ポップアップルーフでファミリーユースに対応 明るい室内「TWIN SPORTS」

ヨーロッパのキャンピングカーは、日本とは道路事情もキャンプスタイルも違いますから、日本製に比べてサイズの割には就寝定員が少ない印象をお持ちの方も多いかもしれません。しかし、最近のヨーロッパ車は、2段ベッドやプルダウンベッドなどを備えた、就寝定員の多いレイアウトのモデルが増える傾向にあり、変化がみられるようになってきています。
ふたり旅仕様からファミリータイプへ
就寝定員を増やす手法の一つとして、ポップアップルーフがあります。この仕組みは国産車でもおなじみで、小さい車両のスペースを効率よく使うためのものです。ヨーロッパでは、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツの小型バンやワゴンに装着されてきましたが、最近では一回り大きいフィアット・デュカトにも装備するモデルが見られるようになってきました。今回ご紹介するデルタリンクが輸入販売するスロベニア製のキャンピングカー、アドリアの「TWIN SPORTS」も、その一つです。

もともと、アドリアには「TWIN」というバンコンのシリーズがありました。すべてフィアット・デュカトベースですが、ポップアップルーフはありません。そもそもデュカト(ハイルーフ)は車内高が約1900mmあるため、車内で立てるだけの余裕があり、就寝定員のことを除けばポップアップルーフは不要だと考えられていたのです。
このTWINにポップアップルーフのついたモデル、「TWIN SPORTS」がデビューしたのは2021年(全長6363mmの640SGX)。2年目の今年はさらに3モデル増えて全4タイプの展開となりました。3モデルは、600SPB=全長5998mm(日本でも乗りやすい短めサイズ)。640SGと640SLB=いずれも全長6363mmで、2021年デビューの640SGXとはレイアウトが違うタイプです。

TWINの「600SPBGB」「640SGX」「540SP」「600SPB」は、就寝定員は2人です。TWIN SPORTSはポップアップルーフの装着によって、就寝定員は4人となり、ファミリーユースにも対応できるようになったというわけです。
見晴らし抜群なポップアップルーフ
室内高が高くなることがポップアップルーフの利点です。TWIN SPORTSの場合、ベース車両(フィアット・デュカトのハイルーフ)は、室内高が約1900mmありますから、もともと高さは十分です。その目的は2階部分の増設にあります。ベッド展開できる寝室が2階に一部屋増えた、というイメージです。ただ、ポップアップルーフへの開口部はあまり大きくなく、専用のはしごで昇り降りします。
そのポップアップ部分は三方にはメッシュスクリーンを装備。正面(進行方向)の1面は全開にすることもできるので、見晴らしも抜群です。ポップアップルーフを展開したときの天井の高さ(車の屋根からポップアップルーフの天井まで)は約1mなので、大人が座って過ごせるサイズ。見晴らしのいい一部屋として、就寝以外の時間にも活用できそうです。
ベッドサイズは2000mm×1300mmとたっぷりサイズ。ベッドマット下には樹脂製のスプリングマットも備わり、寝心地も抜群です。

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ポップアップループからの景色は最高でしょうね!
窓が大きくて車内が明るいと閉塞感がなく、より快適に過ごせそうです。