香里奈さん、自分らしくいられる時間から見つけたこと(後編)

30代だからこそ演じられる役
俳優としての幅もひろがっている。最近では、ドラマ『真犯人フラグ』で、謎のクレーマーである通称「バタコ」の怪演が「怖すぎる!」と大きな話題に。「楽しい!しかなかったですね」と笑顔が弾けたが、登場人物がことごとく怪しく、真犯人が最後の最後までわからない謎解きドラマゆえに、撮影現場は「少し特殊だった」と振り返る。

「半年撮影と長期間の連続ドラマだったので、前後の展開も結末もわからないまま演じたシーンもありました。後から脚本が届き『こういうことだったんだ!』と、演じている私自身が知る。そんな撮影現場でした」
コテコテの関西弁でまくしたてる「大阪王将」のCMも話題に。イメージを変えることに戸惑いはないのだろうか?
「『新たな一面』と言われますが、すべて私の中にある顔。これも香里奈、あれも香里奈だと、皆さんに驚いていただけたらうれしいですね」
役者は、年齢とともに演じられない役も出てくるが、逆に新たに演じられる役も増えていく。「30代は、実は演じる役が一番難しい時期だと感じています。20代後半なら、恋愛、結婚、仕事、どれを選ぶの?なんていう人生の選択に悩む役柄がはまるけれど、38歳の私がそれを演じるのは難しい。でも、そんな時期だからこそ演じられる役が必ずあると思っています。今回のバタコも今の私だから演じられたような気がします。私の中にあるいろんな顔を出していき、視聴者の期待をいい意味で裏切っていきたい」。
一方で、プライベートでは年齢を意識することはないという。
「もちろん、若いときのように勢いで乗り切れなくなったり、無理をすれば如実に肌に出ることもあります。ですが、気持ちと年齢は関係ないと思っていて、何歳になっても新しいことに挑戦できるし、ファッションやメイク、ヘアスタイルも自分が好きなものを選んでいい。30代だからこうでないと、40代になったからこうしなきゃ、っていう制限を自分にかけることはないと、私は思っています」

多様性の時代。女性の人生のカタチもさまざま。
「誰もが自分らしく楽しんで生きていける世の中になるといいなと、すごく思っています。私自身、自分らしさや個性はいくつになっても大切にしていきたいですね」
自分自信の変化を受け止め、変化に対して追従出来るようになればこの先とても有望です。色々な難役をこなし
幅広い女優さんになってほしいです。