「私はこう思う」。いまファッションで表現するということ【パリコレ編】
シトウレイです、こんにちは!
ちょうど2月の末から3月の頭に世界最大のファッションの祭典、パリコレがありました。パリでは完全にアフターコロナなムードの中、世界中から人が集まり前回以上に盛り上がっていました! 水際対策も緩和され、ワクチンを接種済みの私の場合は出入国時の隔離もなく、いつもと変わらぬ感覚で渡航ができました。今回は、日本ではほぼレポートされない、パリの現地で生の声を聴いて見て、撮って話して感じたストリートスナップレポートをお届けしたいと思います。

コレクション会場は一言でいうと色の洪水、カラフルの泉! 赤、青、緑、紫に黄色、ヴィヴィッドな色味で身を包んだ人たちがあふれていました。前回もお話しさせてもらいましたが、「カラー・オン・カラー」のスタイリングは依然白熱、なんならもっと拡大中! 性別年齢関係なくカラフルな色味で身を包み、気分が上がるスタイリングを楽しんでいる人がとにかく多くて、見ていてハッピーな気持ちになりました。そして何なら自分も「チャレンジしたい!」という挑戦心がムクムク湧き起こり、結果オシャレ熱、いやが上にも高まってしまい止まりません。「ファッション楽しいー!」このフレーズを今回何度口にしたことか。

オレンジ×ピンク、グリーン×空色、パープルにイエロー、レッド×ブルー×グリーン……やはりカラフル×カラフルのちょっと勇気を出した色合わせが「今っぽさ(トレンド感)」につながっていることを感じます。
で! その中でも私が今シーズン一番印象に残ったカラー・オン・カラーの着こなしはこちら。

ブルー×イエロー。そう、ウクライナの国旗を彷彿(ほうふつ)させる色使い。ハッピーでカラフルな色使いですが、そこには彼らの持つ意思と、掲げるスタンスというものを強く感じます。
パリにいて肌で感じた一番のことは、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、ここヨーロッパは大陸で陸続きということもあり日本に比べて身近で、かつ自分事として捉えている人がとても多いということ。友達、恋人、仕事の仲間がこの侵攻の当事者だったりもする。そういった背景も踏まえ、今回ショー会場ではいろんな人がいろんな方法でこの問題に対する「自分のステートメント」を表現しているのが印象的でした。

意思や思想をファッションに投影させる。
サステイナビリティしかり、政治や社会における「私はこう思う」というステートメントをファッションを通じて表現する、というその姿勢がこれからのファッションのもう一つの「かっこよさ」の基準になっていくのだと思います。
つまり、ファッションは従来の「かわいい、きれい、かっこいい」って思われるだけが目的ではなくなってきている。「好きな服を着て幸せ♡」っていう自己満足だけでもなくなってきてる。服を着るその人が、社会や政治や環境問題といった自身の周りを取り巻く世界に対して「私はそれに対して何を思っているか」を発信するためのイージーで効果的なツールなんだ、という認識に意識が徐々に変わってきているな、ということ。

そしてその「自分自身の考えや想いをちゃんと持って発信している」というそのことが「これからのかっこよさ(=オシャレ)」になっていくんだろうと思います。
シャッターを切りながらそんなことを感じたパリコレの日々でした。
また次回お会いしましょう!