おいしいパンと絶景を目指す旅 河口湖、鎌倉、飯能へ

パンの魅力を発信している「パンラボ」主宰の池田浩明さんに「パンと絶景」をテーマに、おすすめのお店を教えていただきました。友達や家族と、おいしいパンと美しい景色を堪能してみては?

雄大な富士を眺めながら、絶品パンを堪能/レイクベイク

雄大な富士を眺めながら、絶品パンを堪能/レイクベイク
ボンパン。富士をバックに

奇跡のロケーションだ。目の前に広がる河口湖。そびえ立つのは富士。レイクベイクは、河口湖畔のウッドデッキから富士を仰ぎながらパンを食べられるベーカリーカフェだ。

ここから見る富士のなんという雄大さだろう。想像以上にゆるやかに下っていく長い長い稜線(りょうせん)を端から端まで欠けることなく一望できるのだから。

横溝博男シェフは、パン歴40年以上のベテラン。80%ほどのパンは、自家培養した発酵種で作られる。

ワインブロート
ワインブロート

レーズン種を使った「ワインブロート」。水の代わりに赤ワインでこねている。上の歯と下の歯がトランポリンのごとく跳ねるほどにもちもち。噛(か)み締めればじわーっとぶどうの甘さと香りが口の中に広がってくる。

まるごとウィンナーチーズ
まるごとウィンナーチーズ

同じくレーズン種の「まるごとウィンナーチーズ」。もっちりな生地の中に潜んだまるごと一本のウィンナーをぶちっと噛み破る。ほの甘い生地に滲(し)みこんだ肉汁、燻製(くんせい)の香りと上がけのチーズの香ばしさが実に響き合う。

「河口湖ロール(タンドリーチキン)」と富士
「河口湖ロール(タンドリーチキン)」と富士

「河口湖ロール(タンドリーチキン)」は、薄く焼いたブリトー生地の中にスパイシーなタンドリーチキン入り。ふにゃりとやわらかく、なめらかに溶ける生地と、ぶりっとした肉々しいチキンの対照。雄大な景色を見ながらまるかじりすれば、天下を手中に収めたような豪快な気分だ。

レイクベイクの外観
レイクベイクの外観

横溝さんは、もともとの小さな店を移転しようと思っていたとき、知り合いに物件を紹介された。そこは、以前から気に入っていたほうとう屋だった。

「偶然が重なってこの店にたどりつきました」

富士の眺め
富士の眺め

パンを食べながらずっと富士を眺めて、飽きることがない。一瞬ごとに富士は表情を変えていく。着いたときは雲の後ろに姿を隠していた富士だったが、神様が息を吹きかけたみたいに雲が一瞬切れ、切れ間からスポットライトのように光が差し込んで、山頂がきらきら光っていた。ツツジなどが植えられたテラスは、夏でも肌を撫(な)でる高原の風がさわやかだ。

レイクベイク
山梨県南都留郡富士河口湖町大石2585-85
0555-76-7585
10:00~16:30(売り切れ次第終了)
カフェ10:00~16:00
水曜休(祝日営業)、第2・4木曜休
※営業時間・定休日は変更となる場合があり、要確認。

素材の複雑さを生かした職人技/リュミエール・ドゥ・ベー

(左から)安納芋あんぱん、ポム、キャラメルショコラ、クリームチーズ&季節のフルーツ
(左から)安納芋あんぱん、ポム、キャラメルショコラ、クリームチーズ&季節のフルーツ

野菜や果物、小麦から起こした発酵種と、フランス、ドイツ、北米など国内外からやってきた小麦。リュミエール・ドゥ・ベーの厨房(ちゅうぼう)で両者が出会うと、かぐわしくも複雑な味わいのパンが生まれてくる。

販売に立つ無量井健太郎シェフ
販売に立つ無量井健太郎シェフ

無量井健太郎シェフは、すべてのパンを店で自家培養する発酵種で作る。パン酵母(市販のイースト)も使用してなければ、砂糖も油脂も加えてないことが信じられないほどエアリーな食パン「パン・ドゥ・ミィ」。ぷるんぷるんして、舌触りはしっとり。シンプルな配合ゆえに小麦の香りがあふれ出る。ローズマリーやタイムを思わせる香りはバジル由来の種から、豊かな甘さはりんごの種からやってくる。

有機オリーブと自家製ドライトマト
有機オリーブと自家製ドライトマト

「有機オリーブと自家製ドライトマト」。みずみずしく、小麦フレーバーが豊かで、そこに副材料のおいしさが加わる。ローズマリーやオレガノなどのハーブ、自家製のドライトマトは甘ささわやか。そこへギリシャ産黒オリーブの風味が痛烈に襲って、地中海を思わせるマリアージュが完成する。

由比ヶ浜海岸から、材木座・小坪を望む
由比ヶ浜海岸から、材木座・小坪を望む

店と目と鼻の先には由比ヶ浜海岸。広々とした景色に心が洗われる。波が次々と押し寄せ、ウィンドサーフィンの色とりどりのセールは目に鮮やか。海水浴やピクニックといっしょにおいしいパンを楽しもう。

リュミエール・ドゥ・ベー
神奈川県鎌倉市長谷2-7-11
0467-81-3672
11:00~18:00
日・月曜休み

日本そば屋の中にある食パン専門店!/パン工房アンペル

まるぱん。工房近く、紅葉の名栗川をバックに
まるぱん。工房近く、紅葉の名栗川をバックに

埼玉県飯能市にある名栗地区は清流が名高いところ。渓谷に沿って、バーベキュー場やキャンプ場が点在している。そんな自然の中に工房を構えるのが、アンペル。いま流行(はや)りの食パン専門店であるが、そのたしかなおいしさは、高級食パンブームにまったく流されていない。その名栗地区にある工房に加え、アクセスのいい飯能駅前のそば屋「ゆきやなぎ」でもアンペルの食パンが販売されている。そば屋でパンを買うのは不思議な体験だ。

オーガニック角食パン
オーガニック角食パン

しっかりした熟成を感じさせる、甘くかぐわしいキャラメルのような香りをまとう。すばらしいクッションによって唇を押し返したかと思えば、うつくしく点在する気泡に唾液(だえき)はあっというまに吸い込まれ、抜群の速度でストレスなくパンは溶けていく。北米産オーガニック小麦ならではの品格のある香りとバターの甘さがふわりと転がり出る。

名栗川のバーベキュー場で釣ったニジマスとまるぱん
名栗川のバーベキュー場で釣ったニジマスとまるぱん

アンペルでパンを買って名栗川でバーベキューを楽しむのが最高だ。釣りたてのニジマスをまるぱんにはさんで食べたり。いつもは「えー、またパン屋いくのー?」と子供に呆(あき)れられてばかりなのだが、家族そろって大満足の1日になった。

パン工房アンペル ゆきやなぎ飯能駅前店
埼玉県飯能市柳町23-20
070-4073-1105
10:30~売り切れ次第終了
月・火曜休み

名栗工房店
埼玉県飯能市下名栗221-1
070-4073-1105
8:00~11:00
土曜のみパンを販売

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池田浩明

佐賀県出身。ライター、パンの研究所「パンラボ」主宰
日本中のパンを食べまくり、パンについて書きまくるブレッドギーク(パンおたく)。編著書に『パン欲』(世界文化社)、『サッカロマイセスセレビシエ』『パンの雑誌』『食パンをもっとおいしくする99の魔法』(ガイドワークス)、『人生で一度は食べたいサンドイッチ』(PHP研究所)など。国産小麦のおいしさを伝える「新麦コレクション」でも活動中。最新刊は『パンラボ&comics 漫画で巡るパンとテロワールな世界』(ガイドワークス)

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