全国からカレー好きが集まる「名店」「印度料理シタール」(千葉市・検見川)

今回は郊外に足を延ばして、千葉市・検見川の「印度料理シタール」へ。カレー通なら一度は名前を聞いたことがあるだろう有名店で、地元だけではなく、東京や関東近郊、いや全国からカレー好きが集まってくる。個人的にはもう20年近く通っているが、小さな店はどんどん大きくなり、3年前に建て替えて現在の席数に。それでも、開店と同時に次から次へと客が訪れ、1時間待ちは当たり前、客足が途切れることはない。
創業は1981年3月。オーナーシェフ増田泰観さんとインドカレーの出合いは学生時代に遡(さかのぼ)る。東京・九段(当時)の老舗「アジャンタ」で、アルバイトからスタートし、そのまま入社してシェフへ。結婚を機に学生時代に住んでいた検見川に店をオープンした。本場の味わいを大切にしながらも、日本人の舌にもなじみやすいように、いい具合にアレンジしたカレーを提供している。カレーのみならず、サラダ、タンドリーチキン、サモサやスープ、デザートまで、メニューがとにかく豊富で、そしてどれを食べてもおいしい。

欲張りな筆者は、カレー3種にタンドリーローストチキン、パパド、ハーフサイズのイエロークミンライス、ハーフナンと盛りだくさんの「スペシャルターリー」(3150円、以下税込み)をほぼ毎回注文する。3種類のカレーは、「マイルド」「ミディアム」「スパイシー」の3カテゴリーから選ぶことができる。パパドを細かく砕いて、ライスにトッピングし、いざカレーへ。創業当時からレシピを変えない「南インドチキンカレー」は、豊かなスパイスの香りの後に辛さが追随してくる癖になる本格派で、鶏肉を大きめのミンチにして、肉にスパイスが絡みやすいように工夫した「キーマカレー」も味わい深い。

満足度の高いターリーに加えて、今回大ヒットだったのが季節のカレー「白身魚の夏野菜カレー」(1550円)だ。マサラに漬け込んでふんわり柔らかに仕上げたメカジキと、カレーがしみ込んだナス、ピーマン、オクラ、トマトなどの夏野菜もさることながら、フェンネルとカレーリーフをぐっと効かせたルーが秀逸。ライスとの相性も抜群だった。

もうひとつ、ぜひ一度は味わってほしいのが、「レモンライス」だ。お替わり自由のライス(360円)に比べて930円と奮発ではあるが、カレーをアップグレードしてくれる絶品ライスだ。レモンとショウガを効かせたいわゆるピラフで、タマネギ、ピーマン、カシューナッツや干しブドウが混ぜ込まれている。米にはこだわりの農法の「ミヤマシジミ米」を使う。硬めに仕上げたターメリックライスに、野菜の甘みと旨み、カシューナッツの香ばしさ、さらに干しブドウの酸味と甘みが加わり、本当にスプーンが止まらない。都心から少々時間は掛かるが、間違いなく行く価値のある店だ。

印度料理シタール
千葉市花見川区検見川町1-106-16
043-271-0581
https://sitar.co.jp/