京都市内とはひと味違う、「山と海の京都」を見つける絶景ドライブ

京都市内とはひと味違う、「山と海の京都」を見つける絶景ドライブ

暮らすように、小さな旅にでかけるように、自然体の京都を楽しむ。&TRAVELの連載「京都ゆるり休日さんぽ」の筆者、大橋知沙さんに京都の街中から足を伸ばして素敵なスポットを案内していただきました。

京都市内の観光とはひと味違った「山と海の京都」を訪ねるドライブの旅。京都市内からクルマで1時間半ほど、緑豊かな京丹波でギャラリーやカフェを訪ねながら、日本三景の一つ「天橋立」を目指します。

自然の中で暮らし、作る、ものづくりびとを訪ねて

木立の中に現れる小さな看板。別世界への入り口のよう
木立の中に現れる小さな看板。別世界への入り口のよう

山の裾野に広がる水田や畑を眺めながら、国道478号を北西に進んでいくと、田んぼ道のそばに「独華陶邑(どっかとうゆう)・ギャラリー白田(はくでん)」と書かれた看板があります。一本道を抜けるとまた、木立の間に小さな道しるべが。導かれるまま進んだその先に、陶芸家・石井直人さんと工芸デザイナー・石井すみ子さんの営むギャラリーはあります。

緑豊かな地に、住まいと登り窯、ギャラリーがある
緑豊かな地に、住まいと登り窯、ギャラリーがある

ものづくりに携わる二人の工房に隣接したギャラリーは、土日のみオープン。直人さんが27年前に滋賀県から移築してきたという茅葺(かやぶき)屋根の古民家を住まいに、登り窯を築窯(ちくよう)し、かたわらに小屋や庵(いおり)を建て、京丹波の山麓(さんろく)に根を下ろすうちに、作家仲間の作品や工芸を紹介する場(=ギャラリー)を設けることになりました。

ギャラリーには、自然の息づかいや土地柄がにじむ品々が並ぶ
ギャラリーには、自然の息づかいや土地柄がにじむ品々が並ぶ

土や火の気配が宿る直人さんのやきものと、すみ子さんがデザインする布小物や台所道具、世界各国のかごや民具などが並ぶ、シンプルで凛とした空間。飾りけがないのに美しく、ミニマルでいて自然の力をたたえた品々には、暮らしを豊かにする知恵がたくさん詰まっているようです。

すみ子さんがデザインする布小物。花のようなコースターは小皿としても
すみ子さんがデザインする布小物。花のようなコースターは小皿としても

独華陶邑・ギャラリー白田
https://dokkatouyu.com/

みずみずしく、彩り豊かな地元野菜でランチを

わち山野草の森のすぐ近く。テラス席で森林浴を楽しみながら食事をすることも
わち山野草の森のすぐ近く。テラス席で森林浴を楽しみながら食事をすることも

ギャラリー白田から30分ほどクルマを走らせると、由良川沿いに、約900種類もの山野草や花木が息づく「わち山野草の森」が現れます。そのすぐ側にたたずむ「bio sweet’s capocapo 菓歩菓歩」は、京丹波や近郊で採れたフレッシュな野菜をふんだんに使ったランチが人気のカフェ。由良川をのぞむ敷地にはテラス席もあり、緑豊かな自然の中でオーガニックな食事を楽しむことができます。

可能なかぎりオーガニックで良質な素材を厳選。滋味豊かなスイーツが並ぶ
可能なかぎりオーガニックで良質な素材を厳選。滋味豊かなスイーツが並ぶ

「穏やかな自然のもとで、有機の素材を使ったお菓子作りと子育てがしたくて、この地に移り住みました」というオーナーの石橋さん。ショーケースには丹波栗や丹波黒豆といった京丹波の特産物をはじめ、厳選した自然素材を用いたスイーツが並びます。

セットでは季節のサラダ、フリットなど前菜の盛り合わせに、スープと天然酵母パンがつく
セットでは季節のサラダ、フリットなど前菜の盛り合わせに、スープと天然酵母パンがつく

お菓子作りを専門とする一方で、農作物が豊かで有機農法に取り組む生産者も多いことから、それらを味わってもらう機会になればとスタートしたランチがたちまち評判に。

パスタは3種類から選べる。こちらは「天然エビのトマトクリームパスタ」(セット1,998円・税込み)
パスタは3種類から選べる。こちらは「天然エビのトマトクリームパスタ」(セット1,998円・税込み)

花束のように色とりどりの前菜は、旬の野菜のフリットや自家製豆乳マヨネーズなど、一品一品惜しまぬ手間がかけられていることがうかがえます。選べるパスタは、希少な天然エビや能勢ベーコンなどメインの具材も丁寧に選ばれた3種類。山と川の織りなす豊かな自然とみずみずしい食材のエネルギーに、体の内側からリフレッシュされます。

天井が高く光あふれる店内。大きな窓から緑を眺めて
天井が高く光あふれる店内。大きな窓から緑を眺めて

bio sweet’s capocapo 菓歩菓歩
https://capocapo.com/

「海の京都」に出合う、日本三景「天橋立」へ

天橋立ビューランドからの眺め。美しい砂浜と松並木、蛇行した地形に見とれる(画像提供:天橋立観光協会)
天橋立ビューランドからの眺め。美しい砂浜と松並木、蛇行した地形に見とれる(画像提供:天橋立観光協会)

おなかも心も満たされたら、さらにクルマを走らせ、京都の最北端「天橋立」へ。日本三景の一つでもある天橋立は、宮津湾と阿蘇海を隔てる全長約3.6kmの細長い地形の砂浜で、約5000本もの松が茂り、上から見ると天に架かる橋のように見えることからこの名で呼ばれています。「股のぞき」の絶景として知る人も多いのではないでしょうか。

天橋立内の砂浜で、海水浴やマリンスポーツを楽しむこともできる(画像提供:天橋立観光協会)
天橋立内の砂浜で、海水浴やマリンスポーツを楽しむこともできる(画像提供:天橋立観光協会)

周辺に展望スポットはいくつかありますが、龍が空を舞うように見える「飛龍観」を見ることができるのが「天橋立ビューランド」からの眺め。股のぞきで上下反転した景色は海が空になり、視野の錯覚で平面的に見えることから、絵画のような風景を楽しむことができます。水鏡に映る空を駆ける龍の地形はまさに絶景。自然の作り出した造形美と、この景色に橋や龍といったモチーフを発見し、神話や開運を重ねてきた古人の視点に感嘆せずにはいられません。

陸地と天橋立をつなぐ廻旋橋。船が通るたびに90度旋回する珍しい橋(画像提供:天橋立観光協会)
陸地と天橋立をつなぐ廻旋橋。船が通るたびに90度旋回する珍しい橋(画像提供:天橋立観光協会)

9月1日までは南側の文珠エリアで天橋立の砂浜をライトアップする「天橋立まち灯り」が、8月16日には、江戸時代から続く燈籠(とうろう)流しに伴い「宮津燈籠流し花火大会」が開催されます。すがすがしい昼の眺望と夕刻〜夜にかけての幻想的な風景と合わせて、過ぎゆく夏を満喫してはいかがでしょう。

「宮津燈籠流し花火大会」(8月16日開催)では、海面に映るきらびやかな花火を堪能できる(画像提供:天橋立観光協会)
「宮津燈籠流し花火大会」(8月16日開催)では、海面に映るきらびやかな花火を堪能できる(画像提供:天橋立観光協会)

天橋立
http://www.amanohashidate.jp/

車窓を流れる見渡す限りの山の緑を抜けて、たどり着いた先で出合う、海を空に見立てた龍の絶景。ドライブを楽しみながら、豊かな自然を味わい尽くすもう一つの京都を見つけてみてください。
(撮影:津久井珠美)

大橋知沙

編集者・ライター
東京でインテリア・ライフスタイル系の編集者を経て、2010年京都に移住。京都のガイドブックやWEB、ライフスタイル誌などを中心に取材・執筆を手がける。&TRAVELでの連載「京都ゆるり休日さんぽ」をまとめた著書に『京都のいいとこ。』(朝日新聞出版)。編集・執筆に参加した本に『京都手みやげと贈り物カタログ』(朝日新聞出版)、『活版印刷の本』(グラフィック社)、『LETTERS』(手紙社)など。自身も築約80年の古い家で、職人や作家のつくるモノとの暮らしを実践中。

17種類のカラーバリエーション、何色を選ぶ? 新型日産デイズでのお出かけを楽しむ

トップへ戻る

お弁当を持ってクルマでお出かけしよう!