京都ゆるり休日さんぽ
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安藤建築の粋、新感覚ステイ 旧任天堂本社の改築ホテル「丸福樓」〈後編〉

任天堂ファンの「聖地」であり、長年空き家となっていた旧任天堂本社が、スモールラグジュアリーホテルとして生まれ変わった「丸福樓(まるふくろう)」。前編では、歴史と文化の香り漂う空間と、ここでしか味わえない料理とレストランをご案内しました。後編では、多彩な客室と、宿泊、食事、喫茶やバータイムなどをすべて含めた、オールインクルーシブプランならではの楽しみをご紹介します。

暮らすように、小さな旅にでかけるように、自然体の京都を楽しむ。連載「京都ゆるり休日さんぽ」はそんな気持ちで、京都の素敵なスポットをご案内しています。

タイル張りの暖炉、直筆のサイン、個性豊かな客室

スイートには任天堂のトランプと花札が置かれている。備品として貸し出しも可能
スイートには任天堂のトランプと花札が置かれている。備品として貸し出しも可能

全18室ある客室は、任天堂創業期の趣を残した内装から、デザイン・監修を務めた建築家・安藤忠雄氏の哲学と遊び心を感じられる部屋までさまざま。多くの部屋には随所に、旧社屋の象徴的カラーであるモスグリーンのインテリアが取り入れられています。

泰山タイルを使った暖炉や天井装飾など、既存の意匠を残した「スーペリアキング」
泰山タイルを使った暖炉や天井装飾など、既存の意匠を残した「スーペリアキング」

任天堂の創業家である山内家の旧住居棟(ハート棟)には、居住空間のほか、国内外からの来賓を迎えるゲストルームもありました。住まいとしての親密さとゲストへのホスピタリティーを併せ持った、クラシカルなムードがこの棟の最大の魅力。廊下や階段のステンドグラス、和洋折衷の内装、部屋ごとに異なる意匠の暖炉など、これまで一般公開されたことのなかった邸宅の内部に、足を踏み入れることができます。

新築棟の「レジデンシャルスイート」。安藤建築の特徴でもある打ちっぱなしコンクリートの柱と開放的な採光が心地よい
新築棟の「レジデンシャルスイート」。安藤建築の特徴でもある打ちっぱなしコンクリートの柱と開放的な採光が心地よい
新築棟の客室には気まぐれに安藤氏のサインが。どの部屋にあるかはお楽しみ
新築棟の客室には気まぐれに安藤氏のサインが。どの部屋にあるかはお楽しみ

安藤建築のクリエーティビティーを感じたいなら、新築棟(ダイヤ棟)の一室を。一面の窓から外光を取り入れるクリーンでコンテンポラリーな空間構成は、安藤氏の身上。中には壁にサインが記された部屋もあります。そして、氏の遊び心が存分に発揮されているのが、3階にもかかわらず「401」と記されたルームナンバーのプレート。

3階にある「401」のルームナンバー。扉の向こうに「丸福樓スイート」へと続く階段が現れる
3階にある「401」のルームナンバー。扉の向こうに「丸福樓スイート」へと続く階段が現れる

扉を開けると隠し通路のごとく、上階に続く階段が現れます。キーを持つ人だけに開かれる入り口の先に、待ち受けるのは「丸福樓スイート」。旧社屋のクラシカルな内装と新築棟の洗練されたインテリアが隣接する空間に、東山を一望するルーフトップテラスを備えた、このホテルの魅力を味わい尽くす一室です。

モスグリーンのじゅうたんとソファをしつらえた「丸福樓スイート」のリビング。寝室は安藤氏らしいシンプルで洗練された空間
モスグリーンのじゅうたんとソファをしつらえた「丸福樓スイート」のリビング。寝室は安藤氏らしいシンプルで洗練された空間
「丸福樓スイート」宿泊者だけのプライベートテラス。東山から京都駅方面まで見渡せる
「丸福樓スイート」宿泊者だけのプライベートテラス。東山から京都駅方面まで見渡せる

旅の宿泊は「泊まる」から「過ごす」へ

滞在中、自由に利用できるラウンジでは、喫茶、軽食のほか、ワインやウイスキーなどアルコール類も好きにいただける
滞在中、自由に利用できるラウンジでは、喫茶、軽食のほか、ワインやウイスキーなどアルコール類も好きにいただける

空間やもてなしはもちろん、歴史や文化をも体験するこうした宿泊施設は、旅において「泊まる」というより「過ごす」という感覚に近いかもしれません。時間を取られがちな移動やリサーチを、ホテルで快適にまかなうことができたら。そんな願いをかなえるのが、オールインクルーシブの宿泊スタイルです。

チェックアウト時の昼食メニューより「オムライス」。こちらも細川亜衣氏の監修
チェックアウト時の昼食メニューより「オムライス」。こちらも細川亜衣氏の監修

「丸福樓」のオールインクルーシブプランでは、滞在中のラウンジでのドリンクやスイーツ、レストラン「carta.(カルタ)」での夕食、ライブラリーやラウンジのバーでのアルコール、翌日の朝食とチェックアウト後の昼食まで、すべてが含まれます。喫茶店やバーを探す必要も、移動に時間を取られることも追加料金を気にすることもなく、京都で、名建築で「過ごす」ことに没頭する。そうして生まれた時間を、ホテルでは味わえない景色や体験に費やすこともできるのです。

オールインクルーシブで2人1室66000円(税込み、時期により変動)~。「夕食は好きな店で」というリクエストに応え、夕食なしプランなども
オールインクルーシブで2人1室66000円(税込み、時期により変動)~。「夕食は好きな店で」というリクエストに応え、夕食なしプランなども

老舗の旅館や町家宿、デザイナーズホテルなど、京都ステイの選択肢はどんどん多様化しています。歴史と文化が息づく街でありながら、時代を読み、新しいものを積極的に取り入れる気風もまた、京都らしさ。世界中から愛されるエンターテインメントを創出してきた任天堂の歴史も、日本を代表する建築家や料理家のクリエーティビティーも、これからの時代の旅のスタイルも、今もっとも旬な「京都らしさ」を感じる要素に違いありません。

前編〈旧任天堂本社がホテルに 「丸福樓」の建築美と料理、文化を体験〉はこちら

■ 丸福樓 https://marufukuro.com/

フォトギャラリー(クリックすると、写真を次々とご覧いただけます)

BOOK

安藤建築の粋、新感覚ステイ 旧任天堂本社の改築ホテル「丸福樓」〈後編〉

京都のいいとこ。

大橋知沙さんの著書「京都のいいとこ。」(朝日新聞出版)が2019年6月7日に出版されました。&Travelの人気連載「京都ゆるり休日さんぽ」で2016年11月~2019年4月まで掲載した記事の中から厳選、加筆修正、新たに取材した京都のスポット90軒を紹介しています。エリア別に記事を再編して、わかりやすい地図も付いています。この本が京都への旅の一助になれば幸いです。税別1200円。

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