野村友里×UA 暮らしの音
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野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」

京都のお宿、美山荘。肌寒いその日の到着時にだされた焼きたての温かい草餅

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里さんと、現在カナダの島で暮らす歌手UAさんの往復書簡「暮らしの音」。UAさんの「ねぇ、ときめいてる?」の問いかけに、野村友里さんがトキメキについて感じたことをつづったお返事です。

UAさんの手紙「あなたの見る夢、見たい世界は?」から続く

うーこ 

新緑の早月(さつき)ですね。カナダと日本の五月は違う? 地球のどこにいても新緑やお天気のいい季節を喜ばない人間はあまりいないわね。真新しい芽や葉っぱをみているとキラキラしているなーと景色に目を細めています。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
soilの庭。蜂、ちょうちょ、黄金虫、などなど虫が飛び交っております

ところで最近うーこはトキメイていますか? 耳をダンボにして聞きたいわ。そして最大の悩みは? ちょっと前は朝ドラにハマってよく泣いていたと言っていたけど。

私はどうだろうか? 頭と心の中をのぞいてみる。まずはこの1カ月でトキメイたこと五つくらいをパッと思いかえしてみる。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
お餅ほっぺ(写真左)と、友達ののんぼりくん

・1歳の男の子のこぼれ落ちそうなお餅ほっぺを両手でささえたこと。
・3歳の男の子が新しく通った保育園におともだちがいなかったから「あそんでちょうだい」とつぶやかれ、遊んだら別れ際に別れがたく大粒の涙がこぼれたこと。
・10歳の(今のところ友達と思われている)男の子に好きな子ができて、この上なくうれしそうな笑顔で並んで写っているお誕生日会の写真が送られてきたこと。
・ボンバーくんの新玉ねぎで作ったスープがすごくすごくおいしかったこと。
・GEZANの野音のライブがとてもよくて自分が楽に強くなれたような気がしたこと。
・須浪さん(須浪亨商店)が作ったいぐさで編んだ卵入れが可愛すぎたこと。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
須浪さんのいぐさ。卵ともともとスイカをいれたカゴのバッグ

逆に落ち込んだこと。
・ウクライナの戦場の写真。
・自分なりに今なお戦争が起こる原因を考え自分も決して無関係といえないということ。
・毎日目に耳にしてしまう事件のニュース。特に子供の虐待やイジメ。
・レストランの横に建つ商業ビルが日に日に窓からの光を遮り、とうとう窓からビルの壁しか見えなくなったこと。
・情報を気にしたり自信をなくしたり嫌なものも相変わらず多くて、なかなか達観した域に成長できていない自分をしみじみ感じる時。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
お店に行く度に季節の移ろいにハッとする。隣は再開発、緑の木は一本も生えてない

書きだしてみるとどうなの私? この五つ? と自分自身につっこみどころ満載ですが……。

最近に始まったことではないけどまたここにきて周りでヴィパッサナー瞑想(めいそう)合宿に行く人が多くてね。自分の本当の奥の方に眠っている自分を明確に知りたいのか、瞑想で得られるとされている“生きる技”に出会いに行っているのか。

今はSNSの発展もあって自分の思考や感情、情報をどんな人でも発信してシェアしやすくなったけど、言えないこともたくさんあるじゃない? 本心の部分や疑問に思っていることは、誤解を招いたり反感をかってしまったりする恐れや、問題に発展することを心配して口をつぐむことも多いし言葉選びも慎重になる。当たり障りなく、余計なことはあまりしない方がいいのかなとさえ思うこともある。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
前回ご紹介した東京の千住ねぎのお店が、同じ畑で育てているシャクヤクを送ってきてくれました

うーこも知ってる私の仕事のパートナーであるいきちゃん。20年以上一緒に仕事を続けられる秘訣(ひけつ)はなんですか? という質問をよく受けるのだけど、明確な目標や理想をうたうより、どちらかというと
“嫌なものは嫌”
“ああなりたくないな”
という感じが一緒で消去法も多い。その箇所をわざわざ表にだすことはないのだけれども。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
六本木ヒルズ33階J-WAVEからの眺め(写真左)。出演もこの春で18年目になりました!

そしてお互い摩擦好き。思ったことは嫌な部分だけでなく感動したこともため込まずに伝える。思いやりも、やり過ぎなほどある。そのはみ出し気味の摩擦から生まれる+αの学びやモチベーションのエネルギーがなんと多いことかと思う。

言葉そのままを鵜呑(うの)みにせず、相手の顔、温度や醸し出していることを感じとれる距離感を持つことは大事なことねー! と思う。

と、トキメキ話からそれてきてしまったけど、トキメキって難しいこと考えなくて体や心の瞬発的な表れじゃない? だからトキメキがなくなるといろいろ自分をリセットしたくなるし自分に自問したくなる。

野村友里さん「トキメイたことを五つ書きだしてみる」
Coccoこと母は80歳。子供の頃に思い描いていた80歳は昔話に出てくるおじいさんとおばあさんの世界だった。今は人生80歳から!

本当の自分の悩みは? ただただ好きなことは? と改めて知りたくなる時は、耳を塞いで外からの情報を遮断したくなる。このあいだ私がうーこに呟(つぶや)いた、「彫刻やってみたいな」もその表れなのかもしれない。ま、母もよく「トキメキとはいわなくとも私は感動したいの」と口にだしている。”一生感動”みつを、よね。

では、しばらく長い日本滞在になるだろううーこのトキメキ&悩みの返事楽しみに待っています!

友里

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