部長の手帳は会議でびっしり 「アリバイ会議」の弊害

最も価値があるのは、アイデアが出てくる会議
レベルゼロ以外にはどんなレベルの会議があるのだろうか。スコラ・コンサルトの対話普及チームが定義する会議のレベルは全部で四つある。
レベル1は「情報伝達会議」。管理職や上司が会議を主催し、部下から情報を集め、上司が決断する会議だ。上司が部下に指示をして仕事がまわっていく「ピラミッド型組織」が前提になっている。レベルゼロと違うのは、部下から上司に情報の伝達は正確に行われ、上司が責任を持って決断をする流れがあることだ。
レベル2は「情報共有会議」という。上司やボスによるマネジメントではなく、「チーム・マネジメント」が前提となっている会議だ。上司も部下も序列を離れて、フラットな関係で情報を共有し、意見を出し合い、聞きあう。活発な議論を通して、情報を共有する会議だ。
最も意義のあるレベル3は「アイデア創出会議」だ。メンバー間の深い情報共有に加え、会社の成長につながるような新たなアイデアが対話から生まれる会議だ。答えがまったく見つけられない状態から始まり、問題や課題の設定、コンセプトの策定、解決策の発見が行われる。
画一的な大量生産の時代は、社長を頂点にしたピラミッド型組織が効率良く機能した。しかし今や、デジタル化が進み、消費者の好みは多様化し、斬新なアイデアや社会課題の解決などが求められるようになった。
世代を超えて、手を挙げた人がリーダーとなり、共感する仲間たちとビジネスを育てていく。縦ではなく、横のつながりを重視する組織の方が、時代の変化に対応しやすい。そんな昨今の状況を考えると、レベルゼロやレベル1の会議からは脱却すべきなのだろう。

福岡県生まれ。スコラ・コンサルト「対話普及チーム」のメンバー。組織を活性化させる対話技術を磨く「マネジメント・ダイアログ・ジム(MDG)」や企業向けの「ダイアログ研修」「ファシリテーション研修」「チームの対話力向上研修」などを実施。東洋医学や禅などにも造詣が深い。ときに、”楽しい場”をつくるため、ありがとうパワー研究所の有賀大蔵(ありがたいぞう)というキャラにも扮する。
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