ゆったりとした室内空間と充実した装備が魅力のコンパクトバンコン

キャンピングカーは欲しいけれど、普段使いの車としても使いたい。ハイエースでは大きすぎるけれど、軽自動車ベースでは狭すぎる……。そんなニーズにこたえるジャンルとして人気なのが、コンパクトバンコンです。ベース車両はトヨタ・タウンエースと日産・NV200が双璧でしょう。
前回の記事で停泊時エアコンが装着された軽キャンピングカー、ステージ21(相模原市)の「リゾートデュオ バスキング アトレー」をご紹介しました。A3サイズ程度の室内機と車体下に収まる室外機の小型クーラー『One Cool 21』が導入されています。背景には家庭用エアコンは軽自動車に取り付けるには大きすぎ、機能面でもオーバースペック。予算面でも負担が大きい、という側面がありました。
ステージ21では、軽キャンピングカーより1クラス大きいコンパクトバンコンにも『One Cool 21』を装着することにしました。今回ご紹介する「リゾートデュオ ルクシオ プロ(以下ルクシオ プロ)」はその第一号です。このモデル、個性的なレイアウトでも人気なのです。その魅力をお伝えしましょう。

ゆったりとした二の字型ダイネット
コンパクトバンコンのベース車両は、トヨタ・タウンエースか日産・NV200。トヨタ・ハイエースや日産・キャラバンよりは小さい車のため、居室部分のレイアウトは制約も多くなります。
例えば人気の二の字型ダイネット。ロングソファでテーブルを左右から囲むので、「ゆったりと過ごせる」と人気です。しかし、これをコンパクトバンコンでやろうとしたら、お互いの膝を突き合わせるような状況になり、狭苦しくなってしまいがちです。このため、コンパクトバンコンでは1列ベンチ式ダイネットが主流です。つまり、車の片側はカウンターキッチンに、通路を挟んで反対側に一列ベンチで人が座るレイアウトです。
ところが「ルクシオシリーズ」には、二の字型の対面シートが採用されています。対面で座れ、1列ベンチよりゆったりとしています。なぜそんなレイアウトが可能なのでしょうか。

それはキッチンを最後部のリアゲート部分に配置したからです。「ルクシオ プロ」のリアゲートを開くと、いきなり目の前には、キッチンの背面が見えます。荷物を積むことはほとんどできませんが、シンクのシャワーノズルが引っ張り出せるので、汚れて帰ってきても外部シャワーとして使用できます。

キッチンをリアにまとめたおかげで、左右両側面とも座席として使用できることに。右側面はシートベルトつきで2人座れる横向き乗車座席に。左側面はスライドドアがあるので途切れるものの、ダイネット展開時はベンチ用のシート板を差し渡して、右側面と同じ長さのベンチになります。真ん中にテーブルを設置すれば、二の字ダイネットの完成です。

ベッド展開時は、室内幅いっぱいの横137cm×長さ180cm、2人就寝のベッドになります。

リアに荷物が載せられないことを気にする人もいるかもしれません。しかし、テーブルを外せば大きな居室空間になりますし、左右の常設ベンチ下は収納に。荷物は脇のドアから積むもの、と考えれば、普段使いにも支障はなさそうです。
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