メスティンの中身を衣替え unumPlate“至高の焼肉セット”

キャンプ好きのライター山城さくらさんが、ソロキャンプの体験や注目のキャンプギア、専門家に聞いたテクニックなどを紹介する連載コラム。今回はごっそりアイテムを入れ替えたという万能クッカー「メスティン」の新しいラインナップと、魅力をつづります。
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年中キャンプをしていれば四季を感じる瞬間なんて山ほどあるわけですが、先日ソロ用テントを引っ張りだして、あぁ暑い季節がやってくるなぁとようやく冬の終わりを感じました(今年は三寒四温がいつまで続くのかと思ったよ……)。
我が家では、冬は薪ストーブを使うために夫とふたり大きめのテントを使い、それ以外の季節は基本「ふたりソロキャンプ(ふたりで行くけどテントは別々)」にしています。
ソロ用テントを使うということは持ち物もソロ用に衣替え! といっても大げさなことはせず、単純に道具を減らしたり小さなアイテムを選んだりするくらいですが、今季は以前ご紹介した「メスティンの中身」をごっそり変えてみたので、今日はそのお話を。

メスティンは、多くのキャンパーが持っている万能なクッカーのことで、煮る・蒸す・揚げる・炒める・炊くの調理がこれ一つでOK。さらには行き帰り時に道具箱として重宝するなど、移動中もキャンプ中も常に何かしらに役立つというポテンシャル高めな銀色の箱なのです。
余談ですが人気ゆえに全く買えない時期があり、それでもどうしても欲しくてめちゃくちゃ高騰している時に某フリマサイトで買ってしまいました……なんで待てなかったんだあの時の自分。近頃は割とどこでも手に入るのでみなさんは定価でぜひ。
今回新たに取り入れたのは、福井の鉄板ブランドunumPlate(ユーナムプレート)の「至高のソロ焼肉セット」。

鉄板から五徳まで、キャンプ場で焼き肉ご飯を楽しむために必要な道具がほぼ全部メスティンの中にすっぽり収まります。unumPlateの代表は友人でもあるのですが、実は年間1万トンの鉄を切断加工する鉄のプロフェッショナル。至高の焼き肉セットについては製作過程から話を聞いていましたが、穏やかな雰囲気とは裏腹にモノづくりにかける想いがとても熱く(鉄板だけに)一般発売をずっと心待ちにしていました。
と、いつも通り前置きがとても長くなってしまいましたが、ようやく今季のレギュラーメンバーの紹介です!

鉄板、お皿、スクレーパー(鉄板を持ち上げたり焦げを落としたりする時に使用)、五徳、固形燃料!
まだスペースがあるので、ナイフと調味料も入りそうですね。
ちいさな箱の中にあれこれ詰め込んで、山へ川へ。鉄板もクッカーも山ほど種類がある中でこれじゃないとダメなんてことは全くないけども、やっぱりこれだけで焼き肉ごはんが楽しめるのは便利だし、この計算されたきっちり収まる感じがとても気持ちがいい。

昔、とある方から「“経年劣化”ではなく“経年変化”するものを選ぶと、モノはもっと楽しくなるよ」と教わりました。以来それをずっともの選びの指針にしているのですが、unumPlateのプロダクトはまさにそれ。
素材からこだわっているため、なかなかいいお値段はしますが、それでもいいと思えるくらい使い込んだ後の変化が楽しみなのです。ガシガシ使い込みしっかりお手入れしたものにこそ美しさが宿ると信じています。まだ新品でピカピカなのでこれからが楽しみ。まあunumPlateの鉄板は錆(さ)びにくい加工が施されているのでお手入れほぼ不要なのですが……。
鉄板には、使用するにつれ剝がれていくテフロンなどの樹脂コーティングは使用していません。代わりにショットブラストで表面に細かな凹凸を形成することで、油馴染みをよくしています。使い始めのシーズニングも不要で、使えば使うほど食材がくっつきにくくなる。鉄本来の美しさや性能を引き出す鉄板専門ブランドのこだわりです。
unumPlate商品説明より引用


鉄板の厚みは9mm! 分厚い鉄板って重たいのでこれまでずっと避けていたのですが、このサイズ感なら重さも許容範囲(ちょっと重いけどね)。
固形燃料で1~2分しっかり鉄板を温めたあとにお肉を載せることで、お肉の表面を一気に焼き締め、うまみを閉じ込めます。鉄板焼きレストランなんかでは極厚鉄板をしっかり熱してから焼くほど、鉄板の蓄熱量はおいしさに関係するようです。

チタン製の五徳は組み立て式。ものづくりの盛んな福井県で、地場産業を支えるチタン加工職人が選んだ純度の高いチタンは使うほどきれいに特有の色が入ります。アルコールランプも固形燃料も使えるのでお好みで。個人的には帰りの荷物が減る固形燃料が楽ですきです。

そして、最後は福井の伝統工芸のひとつ、“越前箪笥(たんす)”の職人がつくるウッドプレートと、国内外の有名ブランドのアパレルの縫製を手がける職人が、1枚ずつ手作業で仕上げたキルティングケース。熱に強い国産帆布を使用しているので、移動時のケース以外にご飯を蒸らす際の保温袋としても鍋つかみとしても使えます。

華麗なる職人衆がつくるアウトドアギア。ソロキャン派のみなさんいかがでしょうか。