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生き方が魅力をつくる 冨永愛ならではの美を追い続け

新津保建秀氏撮影、ダイヤモンド社提供

10代から世界を舞台に活躍してきたモデルの冨永愛。ランウェーを歩き、モード誌のページを飾れば、別格の存在感を放つ。人まねではない、自分だけの美しさを磨いてきた39歳のいま、人の魅力の本質は「生き方」にあると語る。

「メンタルバランスが崩れているモデルは、ランウェイですぐ分かってしまう。地に足がついていないように見えるし、浮ついた歩き方をする」。著書『冨永愛 美の法則』(ダイヤモンド社)にこう書いた。わずか数十秒のウォーキング、たった1枚の写真に内面までもがにじみ出る。流行や、美の基準が移ろうファッションの世界で、自分ならではの美しさ、抜きんでた個性が何なのか、考え続けてきた。

「正解がないんですよね。アスリートのように、最初にゴールテープを切った人が1位という世界ではない。認められているようで、認められていないような感じというか。だから、自分なりの答えを探さなくてはならなかったんです」

一人で戦うしか

10代後半でニューヨーク・コレクションにデビューした。ロンドン、ミラノ、パリを加えた世界の四大コレクションに出られるのは、あまたのモデルの中でもほんのひと握り。

生き方が魅力をつくる 冨永愛ならではの美を追い続け
昨年12月に都内で行われたケイタ・マルヤマのショー=ブランド提供

その生活は過酷だ。ひとたびシーズンが始まれば、国から国へ、フィッティングやキャスティングで会場から会場へと走り回り、世界中からやってくるモデルと一流ブランドのショー出演をかけて競いあう。

今ほど「多様性」がうたわれる時代ではなかった。露骨な差別を肌で感じるなか、アジア人のトップモデルという道を切り開いた。「現場では誰も助けてくれない。すべて自分で何とかしなくちゃいけない。とにかく一人で戦っていくしかなかったんです」

生き方が魅力をつくる 冨永愛ならではの美を追い続け
ジバンシィ2010年秋冬コレクション=大原広和氏撮影

当時はモデルへのケアが十分ではなかったこともあり、食事は「食べられればいいという感じ」。胃薬が手放せなかった。「忙しくて思うように食べられないから、コレクションサーキットが始まってパリ・コレが終わるころには、5キロは痩せていたと思います。風邪も引きやすくなるし、体調管理が大変でした」

転機は2005年の出産。息子を産み、食事や内面の美しさに改めて目が向くようになった。最新刊の『冨永愛 美をつくる食事』(ダイヤモンド社)には「自分の体で研究してきた」という食生活の秘訣(ひけつ)が書かれている。

生き方が魅力をつくる 冨永愛ならではの美を追い続け
最新刊のテーマは食事。調味料や調理道具、器なども取り上げた=邑口京一郎氏撮影、ダイヤモンド社提供

日々体の状態を観察し、栄養を考え、食を大切に暮らしている様子を愛用のレシピとともに紹介した。「体形のコントロールに関しては、食事がほとんどなんです。何を食べているかによって、どうにでもできるというか。どんな人も食事を改善すれば、心も体も変わることができる。生きることと食べることは切り離せないから、食は、生き方にもつながっているんです」

強くなったかな

40代目前のいま、かつての怒りを秘めたような鋭いまなざしは、強さと優しさをたたえた穏やかな美しさへと変化したように見える。「私はプライベートでもモデルの仕事でも、すごくいろんな経験をして、わりときつい思いをしてきたから。でも、人ってつらいことがあると成長しますよね。人を許せるようになっているし。強くなったかな」

生き方が魅力をつくる 冨永愛ならではの美を追い続け
息子を抱いて歩いたケンゾー2006年春夏コレクション=大原広和氏撮影

食への関心から派生して興味を持ったというSDGsでは消費者庁のアンバサダーに就くなど、社会貢献活動にも力を注ぐ。ファッションモデルとして現役でいるために、日々のトレーニングを欠かさず、冨永愛ならではの魅力を、いまも探していると話す。

「魅力を探すというのは、自分を磨くことなんですよね。でも、魅力って磨ききったところで出るというよりは、磨く過程で引き出されるもの。人の魅力って、その人の生き方そのものなんだと思います」

長谷川陽子

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