正月

ライオンダンスに触発されたロボット玩具
旧正月の香港は、活力に満ちています。その雰囲気を大いに盛り上げるのがライオンダンス(獅子舞)です。旧正月の大みそかに現れるとされる邪悪な「年獣(Nin)」を追い払うために始まったと言われ、香港の旧正月には欠かせない伝統芸能です。

中国のライオンダンスは1000年以上の歴史があります。南方獅子と北方獅子の2タイプがあり、香港で見られるものは南方獅子が一般的で、100以上の舞踊団があると言われます。赤色や黄色の派手なライオンのかぶりものを二人一組で操り、鉦(かね)や太鼓の激しいリズムに合わせて、垂直に立てたいくつものポールの上を跳ね回るに至っては、もはや曲芸。居合わせた人が喝采を送ります。

玩具デザイナーのWong Yin Foonさんは、このライオンダンスのとりこになり、ロボット玩具シリーズ「Invincible Mascots(無敵マスコット)」を制作しました。子供のころ親しんだ「ガンダム」や「トランスフォーマー」の影響を受けつつ、南方獅子のルーツの一つとされる広東省の佛山獅子にみられる鼻や角をデザインに取り入れています。ロボットのメインカラーは、ライオンダンスの雰囲気を醸す赤色と金色。2020年に香港で開催された「ACGHK 2020(香港動漫電玩節)」では国内外から高い評価を得ました。
黄大仙が「オンラインご祈祷」開設
旧正月には心も新たに寺院へお参りに出かけたいところ。しかし、コロナ禍で大勢が集まる場所に足を運ぶのをためらう方も多いはず。そんな中、毎日大勢の参拝者が訪れる香港の寺院「黄大仙(ウォンタイシン)」は、直接参拝できない人のために、公式サイトで「オンラインご祈祷」を受け付けています。

「オンラインご祈祷」専用フォームで「家庭幸福」「四季平安」など八つのテーマから祈りの内容を選び、自分の名前やメールアドレス、祈りの言葉などを入力して送信します。オンライン経由で送られた祈りは、寺院の道教儀式で祝福されます。
御利益グッズもオンラインで販売
お祈りだけではなく、寺院で手に入る御利益グッズもオンラインで! 香港の大手慈善団体「東華三院」(Tung Wah Group of Hospitals)が運営するオンラインショップのサイトでは、利用者登録(無料)をすることで、さまざまなグッズを購入することができます。

たとえば、写真左上の金色のシャベルは、油麻地(ヤウマテイ)にある天后廟(ティンハウミュウ)のおみやげ。手にとって金花娘娘という女神に祈りを捧げると、出産に御利益があるとされています。
ヴィーガン向けの旧正月食品も
香港の有名なヴィーガン向け食料品専門店「Green Common」は、2022年の旧正月向けに、植物素材だけで作った食品を用意しています。

たとえば、縁起物とされる旧正月に食べる餅「年糕」(ねんこう、左の写真手前)は、カボチャに加え、ターメリックやレッドキノア、オーツ麦のミルクも使っています。植物由来の素材ばかりを用いる「しゃぶしゃぶ」(右の写真)は、アーモンドミルクスープとトムヤムスープの2種類のスープベースを用意。年賀のお客さんもびっくりしそうです。
コロナ禍は依然、先行きが不透明ですが、いつか気軽に旅行できる日が来たら、香港の旧正月を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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どの国もお正月は縁起物を飾ったり食べたりするのですね。海外で年末年始を過ごしてみると、きっといろんな発見があって楽しいでしょうね!