久保純子 LIFE in N.Y.
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次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」

次女の心のオアシスは本屋さん。どこかミュージアムのようなレイアウトで、梯子(はしご)も雰囲気を演出。装丁がどれも色鮮やかなので、思わず手を伸ばしたくなる

思い思いのスタイルで、自然と本を楽しめる図書館

続いて、朝の親子図書タイム。朝7時50分、娘の小学校に行くと、図書館のあちらこちらで、親子が仲良く本を覗(のぞ)き込んでいる光景を目にする。学校の開始時間は8時20分だが、早く着いた親子は、教室には入れないけれど、図書館で、本を読んで良いことになっている。

次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」
学校の図書スペースは開放的。子どもが自由に本を手にし、くつろぎながら本を楽しむことができる。父と子の姿もよく目にした。こちらでは、父親が送迎をするのが日常の光景になっている

図書館といっても、日本の小学校のような立派な「図書室」があるわけではなく、本棚が「壁」の役割を果たし、なんとなく長方形のスペースが作られ、その真ん中に、カラフルなカーペット、小さな椅子やテーブルが並べられていて、子どもたちは思い思いのスタイルで本を読むことができる。カーペットに寝転んでいる子もいれば、足を前に投げ出し、本棚に寄りかかるようにしてくつろいでいる子もいる。きちんとした図書室ではないので、もちろん扉もない。教室から教室へ移動する間、お手洗いに行く途中、子どもたちはいつでも本に触れられる環境にある。わざわざ行く感覚がないので、気軽に本を楽しんでいる様子が窺える。娘は、朝の図書タイムがお気に入りで、早起きをして、授業前の読書時間を楽しんでいた。おかげで、13歳になった今でも本が大好きで、本屋さんが心のオアシスと言い切る。

次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」
「BOOK PARADE」では、先生たちが仮装しているのも微笑(ほほえ)ましい。子どもたちは、先生たちの姿に大爆笑、大興奮

さらには、自分の好きな絵本や本の主人公に扮してパレードをする「BOOK PARADE」もあった。赤ずきんちゃんの狼(おおかみ)もいれば、魔女の姿も。娘は、『3びきの子ぶた』の絵本を片手に、子ぶたになりきって行進した。「あの子はなんの格好?」「絵本はなんだろう?」とパレードをきっかけにして、お互いの本に魅せられ、本を交換して持ち帰るなんていうこともあった。本は勉強の道具ではなく、楽しむものというイメージが子どもたちの心に残るようだ。我が身を振り返ると、小学校の頃は、本は読まされている感があった。読書感想文のため、夏休みの宿題のために仕方なく読む。こんな風に、自然と本を楽しめる環境にあったならば、もしかしたら、もっと本好きになっていたかもしれない(笑)。

次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」
誕生日には、カップケーキやブラウニーを持参して、小さなパーティーが開かれる。ダンスタイムで最高潮。誕生日の子どもが好きな曲に合わせて、歌って、踊って、先生もノリノリ

政治に熱く、世の中の動向に関心

そして、最も印象的なのが、子どもたちの政治への関心だ。こちらに来た2016年は、ちょうどドナルド・トランプ VS ヒラリー・クリントンの大統領選挙の直前だった。授業では、大統領候補それぞれの主義主張や公約を比較し、掘り下げる。子どもたちがさらに探求できるように、図書館には、選挙や大統領候補に関する本や絵本の特別コーナーが設けられていた。自(おの)ずと、家の食卓でも話題は選挙に及び、「この候補の主張を支持したい」「こちらの候補は何を言わんとしているのかよくわからない」と娘たちが熱弁することも。

民主党支持者が多いとされるNY。大統領選翌日、娘たちの学校ではトランプの勝利にショックを受け、涙する子どもたちや先生が続出した。学校からは、「子どもたちや先生はもちろん、親御さんもカウンセリングを受けたい人は申し出て」と心の状況を心配する異例のメールが届いた。それくらい子どもも大人も、世の中の動向に関心を持っている。政治に熱くなる。少し羨(うらや)ましいような気がした。

次女の小学校生活から「こんな教育を受けたかった!」
親が社会科見学に同行することもしばしば。この日は、環境汚染を取り上げた授業の一環でNY市の東に位置するロッカウェイビーチでゴミ拾いを敢行。ビニール袋や瓶などゴミの山に子どもたちは愕然としていた

学校で学ぶべきことはなんだろう? 国語も算数も、知識を蓄えることはもちろん大切だと思う。でも、それと同じくらい重要なのは、この多種多様な世界で、互いのことに興味を持ち、理解し、尊重しあう力。自らしっかりと考え、意見を持ち、どんな状況にも柔軟に対応できる力。そんな「生きる力」を養うことが大切なのではないかと、娘の教育を通して考えさせられるのである。

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