海の見える駅 徒歩0分の絶景
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湘南の海を望む二つの小さな無人駅 鎌倉高校前駅と目白山下駅

鎌倉高校前駅からは相模湾と江の島がすぐそばに見える

神奈川県を代表する観光地のひとつ、湘南の江の島。その近くにも、海の見える駅がいくつかある。中でもホームからの眺望に優れているのが、江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅(鎌倉市)と、湘南モノレールの目白山下駅(藤沢市)だ。どちらも相模湾を望める無人駅で、直線距離でも1キロほどしか離れていない。しかし、実際に訪れてみると、それぞれ趣のまったく異なる情景があった。(訪問:2022年1月)

連載「海の見える駅 徒歩0分の絶景」は、アマチュア写真家の村松拓さんが、海のそばにある駅で撮った写真を紹介しながら、そこで出会ったこと、感じたことをつづります。

フォトジェニックな光景に人が集う、鎌倉高校前駅

最初に向かったのは「江ノ電」こと江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅。江ノ島電鉄は藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ全長10キロの路線で、鎌倉高校前駅はそのほぼ中間地点にある。

休日の昼、藤沢駅から江ノ電のずんぐりとした小さな車両に乗り込む。早々に観光客や地元の方で席が埋まった。

江ノ電は乗っているだけでも十分に楽しい。くねくねと住宅の間を縫って進んでいったかと思えば、道路の真ん中を路面電車のように走り抜ける。そして途中の腰越駅を過ぎると、右手の視界が一気に開け、きらめく相模湾が目に飛び込んだ。車内からも「ねえ、海だよ」という声。車窓いっぱいに海と青空が広がり、その間には水平線が伸びる。さっきまでの狭隘(きょうあい)な風景とは正反対の開放感だ。

美しい車窓はそのままに、列車は鎌倉高校前駅に到着。筆者を含め、20人ほどが一斉に下車した。景色を覆うようにとまっていた列車が去ると、相模湾と江の島が目に入った。

鎌倉高校前駅のホーム。眺望もさることながら、木製の上屋も味がある
鎌倉高校前駅のホーム。眺望もさることながら、木製の上屋も味がある

海と駅の間には国道134号が通るものの、視界をさえぎる建物はない。西は江の島のはるか向こうの伊豆半島から、東は三浦半島まで、180度の大パノラマが広がる。この日は空気が澄んでいたこともあり、遠く60キロほど離れた伊豆大島まで見えた。

江の島や鎌倉の観光地に近いこともあって、国道には絶えず車が行き交ううえ、列車の本数も乗客も少なくはない。海の見える無人駅としては、国内でも屈指のにぎやかさだと感じる。しかし、背の低い木製の屋根の下で、ベンチに腰掛けると妙に落ち着いてしまうから、海と駅が織りなす趣は侮れない。

鎌倉高校前駅は、駅の周辺から望む景色もまた美しい。

無人の改札を抜け、踏切と信号を渡って海岸に出ると、ホームからは見えなかった砂浜と波打ち際が目に入る。「日本の渚(なぎさ)100選」にも選ばれた七里ヶ浜だ。ここまで来ると、山の陰からひょっこりと富士山も顔を出す。

鎌倉高校前駅の前に広がる七里ヶ浜。写真中央の真っ白な山は富士山。ビーチには多くのサーファーがいたものの、この日の波は穏やかで少々物足りなさそうに見えた
鎌倉高校前駅の前に広がる七里ヶ浜。写真中央の真っ白な山は富士山。ビーチには多くのサーファーがいたものの、この日の波は穏やかで少々物足りなさそうに見えた

こんどは海から踏切を越えて、急な坂を少し登る。振り返ると、海と坂道、そして江ノ電のかわいらしい列車が同時に映った。この踏切は、アニメ「スラムダンク」のオープニングのモデルになったといわれている。訪れた日も若者を中心に何人もカメラを構え、列車が来る瞬間を待っていた。

アニメ「スラムダンク」のオープニングのモデルになったといわれる踏切。駅のホームよりも写真を撮る人が多かった
アニメ「スラムダンク」のオープニングのモデルになったといわれる踏切。駅のホームよりも写真を撮る人が多かった

フォトジェニックな光景には事欠かない鎌倉高校前駅だが、人の気配からそろそろ離れたい。そこで、もうひとつの目的地、湘南モノレールの目白山下駅に向かうことにした。それはちょうどこの坂を登った先にある。

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