Lorenzo STYLE
連載をフォローする

イタリア製シンバルの響きに秘められた「歴史」と「遠心力」

ロトキャスティング製法によって作られたユーフィップのシンバル「クラス・シリーズ」 (提供:UFiP)

ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツをはじめ一流ドラマーに愛されるシンバル「ユーフィップ(UFiP)」。プレイヤーたちとともに華やかなステージでライトを浴びる背景には、ゆかりの地と切っても切れない歴史があった。今回は、その創業一族の人物との会話とともに、それをひもといてゆく。

イタリア製シンバルの響きに秘められた「歴史」と「遠心力」
米国人ドラマー、マイケル・ウルバーノとユーフィップ製シンバル(提供:UFiP)

メディチ家が振興した「鉄の匠」

ユーフィップ社はイタリア中部ピストイアにファクトリーを置く。「なぜ、この地でシンバルが?」という疑問を解くため、まず訪れたのは市内の楽器博物館であった。解説してくれたのはユーフィップ創業家のひとつ、トロンチ家の当主ルイージ・トロンチ氏である。

イタリア製シンバルの響きに秘められた「歴史」と「遠心力」
楽器博物館で館長を務めるルイージ・トロンチ氏。一家は18世紀のオルガン製作者に遡る(photo=Akio Lorenzo OYA)

館長でもある彼の話は、中世から始まった。「ピストイアの山岳地方は鉱物資源が豊富でした。そのため早くから金属の鍛錬が行われていたのです」

続く16世紀のトスカーナ大公国時代になってもピストイアの繁栄は続いた。「エルバ島から鉄鉱石がピサ港経由で上陸するようになっても、街は鍛造加工場としての役目を果たし続けたのです」

ただし、19世紀になると隆盛に陰りがみられるようになった。高い熱量をもつコークスを用いた炉が欧州各地で普及し、競争力を失ったのが原因だった。

しかし、金属加工の伝統は絶やされなかった。20世紀初頭、ジェノヴァのサン・ジョルジョ社によって鉄道車両工場が市内に開設された。この施設は第2次世界大戦後、重工業メーカー「ブレダ(のちにアンサルド・ブレラ)」の所有となり、2015年には日立製作所傘下の「日立レール」となって今日に至っている。

イタリア製シンバルの響きに秘められた「歴史」と「遠心力」
楽器博物館には、トロンチ製以外でも、ピストイアで作られた楽器が多数収蔵されている。これはプッチーニのオペラのため作られたタムタム(photo=Akio Lorenzo OYA)
NEXT PAGEパイプオルガンによる繁栄と衰退

REACTION

LIKE
COMMENT
1
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら