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洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」

かつてのZを彷彿させるスタイリングが目をひく

フェアレディZといえば“昭和”を代表するスポーツカー。いまも1969年に発表された初代の熱心なファンが存在するほど。1月に日本で発表された7代目は「ずっとZを愛してくださっているファンの方のために作りました」と日産自動車。

どこが「ファンのため」かというと、ひとつはスタイリングだ。私が実車に接したのは、7月。日産が北海道に持つテストコースで試乗のチャンスをもらったときだ。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
ファストバックスタイルは初代からずっと継承

「シルエット(横からの輪郭)、グリル、ヘッドランプ、リアコンビネーションランプなどに、歴代Zのなかでもとりわけ人気が高い初代であるS30と、89年発売の4代目のZ32のデザイン要素を取り込んでいます」

新型Zのデザインのとりまとめを担当した、プログラムデザインダイレクターの入江慎一郎氏は、試乗のときに説明してくれた。

もうひとつは、走行性能。スカイライン400Rと共用の3リッターV型6気筒エンジン(298kW/405ps)を搭載した後輪駆動。1月までチーフプロダクトスペシャリストとして、GT-RとZの企画を率いてきた田村宏志氏は、新型Zを「ダンスパートナー」と表現している。

ダンスパートナーって、自動車界ではあまり耳にしない言葉だ。田村氏によると、GT-Rはモビルスーツなんだそう。テストコースで新型Zをドライブさせてもらった私の解釈としては、ひらりひらりと軽快感のある操縦性能ゆえ、ドライバーがクルマとダンスを踊るように楽しめるってことなのかもしれない。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
乗車定員は2名と割り切っている

シャシーは、従来型のものを基本的には使用。エンジンとギアボックスと安全設計で重くなったぶん、軽くできるところは徹底的に軽量化をはかり、同時に効果的に補強を入れるなどして、剛性を高めているという。

私がドライブしたのは、6段マニュアル変速機搭載モデルと、新開発の9段オートマチック変速機搭載の2車種。なんでも購買層の4割がMTを選んでいるというデータもあるとか。今回は、ゲート感を明確にしたり、シフターの動きをよりなめらかにしたりと、日産ではMTを愛するひとのために手を入れたそうだ。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
人気が高いという「イカズチイエロー」の車体色

運転してみると、たしかに楽しい。7000rpmがエンジンのレッドゾーン。マニュアル変速機だと、そこまで簡単に引っ張ることが出来る。ぐんぐん加速していって、最後は、メーター内に設けられたシフトアップインジケーターが“ここが限界だよ”とばかり赤色になるのが目の端に映る。これがスポーツカーの醍醐(だいご)味なのだ。

エンジンを開発したひとに聞いたところ、「スカイライン400Rでは最大トルクが出る回転数の上限が5200rpmですが、新型Zではなんとか5600rpmに上げて、ぎりぎりまで加速を楽しめるようにしています」とのこと。実際そうなのだ。

一方、オートマチック変速機は、洗練されていて、Zのもうひとつの魅力に貢献している。ダイムラーから図面の特許を買って、「自分たちの理想に合うよう、およそ80パーセントを設計しなおしました」(トランスミッションの担当者)というもの。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
カーマインレッドとブラックの2トーンも用意される

運転者目線でいうと、475Nmもの大トルクが1600rpmと低回転域から発生するため、ギアの多段化はあまり必要ないようにも思う(燃費の面では貢献するだろうからそこは評価する)。それでも、「各ギアがスムーズに連携してトルクが途切れないように心を配りました」(前出のエンジニア)というだけあって、加速も減速も超がつくほどスムーズ。

ステアリングホイールの操作に対するスムーズな車体の動きと同時に、アクセルワークへの反応がよく、目を三角にしてドライブする必要はない。ある種の洗練性の高さが、Zがずっと持ち続けてきた特徴なのだと、私はあらためて感じた次第。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
3連サブメーターは「どの角度からでも美しい造型」とデザイナー

試乗会場には、日産自動車の内田誠社長がふらりとやってきた。学生時代は映画「トップガン」で人気の出たカワサキ・ニンジャシリーズのGPZ750Rに乗っていて、社会人になってから憧れていたZ32(4代目フェアレディZ)を買ったというクルマ好き。

新型Zについても満足の模様。「(日産のラインナップは)ダイバーシティ(多様性)が価値だし、私は内燃機関(エンジン)がずっと好きなので、選択肢のひとつとして持ち続けていたいですね」とのことだった。

洗練されたスポーツカーの醍醐味が味わえる新型「フェアレディZ」
リアコンビネーションランプは、人気の高いZ32からのモチーフ

フェアレディZは、まず「Proto Spec」なる限定仕様で、240台発売される。イエローをテーマカラーにしていて、さらに、19インチの鍛造ホイール(ゴールド)などをそなえる。MTとATともに、価格は696万6300円。

Proto Specに加え、「ベーシックモデル」(6MTと9ATとも524万1500円)をはじめ、「バージョンS」(MTのみで606万3200円)、「バージョンT」(ATのみで568万7000円)、「バージョンST」(MT、ATともに646万2500円)が登場。

あいにく、部品の供給不足のため、日産自動車では7月19日に、新型フェアレディZの受注を7月末日に一時的に停止すると発表。再開の時期は「改めてご案内」するという。私だったらATを選ぶかなあ。ぜひ体験して自分のZを選んでください。

写真=日産自動車提供

【スペックス】
車名 Nissan Fairlady Z
全長×全幅×全高 4380×1845×1315mm
エンジン 2997ccV型6気筒ターボ 後輪駆動
最高出力 298kW@6400rpm
最大トルク 475Nm@1600〜5600rpm
価格 524万1500円〜

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