永瀬正敏フォトグラフィック・ワークス 記憶
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(161) 海でのタフな撮影の思い出 永瀬正敏が撮った台湾  

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回も、映画ロケで訪れた台湾の金門島です。海上で撮った一枚の写真が呼び起こした、若き日の思い出とは?

(161) 海でのタフな撮影の思い出 永瀬正敏が撮った台湾  
©Masatoshi Nagase

本物の海を使った映画撮影はなかなかタフなものがある。

船が走り去るシーンで一度NGが出るとすぐには再開できない。
船は急には方向を変えられないので、
スタート位置に戻るまで時間がかかってしまう。
潮の流れに逆らえず、ポジションが移動してしまうこともあれば、
撮影の合間合間に待機する場所もない。
一度沖へ出てしまうと、長時間、陸には戻れなくなる。

役者が乗船しお芝居をする船、それを撮影するカメラ船、
何か起こった時の救助船やレスキューの方々、
関係各所への許可取り……等々、たくさんの前準備がいる。

もちろん時化(しけ)ていれば船自体を出すことができない。
その日の撮影は延期になってしまう。
天候に左右されることも多いのだ。

若い頃タイの映画に出演した際、海のシーンがあった。
船上のお芝居に加えて、ダイビングシーンもあった。
ダイビングはその撮影の前まで一度もやったことがなく、
しかもウェットスーツではなくて普通の服でのダイビング……。
服のままだとなかなか思うように泳げない。

意思の疎通も海中だと難しい(当時は特に。良い機材もなかったし)。
しかもフィルムチェンジ(当時はデジタル撮影ではなくフィルム撮影)の際は、終わるまで海底の岩にしがみついて待機したり、
ボンベの空気がなくなるギリギリまでずっと海中で撮影したりしていた。
その繰り返しだった。

しかし……出来上がりを見ると、苦労して撮影したその海のシーンは、
あっさりまるまるカットされていた……。
まぁ、こういうことはよくあるのだけれど、
あの時はさすがに残念だった思い出がある。

海での撮影はなかなかタフなのだ。

(台湾・金門島の海上にて スマートフォン撮影)

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