次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」

ニューヨーク在住6年目の、久保純子さん。新型コロナウイルスで世界がめまぐるしく変化する中での、ニューヨーク生活。家族や友人との時間、街で見かけたモノ・コト、感じたことなど、日々の暮らしを通して久保さんが見つめた「いまのニューヨーク」をつづります。
週替わりで「SAILOR=船員」に任命
今や20歳と13歳になった娘たち。ニューヨーク(NY)に来たばかりの頃、長女は高校入学直前で、次女は小学3年生だった。長女はひとりで地下鉄で登校していたが、当時8歳だった次女は、州の決まりでどこに行くにも親やガーディアン(守護者)の帯同が必要で、学校はもちろん、お稽古事も、友達の家に遊びに行くときもいつも私が付き添っていた。そんなこともあって、教育現場もじっくりと観る機会に恵まれた。今回は、少し遡(さかのぼ)って次女の小学校生活から見えてきたアメリカの教育事情を取り上げてみたい。
感想を一言でいうならば、私もこんな教育を受けたかった!だ。印象に残っている出来事がたくさんある。まずは、「SAILOR OF THE WEEK」。子どもたちは週替わりで「SAILOR=船員」に任命される。クラスという大きな船の中の一船員として、仲間同士うまくやっていくために、互いのことを知ろうというのが趣旨で、あらゆる角度から自己紹介する。
ある日は、「All ABOUT ME」というブックレットにびっしりと自分の趣味嗜好を記入し、クラスの壁に貼りだして、クラスメートに読んでもらう。他にも、自分の好きな絵本を持って行って、SAILORが読み聞かせをしたり、私たち親が内緒で書いた手紙を先生が朗読するなんていう日もある。最後に、クラスメートが1週間を通して感じたことを手紙にしたため、SAILORに渡す。

その手紙を読んでいると、可愛すぎて、ほっこりする。普段、クラスで接するだけでは知りえないような赤ちゃんの頃の様子や意外な趣味、家庭での顔を垣間見ることができるので、「赤ちゃんのときに、お母さんの口に手を当てて寝ていたのが面白かったです」とか、「集中していると舌を出すところにビックリしました」など、率直な感想に加えて、「優しいところが好きです」「一緒に遊ぶと楽しいです」と必ず褒め言葉も書き添えてくれる。まったく違う環境で育ち、異なる価値観・文化を持った子どもたちが、互いのことに興味を持ち、良いところを見出そうとする姿勢は、素晴らしいと思う。
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久保ちゃん、いつも身近な目線でのレポートとても面白く読んでいます。自分達の時代と異なり、今の時代はWEBもあり本なんて・・って思うかもしれないけど、本は色々な想像を働かすとても重要でかつ色々な目線での気が付かなかった目線を教えてくれる。年齢を重ねてさらに好きになったりしますね。その環境大事ですね。大人もたくさん本を読みましょう。久保ちゃんのすばらしい目線。
学校で政治に関して意見を言い合うってのは、日本にはない教育ですね。時事テストで誰が総理大臣?という問題は出ても、その主義主張を深く議論することはないですね。興味深いポイントでした。
今回も素敵な記事を楽しく読ませて頂きました。アメリカの自立心を育てる教育は素晴らしいですね。褒めて伸ばすところも好き。私もそんな教育を受けたかったと思います。でも、改めて自分が日本で学生の時は嫌だった掃除文化とか、アメリカにはない家庭科の授業とか日本も素晴らしいと思える!感謝です。