「私は聞いていない」 若手・中堅社員が巻き込まれる「報告会議」

「すべて把握」本当に必要なのか
スコラ・コンサルトが支援した会社でこんな会社があった。
社長が月に1回参加する会議があった。取締役から部長クラスが集まって、各部門の事業についての進み具合を報告する。参加部門が多いため、状況を報告するだけの会議だが、かなりの時間がかかる。
前月とあまり変わらない状況であっても、丁寧に説明が繰り返されるため、ほとんどの参加者は「早く会議が終わらないか」と思っている。

あるとき、ある参加者が「変化があったときだけ報告するなどの工夫が必要ではないでしょうか」と勇気を振り絞って提言した。すると、社長は「私はすべてを把握したいからだめだ」と即座に却下した。しかし、その社長は自分の決断力のなさに悩んでいる社長でもあったという。集めた報告が決定に結びつかないことが多いのだ。
会議で会社の幹部や管理職が現状を把握することは大切だろう。若山さんによると、急激な社内外の変化にとまどいを覚え、どうすべきか判断に苦しんでいる管理職も多い。そんな時代だからこそ、一方的な報告ではなく、世代を超えて、双方向のやりとりが発生する「相談」が会議でできるかどうかが、重要なポイントになってくる。序列の構造を乗り越える風通しの良さが組織にあるかどうかが、会社の明暗を分けるのだろう。

流通小売業の経営を経て「ひとが生き生きと働ける素敵な組織をひとつでも多く増やしたい」との夢を持って、スコラ・コンサルトに入社。共著「オフサイトミーティング 仕事の価値を高める会議」では「本当に話すべきことを本音で話すのが会議の生産性」と語る。スコラ・コンサルト「対話普及チーム」のメンバーとして、話し合いの企画・設計、当日の不測の事態への対応法を誰にでもわかりやすく、くわしく親切に語り伝えている。現在、「人と地球を食でつなぐ」をコンセプトにした八百屋も営む。
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すべてを把握したうえで決断できていなのに、経営が破綻していなくて、まだまだつぶれそうにないのは、それだけ余力のある会社と言うことか?
先代の社長に感謝!