自然と一体 貸し切り風呂が森に点々 宮城・遠刈田「温泉山荘 だいこんの花」

誰にも邪魔されず、人の存在を気にすることなく、ただひとり自然の中で温泉に浸りたい。そんな思いを抱いて、敷地の森に貸し切り風呂が点在する、遠刈田(とおがった)温泉「温泉山荘 だいこんの花」(宮城県蔵王町)へやってきました。まん延防止等重点措置前の1月初めのことです。このところ、ひとりで温泉に泊まって、のんびり静かに過ごす人が増えていると、多くの宿で耳にします。自分の心と体を癒やすための温泉旅もよいものです。
【動画】敷地の森に貸し切り風呂が点在する
■連載「楽しいひとり温泉」は、国内外の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する筆者が、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。
雪を踏みしめ湯小屋へ……そこに温泉があるから

一歩、また一歩と、雪を踏みしめて進んでいくと、森の中にぽつんと湯小屋が見えてきます。すぐに温泉へ入れるようにと寒風の中でも浴衣に長靴。館内移動用の暖かいコートを羽織っているけれども、やっぱり寒い。バスタオルを頭からかぶってひたすら前進。どうしてこんな格好をしてまで温泉へと向かうのでしょうか。

理由はただひとつ。そこに極楽が待っているから……。寒い寒いとつぶやきながら、かけ湯をして温泉へどぼん。「ふううううう。あったかい」。かじかんだ手足がじんじんビリビリ。しだいに湯のぬくもりにとろけるようになじんで、何とも言えない幸せに包まれます。こうした貸し切り露天風呂が四つあり、できるだけ自然のままの雰囲気を楽しめるようにと、露天風呂に屋根はなかったり、たどり着く最後の道は除雪せず雪道を歩くようになっていたり、このちょっとした苦労が、温泉のありがたみを倍増させてくれるのです。
リスや野鳥がやってくる湯上がりラウンジ

1万坪の自然林に18室の離れタイプの客室、温泉、ダイニングやパブリックの施設が点在し、木の回廊でつながっています。

湯上がりラウンジには、窓の外に餌場があり、時折、リスや野鳥がやってきます。温泉でぽかぽかになった体を休めて飲み物で水分補給。色々なドリンクやお菓子、アイスクリームなども無料で楽しめます。
蔵王山ろくの溶岩石の岩盤浴

森の溶岩浴どんぐりコテージという、魅惑的な看板を見つけていってみると、蔵王山ろくの溶岩石を敷き詰めた溶岩浴(岩盤浴)ができる施設でした。熱すぎず、じんわりと体の芯が温まっていく感じ。宿所有の畑で無農薬栽培したよもぎを乾燥させて使っているそうで、優しい香りに癒やされます。

雪景色を眺めてクールダウン。ビールやハーブティーも追加料金は要りません。
部屋の温泉も自然のままの露天風呂

温泉山荘の名の通り、部屋は、温泉付き別荘のような雰囲気です。吹き抜けの天井に金山杉の太い梁(はり)で重厚感があります。オールインクルーシブの宿なので、滞在中の飲み物は全て宿泊料金に含まれます。部屋の冷蔵庫内のセレクションが面白くて、天然果汁の炭酸飲料、ビンのラムネ、スパークリングワインや地酒の日本酒、プレミアムなビールなど、どれを飲もうかとワクワクします。

部屋の露天風呂も森に開放されたワイルドなつくり。ぬくぬくとした部屋から勇気を出して零下のデッキへと歩み出て、たどり着く温泉がこれまた至福。冬の森のだいご味を楽しみます。自家源泉かけ流しの温泉は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。塩類成分が皮膜となって肌をベールのようにおおい、しっとり保湿して、温泉の熱を逃がさず、体の芯までぽかぽかと温まります。
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地元県内でずっとチェックしていた。。
憧れの『雀のお宿』❣️です。
この投稿をみて‼︎
やっぱり、ひとり頑張っている自分に、
この宿で、ご褒美します✨