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雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

東京都心から南へ287km。“八丈ブルー”と呼ばれる青く美しい海に囲まれた八丈島。常夏のイメージを持たれるが、じつは多雨の島でもある。そのおかげで高温多湿を好むシダ類の植物にあふれ、火山島であるこの島に色彩を添える。あいにくの空模様で青い海が見られなくても、八丈富士のお鉢巡りができなくても、自然を存分に楽しめるネイチャーアイランドだ。

雨を想定して旅の準備

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

八丈島は東山(別名三原山)と西山(別名八丈富士)のふたつの火山が接合したひょうたん型の島。島をぐるりと一周する「八丈一周道路」の総距離は約45km。車や信号が少ないので自転車での1周も可能だが、アップダウンが激しい。島内の移動はレンタカーをおすすめするが、運転免許を持たない人には1〜2時間に1本走っている路線バスや電動アシスト付きのレンタル自転車、またはタクシーがある。雨のことを考えて予定は柔軟に。自然がメインの島では持ち物や服装も対応できるように考えておきたい。

■準備のポイント

・八丈島へのアクセスは東京の竹芝桟橋から東海汽船で約10時間20分、または羽田空港から飛行機で55分。いずれも強風や悪天候により欠航になることもあるので、運行状況を確認すること。
・雨が多い島ではレンタカーが何かと便利。料金は軽自動車で一日4000円が相場。繁忙期はレンタカー不足になるので早めに予約すること。
・周囲は黒潮が流れており常に雲が湧きやすいため、空が晴れていても突然雨が降ることも珍しくない。雨を想定したプランBを用意しておく。
・温暖で多湿な気候で特に夏にかけて湿度が高くなるので、服装は速乾性と伸縮性のある素材がいい。カジュアルな軽登山ファッションが動きやすくてオススメ。レインジャケットと折り畳み傘も雨風対策として常備しておきたい。

八丈島に上陸、島ならではの自然を歩く

朝7時30分に羽田空港を飛び立つもジェット機でこの距離はあっという間。すぐに降下を開始し、しばらくすると島影が見えてきた。滑走路から見える島のシンボルである八丈富士はすっぽり雲に覆われている。

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

予約をしておいたレンタカー会社の主人によると、町から八丈富士の中腹にある「ふれあい牧場」が見えなければ山頂からの景色は望めない、というアドバイスをいただいた。ふれあい牧場は見えないが雲の切れ間から青空も顔を出していて、南国気分を誘うヤシの木が並ぶ直線道路も気持ちがいい。

ドライブがてら八丈富士の登山口まで車を走らせてみると、みるみる霧に包まれていく。登山口に到着すると、先は何も見えない。せっかくここまできたのだからと無理して登っても、霧中での歩行は事故やけがのもとだ。霧が晴れる気配がないので三原山へ向かうとする。

車で20分ほど走り三原山へ。この山の中腹に天候や日ざしによってエメラルド色に輝くという硫黄沼がある。その上流にある唐滝は島内最大の滝。唐滝遊歩道駐車場から唐滝までは約1.2kmのコースで、ハイキング気分で楽しめる。駐車場には登山届のQRコードが掲示されていて、八丈富士と三原山へ登山する場合は登山届を提出することになっている。

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島
遊歩道脇でフェニックス・ロベレニーの苗木が育てられている

遊歩道の脇には八丈島の産業を支えるひとつ、観葉植物として人気が高いフェニックス・ロベレニー(ロベ)の小さなプランテーション。高温で雨量の多い八丈島は、ロベの栽培に適しているのだ。

適度に整備された歩道を奥へ進むとだんだんと緑が濃くなっていく。姿は見えないがイイジマムシクイをはじめ鳥のさえずりがにぎやかだ。アカハライモリが地面をゆっくり歩いている姿が可愛らしい。道端には野生のハチジョウイチゴが白い花を咲かせていた。島では「さがりあび」と呼び、果実は橙黄色(とうこうしょく)でとても甘いそうだ。

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

20分ほど歩くと硫黄沼のサインが見えてくる。脇の階段を下りると薄い霧が沼のグリーンの水面を覆い、何とも神秘的な姿で迎えてくれた。沼に含まれる硫黄成分によって天候次第で色が変化するという。沼の奥には小さな滝も確認できる。

硫黄沼で神秘の世界を独占したら唐滝まで約20分のハイキング。この先は砂防堤の上までルートを見つけながら、急勾配をロープで登ったり、沢を渡ったりとプチ冒険気分を味わえる。何となく道ができているので迷うこともない。

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

沢を越えると滝の轟音(ごうおん)が聞こえてきた。落差36mの唐滝だ。常時落水する滝としては島内最大級。滝との距離が近く風で水しぶきがシャワーのように飛んできて気持ちがいい。岩壁に張り付いているコケも青々として美しい。

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

古民家カフェでまったり

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

小休止にぴったりの古民家カフェに到着。「古民家喫茶 中之郷」は八丈島らしい植物が植わる手入れが行き届いた庭が印象的。ゆっくりした気持ちいい時間が流れていて、このまま大の字になって昼寝がしたくなるほど。

メニューは明日葉を練り込んだシナモンロールや八丈レモンのシフォンケーキなど、季節の島の特産を使ったスイーツをはじめベーグルなどの軽食もいただける。島のお家に招かれたような体験ができる素敵なカフェだ。

■古民家喫茶 中之郷
住所:東京都八丈島八丈町中之郷1642-1
営業時間:10:00-17:00 木曜定休
電話: 04996-7-0502

夜は島料理

雨の日も退屈しない、グリーンパワーに癒やされる八丈島

八丈島の食事スポットは八丈富士と三原山の間の三根(みつね)エリアに集中している。島の郷土料理といえばすしネタをヅケにしてワサビではなくカラシを載せて握る「島寿司(ずし)」、ムロアジやトビウオの「くさや」、明日葉料理が知られている。

これらはすし屋や居酒屋など多くの飲食店でも提供されているが、島寿司は予約が必要な店もあるので事前に確認しておくといい。また、どの飲食店も席数は多くないので、お店の人や隣に居合わせたお客さんと気さくに話せるのも八丈島の魅力だ。

NEXT PAGE2日目の早朝ドライブ、八丈富士の様子は

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