会議の席順 いつもの席でないと落ち着かない

会議は相互のやりとりを通して、みんなでつくっていく
高度成長期、右肩上がりの大量生産の時代は、社長を頂点にしたピラミッド型組織が効率良く機能した。しかし、デジタル化が急速に進む社会では、変化に合わせた迅速な判断が求められるようになった。

Vladimir Kononok/Getty Images
また、消費者の好みは多様化し、斬新なアイデアやイノベーションが求められるようになった。肩書や立場を超えて生み出される社員一人ひとりの考えやアイデアが、組織にとってかけがえのない価値を生む時代になりつつある。
オフサイトミーティングでは、主催者や進行役が、一方的にそれぞれの発言者とやりとりをする「傘の骨形」というコミュニケーションにならないように意識してコーディネートする。そのかわりに参加者が立場を超えて、相互にやりとりする「星形」のコミュニケーションを目指す(=下図参照)。「会議は相互のやりとりを通して、みんなでつくっていく」という考え方だ。

筆者がこの話を高木さんから聞いたとき、これからの組織のあり方は、「星形」に変わっていくのではないか、と思った。上司やトップの言うことに従うピラミッド組織よりも、互いの思いを率直に述べて、助け合う組織の方が変化への対応力は高いと思うからだ。
ただ、実現は簡単ではない。まずは、部下は上司に「リーダーシップ」を求め、上司は部下に「ボトムアップ」を求めるような一方通行の関係性を乗り越えないといけない。ふだんの会議のあり方は、組織の競争力と直結するのだろう。

福岡県生まれ。スコラ・コンサルト「対話普及チーム」のメンバー。組織を活性化させる対話技術を磨く「マネジメント・ダイアログ・ジム(MDG)」や企業向けの「ダイアログ研修」「ファシリテーション研修」「チームの対話力向上研修」などを実施。東洋医学や禅などにも造詣が深い。ときに“楽しい場”をつくるため、ありがとうパワー研究所の有賀大蔵(ありがたいぞう)というキャラにも扮する。
変化の激しい時代、仕事の価値を高める会議を実現するには、どうすればいいのでしょうか。「気楽にまじめな話をする」というのがコンセプトの「オフサイトミーティングⓇ」を通して、企業の組織風土改革を進めてきたスコラ・コンサルトのメンバーに「会議のチカラ」を最大限発揮するために必要な知恵や考え方をわかりやすく伝授してもらいます。
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会議のための会議は意味がないですからね。
文殊の知恵を活かしたい