オンライン会議 画面にネコが横切るぐらいがいい

スコラ・コンサルトの若山修さんが、オンライン会議に参加して感じるのは、参加した人たちが気持ちでつながり、本音で本気の話ができるようになるために必要な「気楽さ」が欠けていることだ。
オンライン会議の最中に飼っているネコが仕事部屋に入ってきて、「ニャー」と鳴く。マイクの音声はオンになってしまって、鳴き声を参加者に聞かれてしまった。そんなとき、「申し訳ございません」「ごめんなさい」とすぐに謝ってしまう人もいる。

会議の質を高めるきっかけになる「気楽さ」
若山さんによると、こうしたアクシデントは、逆に会議の質を高めるチャンスでもある。「気楽にまじめな話をする」という「オフサイトミーティングⓇ」のコンセプトの「気楽さ」を演出するきっかけになるからだ。
「参加者は『うちのネコなんです。会議のたびに登場してしまうんですが、かわいいでしょ』と紹介できるぐらいの気持ちに余裕があった方がいい。パソコンの前をネコが横切るぐらいがちょうどいいのです」と若山さんは説明する。会議の雰囲気が明るくなるし、自然と「気楽」な雰囲気になる。ネコを話題にした言葉のやりとり(雑談)によって、参加者同士の親密度も高まっていく。
筆者がオンラインで取材したとき、若山さんの書斎を飼い猫が悠然と通り過ぎる場面があった。「時間内に質問を要領よく終わらせないといけない」というプレッシャーを感じていて、気楽な状態とはいえなかった筆者に、心のゆとりが生まれたのは確かだ。
そもそも会議では「気楽のハードルが高い。もっと下げた方が本音の話が出来ますし、お互いの信頼関係が強まるきっかけになります」と若山さん。

オンライン会議では「ビデオはオン」「ミュート解除」を基本にしたほうが、参加者同士の親密度は高まるが、自宅の様子を見せたくない人もいる。そういう人には無理強いをすべきではない。それぞれの快適な状況を尊重することが大切だという。
また、オンライン会議では目線を合わせることが難しいので、名前をちゃんと呼ぶことも大切だ。うなずいたり、笑ったりと、できるだけ大きくリアクションをとることも、相手の話を聞いていることを示し、本音を引き出すために有効だ。
議論が盛り上がってくると、声が重なってしまうのは、オンラインならではの光景だが、若山さんは「声の重なりを気にしていると、話し合いが滞ってしまいます」。「よくあること」と割り切って、気にしないことが大切だという。
問題意識を短時間に共有できる「チャット機能」
オンラインの機能で若山さんが気軽に使うことをすすめているのが「チャット機能」だ。それぞれが何を考えていて、どんな問題意識を持っているのか。チャットに書いてもらうことで、それぞれの思いや考えを短時間で共有できる。

「では今、考えていることをチャットに書いて、せーので見せ合いましょう」。そんなかけ声とともに、同じタイミングで意見を出してもらう。読んでいるうちに、「あの人とは考えていることが同じなのか」「なるほど、そういう切り口の考えがあったのか」というように自然な流れでそれぞれの意見が共有されていく。チャット機能をうまく使えば、発言のタイミングがかぶさってお互いに気まずい思いをすることも回避できる。
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タイトルですが、日本語として正確なのは
画面「を」猫が横切る
ではないでしょうか?
他の記事を読んでいても告知でこのタイトルが画面にしょっちゅう出てくるので、目に入る度にモヤモヤします。
ゆみさま
この記事の編集を担当しています古屋と申します。
丁寧にお目通しいただき、感謝申し上げます。
ご指摘の通り、ネコを飼っている側の視点で表現しますと、「パソコン画面の前をネコが横切る」が正確になると思います。ただ今回は、私がオンライン取材中、「取材先のネコがパソコン前を横切った様子が、私のパソコン画面に映り込んだ」ことで、私自身、気持ちが和んだことをエピソードとして描きました。その意味では、相手方の画面にネコが登場することが大事な要素と考え、このような見出しにいたしました。
ただ、ご指摘をいただきまして、視点をどこに定めるかによって、物事の見え方や表現が変わるということに気づかされました。いろいろと考えを巡らせるきっかけをいただき、大変ありがとうございました。
ほのぼのとしていて、羨ましく感じました。うちの会社は固いので、絶対そのようなことは起こりえない、だろうなと思いました。ビデオも大抵オフですし、はやく改善できたらいいなと思います!