お部屋にオブジェのようなグリーンを。インテリアのプロが教える選び方のコツ

お部屋にオブジェのようなグリーンを。インテリアのプロが教える選び方のコツ

部屋の中やベランダにグリーンがあると、ぱっと雰囲気が華やぎますよね。今回は、グリーンを取り入れたお部屋づくりが評判のインテリアスタイリストの石井佳苗さんと、神奈川県川崎市にあるグリーンショップ「SOLSO FARM(ソルソファーム)」へおでかけ。センスが光るグリーン選びのポイントや、生活を豊かに過ごすためのヒントをうかがいました。

週末だけオープンする“植物のワンダーランド”

照りつける陽射しが和らぎ始め、ゆっくりと秋の訪れを感じ始めたころ。インテリアスタイリストの石井佳苗さんとステキなグリーンを求めて、神奈川県川崎市にあるグリーンショップ「ソルソファーム」へドライブに出かけました。電車で行くと駅からバスに乗らなければたどり着けず、降りてからも長い坂道の途中にあるので、車での移動がラクチンです。

神奈川県川崎市のグリーンショップ「ソルソファーム」
神奈川県川崎市のグリーンショップ「ソルソファーム」

週末だけオープンする「ソルソファーム」は、遠方からも家族づれやグリーン好きのリピーターが訪れるグリーンショップです。敷地一帯がなだらかな丘陵になっているので、階段を登り降りしながら散策していると、まるで植物のワンダーランドに迷い込んだかのような気分になります。園内には、小さなサボテンにはじまり、観葉植物、アウトドア向けとさまざまなグリーンがところ狭しと並び、「どの子を連れて帰ろう?」とワクワクが止まりません。

石井さんも「ソルソファーム」を訪れるのは初めてとのこと。「ずっと来てみたかったんです。仕事でもグリーンを扱うことが多いのですが、植物を探すときは、専門の市場に行ってしまうので、なかなか来る機会がなくて」。一つひとつ真剣にグリーンを見るまなざしはプロフェッショナル。黙々と園内を歩きながら、お気に入りを探します。「ソルソファーム」の魅力は、グリーンの豊富さはもちろん、鉢や小物など、ガーデニンググッズの品揃えの良さも魅力。

「ソルソファーム」の魅力は、グリーンの豊富さはもちろん、鉢や小物など、ガーデニンググッズの品揃えの良さも魅力。

園内をひと通り散策し終わった頃、ふと石井さんが足を止めて眺めたのは、小さなもみの木のようなグリーン。それは「シルバーショウ」という名前のもみの木で、とても希少な品種なのだそう。クルンとした葉の形状がとても可愛らしく、寒くなればなるほどシルバーが濃くなってくるので、クリスマスには銀色のツリーになってくれるのだとか。

スタッフの方に育て方をうかがったところ、雨風にあてることが必要な品種で、基本的には外で育てるのに向いている植物ですが、室内で楽しみたい場合は定期的に外に出してあげれば問題ないそう。

「シルバーショウ」

「部屋に置くのにちょうどいいサイズですね。葉っぱの色もフォルムもステキ。もみの木を買うなんて人生ではじめてですが、デビューするのには最適かもしれませんね」。そっとシルバーショウの葉に触れながら、自宅に連れて帰ることに決定。コロンとした丸いフォルムの鉢に植え替えてもらいました。

新入りグリーンを部屋に飾って、暮らしをもっと華やかに

新入りグリーンを部屋に飾って、暮らしをもっと華やかに

購入したシルバーショウを車に詰め込んで向かったのは、田園調布にある石井さんのご自宅。お部屋に足を踏み入れた瞬間出迎えてくれたのは、父猫ポポと母猫メグ、息子のハナオという3匹の可愛い家族。

「横須賀に住んでいた10年前ぐらいから一緒に住んでいるんです。みんなひなたぼっこをしたり、撫(な)でられたりするのが大好きなんですよ」

田園調布にある石井さんのご自宅

持ち帰る前に部屋かベランダかで飾る場所に悩んでいたシルバーショウは、石井さんの審美眼により選び抜かれた家具などが心地よく調和するリビングに飾ることに。

「部屋の中に置いてもハマりますね。今の部屋が広くないので、もしかするとベランダかなと思っていたのですが、これなら大丈夫そう。大きすぎるグリーンだと自分の車で持って帰るのは難しいですけど、ちょうど良かったですね。実は私、都心で運転するのが苦手で昔はほとんど車に乗らなかったんです。でも、横須賀に暮らしていた頃に、これは車がないとダメだなと思って、ペーパードライバー講習に通って頑張ったんですよ。車があると行動範囲がぐんと広がることが楽しくて。毎日のようにホームセンターに行っていました(笑)」

そう話しながら、シルバーショウをひと枝パチンとカットし、小さな花入れに活けた石井さん。ベランダに置いているグリーンの枝も、こうやって部屋のインテリアに取り入れているそうです。

シルバーショウをひと枝パチンとカットし、小さな花入れに活けた石井さん。

「オブジェのような存在になるグリーンが好きなんです」

部屋を見渡すと、石井さんのお部屋にはいくつもグリーンがあり、そのいずれも独特のフォルムであることに気づきます。

「動きのあるものが好きなんです。枝振りや葉っぱの流れ方など、全体のプロポーションを見て選びますね。部屋に飾った時にオブジェのような存在になってくれるといいなと思っているんです。本棚に置いているものはもう8年か9年くらい一緒です」

「オブジェのような存在になるグリーンが好きなんです」

アンティークの器の上に置かれたエアープランツも、ガラス棚の上の枝葉も、窓辺のフラワーベースから放射状に伸びたグリーンも、確かにすべてがオブジェのように美しい空気感をまとっている。石井さんにとってグリーンは、手作りの器を選ぶのと同じように、揺るぎない美意識を持って選び抜くもの。本当に気に入ったものだからこそ、長い年月を経ても飽きることなく、ともに生活できるのでしょう。

石井さんにとってグリーンは、手作りの器を選ぶのと同じように、揺るぎない美意識を持って選び抜くもの。

ベランダに目を向けると、バンクシーやリューカデンドロンなど、個性的なフォルムのグリーンたちが並んでいます。

「それぞれに思い出がありますね。引っ越す時に持ってこられない子もいましたし。思った以上に大きくなる子や暑さに弱い子……グリーンを育てながらいろいろと学ぶことがありました。昔はグリーンって庭やベランダに置くものだと思っていたんですよね。でも7〜8年前にポートランドに行った時に、どの家にも部屋の中にたくさんグリーンがあったんです。手作りのマクラメに鉢を入れてつるすだけでステキなインテリアになる。その時にマクラメの基本の作り方を教えてもらって、日本に帰ってからかなりワークショップを開催しました」

手作りのマクラメに鉢を入れてつるすだけでステキなインテリアになる。

欲しいもの、必要なものがあれば自分で作ってみる。DIYの楽しみ方を長年提案し続けてきた石井さんの暮らしには、工夫がたくさん。壁に取り付けた飾り棚やキャニスターを付けた収納ボックス、手作りの猫の餌置き……。それらが、「ユトレヒト ソファ」や「ゴーストソファ」といった名作家具とともに、部屋を心地よく演出します。

「ユトレヒト ソファ」や「ゴーストソファ」といった名作家具とともに、部屋を心地よく演出します。

「グリーンもそうですが、ものを買うときは、必ずどこに置くかを想像しながら購入します。有名デザイナーや職人による名作家具も、誰が作ったのかわからないアフリカで買ったスツールも、それぞれに強さや魅力がある。美しいものに囲まれると本当に生活が豊かになりますよ」

実はこの秋、目黒のヴィンテージマンションに引っ越すのだという石井さん。現在はリノベーション中とのことですが、来年にはまた新たな場所で、石井さんに愛されたインテリア達と3匹の猫が空間を幸せで満たしてくれるのでしょう。

(文・横田可奈 写真・相馬ミナ)
取材協力:ソルソファーム

石井佳苗(いしい・かなえ)

インテリアスタイリスト
東京都出身。インテリア家具メーカー、カッシーナ・イクスシーに入社。現在は主に、雑誌、広告のインテリアスタイリング。住宅メーカーのモデルルームやカタログ、公共施設のインテリアディレクション、ウインドウディスプレイ、商品開発、VMD講師、DIY活動、リノベーションプランナー、等多岐にわたる。著書に『簡単! インテリアDIYのアイデア Love Customizer』『DAILY LIFE 日々を愉しむ大人のおしゃれと暮らし』(ともに株式会社エクスナレッジ) 、『インテリア練習帖』『Heima これからの住まい支度』(ともに宝島社)がある。
公式HP:http://www.kanaeishii-stylist.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kanaeishii_lc/

ドライブピクニックに持っていきたい山道具

トップへ戻る

初心者でも簡単にできる駐車のコツ 苦手意識を克服し、丘の上のパン屋へ