(146) “出番待ち”する静の時 永瀬正敏が撮った京都
国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回は京都で撮った一枚。映画撮影の“出番待ち”をしている、静かなひとときが刻み込まれています。

僕たち役者の仕事は、ほとんどが“待ち”の時間だと言われる。
映画の撮影はさまざまな要素が絡みあって、
たった数秒のシーンを撮影するのにかなりの時間をかけ、じっくり作っていく。
ある時は天気のつながりをじっと待つ。
ある時は照明のセッティングをじっと待つ。
ある時は飛行機やヘリコプターの音が聞こえなくなるまでじっと待つ。
ある時は夕方を知らせるチャイムが鳴りやむまでじっと待つ。
ある時はカメラのセッティングをじっと待つ。
ある時は移動しながら次のロケ地に着くまでじっと待つ。
ある時は自分の出番が来るまで、ひたすら待つ……。
その間は気分転換したり、次のシーンに向けて集中力を高めていたりする。
お芝居をしている時間より、待ちの時間の方が長いことも多々ある。
(いや、ほぼそうかもしれない)
いわゆる“出番待ち”の時間がほとんどなのだ。
京都の神社の裏でこの光景を目にした。
これから煌(きら)びやかで艶(あで)やかな世界へ飛び込んでいく、
その前のひととき。
“出番待ち”をしている静の時間を、撮影させていただいた。
俳優のお仕事は、出番待ちが多いのが大変かもしれませんが、その中でコミニケーションをとったり、台詞を覚えたり、人それぞれですよね。
この写真の出番待ちは、人を喜ばせる為にただ、待っているかの様です。
『煌びやか』で『艶やか』✨
永瀬さんが何かを目にした時の物事の捉え方や写真の撮り方がお洒落で素敵です✨
永瀬さんならではの感性✨センスなんでしょうね✨