料理家・冷水希三子の何食べたい?
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納豆で旨味をアップ。出汁が香るチゲ鍋

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は寒い時期に食べたくなるチゲ鍋をご紹介。自宅でも本格的な味を出せるコツを教えていただきます。

―― 冷水先生、こんにちは。まだまだ寒い日が続いて、体が縮こまっています。

冷水 そうですね。温かいものをとることを心がけたいですね。

―― はい、連日お鍋を食べて、ポカポカです(笑)。

冷水 今日は何を作りましょうか?

―― 鍋といえば、今回は鍋レシピにまつわるリクエストが届いています。

冷水 タイムリーですね!

―― 私もそうですが、みなさんお鍋の頻度が高くなっているらしく、どうにもマンネリ化してしまう……、と。同感すぎます。

冷水 冬のあるあるですね。

―― 最近は色々な種類の鍋スープが売られていますが、「もうひと声!」というものが多くて、満足度100%とはなかなかなりません。

納豆で旨味をアップ。出汁が香るチゲ鍋
大根の千切りはこんな感じ。大根は甘みをプラスするために入れるので、具材とは思わず、思い切って細めに切りましょう

冷水 たとえば、どんな点が「もうひと声!」なんですか?

―― う〜ん、なんというか、味に奥行きがない……と言うんでしょうか。

冷水 なるほど。家でいちからスープを作る場合は好みの具合に出汁(だし)を取れますが、市販のものはそうはいかないですものね。じゃあ今日は、スープから作るお鍋を作りましょうか?

―― おお! それはありがたい。最近すごく寒いので、体が温まりそうなチゲ鍋なんてどうでしょう? 市販品でこれぞというものが見つかっていない種類のひとつです。

冷水 いいですね。じゃあまずは肝心の出汁から。今日は昆布と煮干しを使いますが、できたら昆布は前日から水につけておいてください。

―― はい!

冷水 昆布出汁に頭と内臓を取り除いた煮干しを加えて弱火にかけて、沸騰する直前で火を止めて濾(こ)します。

―― わ〜、煮干しのいい香り!

冷水 鍋に昆布と煮干しの出汁を入れて、そこに大根、長ネギ、芯を取り除いたにんにくを加えて、大根が軟らかくなるまで煮てください。

―― あれ、大根は千切りですか? 鍋の具材としては随分小さいような……。

納豆で旨味をアップ。出汁が香るチゲ鍋
韓国の粉唐辛子は辛さの中にコクがあって、チゲには欠かせない調味料。今回はこれくらい粗びきのものを使いましたが、辛いのが好きな方は細びきを使うといいですよ

冷水 今回、大根は具材というより出汁に近い役割なんです。大根をよく煮ると甘みが出るでしょう? それが大切なんです。

―― チゲって辛いイメージですが、甘みが大切なんですか?

冷水 今日はコチュジャンを使わないので、大根で甘みを出すんです。

―― コチュジャンを使わないチゲですと……!?

冷水 市販のコチュジャンを使うと、どうしても味が均一になってしまうような気がしませんか? 味が強すぎて、コチュジャンの味しかしないなぁと思うんです。

―― たしかに……、わかります。でも甘みは大根でカバーするとして、旨味やコクの部分はどうするんでしょうか?

冷水 それが今回の秘密兵器です。

納豆で旨味をアップ。出汁が香るチゲ鍋
納豆は混ぜずにそのまま鍋へ。今回は大粒タイプを使いましたが、お好みで

―― な、納豆!?

冷水 以前、韓国で納豆入りのチゲを食べたことがあるんですけど、それがすごくおいしくて。納豆は旨味とコクがたっぷりなので、コチュジャンを入れなくても十分なんです。辛みの部分は韓国の粉唐辛子を入れれば、バッチリです。

―― コチュジャンが一手に担っていた要素を、色々な食材で分担するんですね。その方が多様性が生まれて、奥行きのある味になりそうです。

冷水 煮干しからも強い旨味が出ますから、きっと「あとひと声!」に応えられると思いますよ。

―― 楽しみです。

冷水 さて、大根が軟らかくなったら、鍋に酒と生姜(しょうが)のすりおろし、納豆、韓国粉唐辛子、みそ、ごま油を加えて10分ほど煮ます。

―― 納豆は思ったほどネバネバしてませんね。

冷水 混ぜて粘りを出していないし、火を通すとそこまで粘りは出ないんです。においもそこまで感じないでしょう? 納豆が苦手な人でも食べられると思いますよ。

―― それはいいですね。

冷水 最後に豚バラ肉と豆腐を加えて、温まったら味を調えて完成です。

―― おお、普段食べているチゲ鍋より随分色が薄いですね。いつもは真っ赤でドロッとした、地獄鍋みたいな感じなので(笑)。

納豆で旨味をアップ。出汁が香るチゲ鍋
豚バラ肉は最後に加えます。好みで卵を割り入れても、おいしいです

冷水 地獄(笑)。基本の出汁がしっかりしていないと、ついコチュジャンを入れすぎたりして、どんどん味が濃くなってしまうんです。でも出汁の味が薄いと、どれだけ調味料を足しても「何か足りない……」となってしまうんですね。

―― そこが「もうひと声!」の正体だったのか!

冷水 お味はいかがですか?

―― 見た目はサラッとしていますが、旨味がすごいです! これが煮干しと納豆のパワーですね。大根の甘み、粉唐辛子の辛みが絶妙なバランスです。

冷水 今日は粗びきの粉唐辛子を使ったのですが、もしもっと辛くしたい場合はもっと粒子の細かいものを使えばいいですよ。

―― ごくごく飲めるチゲって、初めてです。最後の1滴までおいしい……。

冷水 〆にはご飯を入れてクッパ風にしてもいいですし、ラーメンやうどんも合いますよ。もしどうしても納豆が苦手!という場合は、牡蠣(かき)を入れても旨味が出ます。

―― 牡蠣もいいですね〜。寒い日はしみじみと優しいチゲで温まります!

納豆チゲ

材料(2人分)

  • 800ml
  • 昆布
    5cm角1枚
  • 煮干し
    10g
  • 大さじ2
  • 大根
    3cm
  • 長ネギ
    20cm
  • にんにく
    1片
  • 生姜すりおろし
    1片
  • 韓国粉唐辛子
    大さじ1
  • 豚バラ肉しゃぶしゃぶ用
    120g
  • 納豆
    50g
  • 豆腐
    150g
  • ごま油
    大さじ1
  • みそ
    15~20g
  • 好みで1~2個
  • 白ごま
    適量
  • 水に昆布を一晩つけておく。
  • 1.に頭と内臓を取り除いた煮干しを加えて弱火にかけ、沸く直前で火を止め濾す。
  • 鍋に2.の出汁と千切りにした大根、小口切りにした長ネギ、芯を取り除いたにんにくを加え、大根が軟らかくなるまで10~15分煮る。
  • 3.に酒と生姜のすりおろし、納豆、韓国唐辛子、みそ、ごま油を加え、10分ほど煮る。その後、豚バラ肉と豆腐を加え(好みで卵)、温まったら味を調えて器に盛り、白ごまを振る。煮干しはお好みで、濾さずに具として残しておいても良い。

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